就職活動をする上で、企業を選ぶ際に気になるのが「初任給」ですよね。
自由な学生生活に終わりを告げて、自分で稼いだお金で生活するようになるわけですから、生活に使える資金の額はとても重要です。
では「初任給」のいろはについて見て行きましょう。
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さて、まず最初に分かっておかなければならないのは、採用情報などに掲載されている「初任給」と実際にもらえるお金は額が違うことです。
なぜ?!と思う方も多いかもしれませんが、これは「社会人が社会に対して払うべき金額」を引かれているからです。
この「社会に払うべき金額」を初任給から引いたものが「手取り」と呼ばれるものです。
「社会人が社会に対して払うべき金額」とは何か。
ここには様々なものが含まれます。
主なものとしては、所得税や住民税などの「日本国民」として納めなければならない税金や厚生年金。
そして、企業がそれぞれ従業員にかける保険の保険料などです。
企業がかけている保険の違いや、お住まいの地域の違いによって個々の金額は変わりますが、新卒の初任給から引かれる額としては約3万円が一般的と言われています。
つまり、採用情報に載っている初任給から3万円前後を引いた額が実際にもらえる手取りの金額となります。
手取りと初任給の違いが分かったところで、気になるのがじゃあどれぐらいが目安なの?ということですよね。
そもそもの給料が都市になればなるほど高く、地方になるほど低くなるので、手取りの額も同じように変化します。
これは物価の違いによる影響が大きく、同じレベルの生活をするために必要な金額が異なるからです。
では学歴に分けて見てみましょう。
このように大卒と高卒では多きな差があることが分かりますね。
一般的には大院卒>大卒>高卒の順になり、最終学歴が能力の違いに影響するという見方が現在でも主流です。
ただ、外資などの能力重視の社風があれば、この通りにはならないこともしばしばでしょう。
ここまで大卒と高卒の収入の違いを見ました。
では、会社の規模の違いではどのように変わるのでしょうか。
大手とは従業員が1000人以上、中小企業は300人以上、そしてベンチャーとは設立後5年以内の会社を指します。
結論から言うと、給料が高いのはベンチャーです。
最も高い所では月収34万円というところもあるので、手取りでも30万円ですね。
単純計算でこれは高卒の手取りの倍になります。
「大手は給料がいい」と良く言われるのは平均年収のことで、管理職や役員の給料が平均年収を引き上げているとも言えます。
ただ、注意したい点がいくつかあります。
ベンチャーは企業規模が小さく、一人がこなす仕事量が多いですよね。また、福利厚生が整っていないところが多いので、残業はほぼサービス残業です。つまり「時給」という観点でみると、大きく下がると言う事ができます。
また、大企業・中小企業については、初任給という面ではベンチャーとまではいきませんが、将来的な昇級率は高く、福利厚生も整っています。
驚くべきなのがこの違いです。
そう、現在でも、同じ学歴でも男女間の格差があるのです。
厚生労働省のデータによると、大企業・中小企業に関わらず、大卒の平均で5~8万円の違いがあります。(ベンチャーのデータはなし)
原因として考えられるのは、採用枠の違いでしょうか。
総合職と一般職では給料に差があり、また現時点でも総合職には男性が多いという状態が、男性の平均を上げ、女性の平均を下げていると考えられます。
この点は企業内部での差ですので、「男女がより平等な会社」という視点で参考になりますね。
さて以上が新卒の手取りに関する比較でした。
目指す企業、業界について、手取りを比較することで様々な点から企業分析・業界分析をしてみてください。