投稿日: 2016.6.27

「世の中を変えたい」と強く思える仕事を。「時間を寄付する」一風変わったボランティアサイトCollavol代表インタビュー

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「ボランティアに参加することで時間を寄付する」今までにありそうでなかったコンセプトを掲げる次世代のボランティアサイトCollaVol。現在Facebookで1500を越えるいいね!を獲得しており、その知名度はまさに急上昇中である。その代表である渡邉亜紀さんはどのような経緯でこのサイトを開設したのか、話を伺った。


人と違うこと、未経験のことに挑戦し続けた学生時代


「世の中を変えたい」と強く思える仕事を。「時間を寄付する」一風変わったボランティアサイトCollavol代表インタビュー

ーーまずは時系列に沿ってお話をうかがっていきたいと思うのですが、幼少期、学生時代の体験でなにか現在に結びついているものがあれば教えて下さい。

渡邉:3歳くらいからピアノをずっとやっていて、コンクールにもよく出ていました。自分を表現することや、人と違ったことをやりたいという想いは、そのときの体験がもとになっているかなと思います。スポーツもいろいろなものに取り組み、中学時代は剣道、高校のときは競泳をやっていました。それから大学では体育会系の競技スキー部に入りました。あえて未経験のものをやってみたいという思いがあって、周りの子がみんな経験者だった中、私はボーゲンもできるかどうかという状態で始めました(笑)。

ーー大学の学部はどちらでしたか?

渡邉:農学部です。当時バイオが注目を浴びていたことや、幅の広さに惹かれて。農学は、食品、医療、化粧品など応用範囲が広いと思ったのと、まだやりたいことが明確に決まっておらず、幅広く見てみたいなと思い、選びました。

ーーそしてその後は大学院まで進まれましたが、何を勉強されていましたか?

渡邉:生命科学です。学部では分子生物学や有機化学などの基礎的な学問を学び、大学院では、創薬に結び付く応用的な研究をしました。具体的には、糖尿病や癌などの疾患に関わっている生体内物質の作用メカニズムを解析し、治療薬となりうる低分子化合物の探索を行っていました。その後、大学院での研究を活かして、武田薬品という製薬メーカーの開発職に就職しました。

就職して初めて気付いた違和感


ーー製薬会社に就職したというのは、薬に興味があったからですか?

渡邉:そうですね。人体の異常を薬が治していくメカニズムを研究していた流れで、それをもっと身近な生活に近いところで活かしたいと思い、基礎研究ではなく産業のほうを選びました。

ーーそちらには何年くらいいらっしゃったのですか?

渡邉:1年で辞めてしまいました。就職活動のときは、ただ大学で学んだことを活かせる仕事に就きたいということしか考えていなかったので、数十年先までその仕事をしている自分の姿を具体的に想像しないまま就職してしまいました。ですが、就職した後に、30年後の自分が見えなくなり、その時初めて自分はなにをやりたいのか考えるようになりました。そうしたら事業継続の仕組みや会社の業績を拡大するにはどうしたらよいか、など、会社を経営視点でみることに興味が湧いてきたんです。例えば、武田薬品という会社は日本の製薬業界ではナンバーワンなんですよ。どうやってこの強い企業体質はつくられているのか、これからもっと成長させるにはどうしたらよいか、などですね。そういうところを見られる仕事に就いてみたいなと思うようになり、経営コンサルティングファームに転職しました。

ーーしかしその会社も辞めてしまったのですね。

渡邉:今度は主人が地方に転勤になってしまって、その転勤も一時的なものではなく、ずっとそこで働き続けるようなかたちのものだったので、仕事を辞めてついていくことにしました。

コンサルでの経験を活かして立ち上げたNPO

ーーその後はどのようなお仕事を?

渡邉:ピアノ講師をしている母からある相談を持ち掛けられて、それを解決するための事業をつくれないかと思い、起業することにしました。クラシック音楽業界を盛り上げることを目的としたNPOです。今は少子化の影響でピアノ教室に通う生徒さんの数が減っていて、2人や3人しか生徒さんがいない教室もざらにあるんですよ。先生や生徒さんは、日頃の練習の成果を披露する場である発表会の開催を強く希望しているのですが、その人数では開けません。そういう状況の教室を集めて発表会を開けないかと思い、出演者の募集、会の企画から当日の運営、開催後のフォローまでをワンストップで行う事業を立ち上げました。

ーー会社としてではなくてNPOとして立ち上げたのはなぜですか?

渡邉:マーケットが小さいこと、さらに、クラシック音楽の裾野を広げるためになるべく低価格なサービスにしたかったということです。そうなると、事業収入だけで事業を継続していくことは難しいので、資金調達の選択肢が多いNPOにしました。NPOだと行政からの助成金とか寄付とか、収入の手段がいろいろあるんです。

ーー発表会事業はうまくいきましたか?

渡邊:大成功したというわけではないけれど、一定の参加者が集まって、徐々に増えていっているという感じでした。当初の目標である、先生や生徒さんに機会を提供するというところに関しては達成できました。ただ地域が限られているので、拡大できたらいいなと思っています。

ーーその後、渡邉さんはCollaVolを立ち上げましたが、なにかきっかけはありましたか?

渡邉:運営していたNPOでは、いつも人手を集めるのに苦労していました。定期的にイベントを開催していたのですが、毎回自分の知り合いに依頼しており、「いつも申し訳ないな」という気持ちがありました。ですが、イベントの後に、いつも手伝ってもらっている方以外の方から、「それ、知っていれば手伝ったのに」と言われることがよくありました。それ以来、漠然と、「困っている人」と「リソースを持っている人」を可視化できたらいいなと思うようになり、そのようなツールが無いか情報収集を始めるようになりました。そんなある時、「Kickstarter」というクラウドファンディングサービスを見つけました。少額から支援でき、少しずつを多くの人たちから集めることで結果的に多額を集めてプロジェクトを実行することができること、そして支援額に応じたリターンもあり、明確なインセンティブ設計がされていることについて、上手い仕組みだなあと感心しました。これを応用できないかなと思ったところがきっかけですね。自分の事業のためだけではなく、もっと多くの困っている人たちを助けられないかと思いました。そこで、誰かが困ったときに、スポットで気軽に人とつながれる仕組みを作ろうと思いました。

ーーCollaVolの運営で難しいところはありますか?

渡邉:二つあって、一つは支援する側、ボランティアをモチベートすることですね。ボランティアにはアルバイトなどと違い、目に見えるリターンがないので。達成感や新しい人とのつながりなど、お金以外のリターンはあるのですが、経験した人にしかわからないので、どうやって初めの一歩を踏み出してもらうかというところにすごく苦労しました。その問題に対応するため、達成感が得られやすいようなUXを考えたり、ボランティアのハードルを下げるために、全てのボランティアを数時間でできるようなマイクロタスク(マイクロボランティアと定義)にしてハードルを下げたりする工夫をしています。もう一つの難しいところは支援される側、NPOの方の問題なのですけれど、後で話しますね。

ーー具体的にはどのようなことをしていますか?

渡邉:ボランティアの貢献度を可視化することがすごく大事なんです。このサイトは「時間を寄付する」というコンセプトなのですが、お金と同じように時間も大切な資源じゃないですか。その資源を寄付することで困っている人たちがどのようにして助かったのかというのを可視化することで、達成感が得られるのではないかと思っています。ボランティアと話していく上でわかったのですけど、自分のできることを活かして人の役に立てたという達成感が、次につながる一番のモチベーションになっていて、そこを盛り上げられればなと。そして、「時間の寄付」というコンセプトの表現ですが、自分がどれだけの時間を使ってなにをしたかというのを具体的に可視化しています。サイトのユーザーページが履歴書のデザインになっており、どのくらいの時間を使って何に貢献したかというのがどんどん追加されていきます。

「世の中を変えたい」と強く思える仕事を。「時間を寄付する」一風変わったボランティアサイトCollavol代表インタビュー

CollaVolにログインすると見ることのできるようになるボランティア履歴書。コレクション要素的なアプローチでもあり、次に繋がりやすくなっている。

ーーサイトには、仕事内容のところに「〜時間の活動で〜円相当の寄付」と書かれていますが、これはどういう意味ですか?

渡邉:ボランティアを投稿する団体に、もし有償でお願いするならどれくらいの人件費になるかというのを設定してもらっています。仕事の価値の可視化という意味のほかに、その価値を、団体の方にも再認識してもらうという狙いもありますね。

「世の中を変えたい」と強く思える仕事を。「時間を寄付する」一風変わったボランティアサイトCollavol代表インタビュー

その活動に報酬が支払われると仮定した場合の金額が表示される。その額は活動内容によって様々だ。

ーーやっていて大変だったことはありましたか?

渡邉:NPO側、支援される側の苦労した点に戻りますが、NPOには「お金がないのでボランティアしてもらって当たり前」みたいな考え方の団体が結構多いんです。ボランティアに応募してくれた人にすぐに連絡をとらなかったり、感謝の気持ちを示すことがなかったり、ということがあって、そういう団体に対してはマニュアルをつくって一つひとつ指導していきました。時間を割いて無償で活動するのは、すごく大変なことですからね。善意に甘えすぎてはいけないと思っています。

ーーこれは良かったなと思うことはありますか?

渡邉:NPOの運営者側の人たちに、このサービスのおかげで人がいっぱい集まって、今までにはできなかったようなことができるようになったと言われた時は、やってよかったなと感じますね。

女性ならではの困難やアイデア


ーー先程、ご主人の仕事の都合でという部分がありましたが、現在は再びコンサルタント会社に勤めていらっしゃいますね。女性が仕事をする上での困難というものを何か経験されましたか?

渡邉:まさに今直面しているところで、時間の問題ですね。昨年出産し、現在子育て真っ最中ですが、子育てをすると、物理的に自分に割ける時間が大幅に減ります。そのような制約条件下で仕事を行っていくことです。

ーー普段お仕事をやっているときにお子さんはどうしていますか?

渡邉:今は育児休暇中なので私が見ています。今年の9月に復帰する予定なのですが、それからは保育園に預ける予定です。今保育園を探しているところです。

ーー育児中ならではという感じですね。渡邉さんの今後のビジョンについて教えてください。

渡邉:ビジネスを通じて世の中の様々な問題を解決していきたいです。特に、新しいビジネスシーズを事業化したり、既存のサービスで未解決の問題に対して新しいエコシステムを構築することで、新たなマーケットを創造するとともに、教育、医療、食糧などにおける様々な社会問題の解決にも寄与していきたいと考えています。今のところは分野を問わず取り組んでいきたいので、様々な業界に関わることができるコンサルをしばらくは続けていこうと思っていますが、今後、一生をかけて取り組んでいきたいような特定の領域の課題が見つかれば、自らビジネスを立ち上げるかもしれません。

ーーそれではCollaVolの活動で、中長期的なビジョンはありますか?

渡邉:今は地域CollaVolというのをつくっています。これは先ほど話したところに関わっているのですが、ボランティアをやる気になる理由のひとつに、自分の身近で起こっていることだったら参加しやすいという意見が多くて。身近に起こっている問題を地図上で見えるようにするという企画を行っています。これを広げていくのと、ボランティアをいかにモチベ―トして楽しむかという仕組みはまだ実現しきれていないので、もっと詰めていきたいと考えています。

「世の中を変えたい」と強く思える仕事を。「時間を寄付する」一風変わったボランティアサイトCollavol代表インタビュー

ーー最後に読者に向けて、メッセージをいただければ。

渡邉:自分はなにをやりたいのか、なにを通じて社会に貢献したいのかという部分を本気で考えてほしいなと思います。給与などの待遇面は長年仕事を続けるモチベーションにはならないと個人的には思っています。自分が本当にやりたい、この仕事を通じて世の中を変えたいという強い思いがなければ、どんなに高給な仕事でも続かないと思うんですよ。そういう視点をもって就職活動をしてほしいなと思いますね。ただ、就職活動をしている段階で答えが見つからなくてもいいとも思います。実際に働いてみなければわからない部分もありますから。その場合は自分に合いそうな仕事を見つけ、まずはその仕事に打ち込むことが大事だと思います。一生懸命に続けているうちにやりたいことが見えてくることもあると思っています。まずは、自分が必死になれるようなものを見つけられるよう頑張ってください!

この記事を書いた学生ライター

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