家庭教師とポーカーサークルの運営に打ち込んだきっかけ
ーーまず簡単に矢野さんの自己紹介をお願いします。
はじめまして、早稲田大学政治経済学部の矢野と申します。私は学生生活中に大きくわけて2つのこと、家庭教師とポーカーサークルの運営をやってきました。家庭教師をはじめたのは、浪人中に今の教育に対して疑問を感じていたからです。そして、ポーカーをはじめたのも浪人生活中でした。
ーー浪人中に感じたこと・経験したことが大学での取り組みにつながっているわけですね。
そうですね。私は1年間の浪人生活の末、早稲田大学に入学しました。浪人中は、一年間制約を受けずに自由に時間を使えるチャンスだと思ったので、自分の好きなように時間を使おうと決めていました。なので画一的な予備校のカリキュラムは非効率だと感じ、予備校の授業は一切とっていませんでした。こんな浪人生活だったので「未来思考」の大切さに気付いたのかもしれません(笑)。この考え方は今でも自分の人生観に大きな影響を与えています。
なので浪人していた時に感じていた教育の画一性への疑問を胸に、大学に入ったら生徒一人ひとりにあった教育をしてあげたいと思って家庭教師をはじめました。生徒一人ひとり志望校が違うのに学校や塾では同じような授業が行われている。これって生徒にしてみれば非効率だし、何より勉強が楽しくない。こんな現状を変えたかったんです。
「勉強を楽しく、家庭教師の時間が待ち遠しいような」そんな授業を目指して、4年間で受験生13人を教えました。うち9人が第一志望、4人が第二志望に合格しました。その志望校も「単に偏差値が高い」とかの理由だけではなくて「志望校に入って何をしたいか」を生徒に考えてもらって、志望校を決めてもらいました。
ーーポーカーサークルに運営に関しても話をうかがってもいいですか。
もともと浪人時代に「ポーカー」というトランプのゲームにはまっていたことがきっかけになり、大学二年次に「スハダクラブ」というポーカーサークルを立ち上げ、約2年間運営に携わっていました。
現在は引退してしまいましたが、130人以上のメンバーがいます。これは、自分の人生の中で初めてと言っていいほどの主体的な行動でした。浪人時代に未来に向かって計画をたてる「未来思考」の大切さを学んだので、この時も「ポーカーを知らない人に、ポーカーを気軽に遊べる環境を提供する」といった理念を掲げて活動していました。
サークルで理念を掲げるところはあまりないかもしれませんが、この理念を提唱したことによって、サークルとして行動に一貫性ができて、とても効率的に運営できるようになったんです。これは自分の就活にも影響していて、会社選びの中の項目で「理念」は大きなウエイトを占めています。
ーーここからは現在インターンをされている、ドウゲンザッカーバーグについてお伺いしたいと思います。ドウゲンザッカーバーグが行っている事業内容について簡単に教えてください。
ドウゲンザッカーバーグでは現在、NICOLYというメディア事業にすべてのリソースを割いています。「コンプレックスで悩んでいる人を笑顔に」を理念に、インターネットでアクセスしにくい「悩み」についての記事を、実際にそのコンプレックスを持っている人と協力して公開しています。
コンプレックスに悩んでいる人は、なかなかそのコンプレックスを周りに打ち明けられないもの。だからこそNICOLYが「コンプレックスに悩んでいる人はあなただけじゃないよ」「この人はこんな方法でコンプレックスを克服したよ」と言ってあげることで、だいぶ楽になると思うんです。そんな「楽になる」「笑顔になる」人が社会に増えればいいなという思いでNICOLYを運営しています。
ーーどういうきっかけがあって、ドウゲンザッカーバーグで働こうと思ったのですか。
僕の内定先がドウゲンザッカーバーグに出資していて、内定先の方に「社会人になる前に働きたい」と言ったら、インターンのお話をいただきました。数あるインターン先からドウゲンザッカーバーグを選んだのは、理念に共感したことと事業が伸びる予感がしたからです。
自分はもともと「人が助け合う社会ができれば、世の中もっと楽しく生きられるのに」と感じていました。「コンプレックスで悩んでいる人を笑顔に」という理念が、自分の感じていたことを具体的にしたものだなと感じたんです。
また、この理念を体現しているメディアはなく、多くの人がそんなメディアを欲していると感じ、そこにビジネスチャンスがあると考えジョインしました。
ーーちなみにドウゲンザッカーバーグ以外にもインターンってされたことがありますか?
そうですね。ドウゲンザッカーバーグのインターンだけではなく、学生時代に多くのインターンをしてきました。インターンをはじめたきっかけとしては、早く自立した人間になりたいと思ったからです。
自立というのは「自分で生活できるようになること」だと思っています。それは単にお金稼いでいるというだけではなく、明日会社がなくなってもいいように技術を身に着け、人間的に成長することです。
8月になると就活が始まりますが、その就活で内定をもらって社会人になっても自立しているとは僕は思いません。「就活」というレールにのって受動的に行動しているからです。何かトラブルが起きた時に、主体的に動かないと、そのトラブルは解決できません。そういった主体的な行動を重ね、経験にしていくことで「自分で生活できるようになること」ができるのかなと思っています。自分には誇れるような経験を得ることと、社会や会社の仕組みを知る必要があると思ったので、それが得られるインターンに早め早めに行っていました。
ーードウゲンザッカーバーグの中で、矢野さんは具体的にどのような仕事をされているのですか。
NICOLYの運営全般です。私の業務は主に、ライターさんとのやりとりや記事の編集、SNS広報です。ライターさんとどのような記事にすればいいのかを話し合い、その記事をどのように魅力的に仕上げていくのかを考え、できた記事をNICOLYを知らない人にも読んでもらうように届けるという、一連の流れを任せてもらっています。
また、「人に本質を伝える」スキルを学んでいます。編集というと言い回しや構成をかえる仕事なんですが、これが意外と難しいんですね。伝えやすい言い回しや構成といった絶対的なスキルもあれば、そのメディアのコンセプトとターゲット。SEO的視点といった相対的なスキルもあります。つまり人に本質を伝えるってことは、時と場合、人と自分の状況によって、伝わりやすい方法が変わってくるということです。
ーーメディア運営に携わってきた中で、どのようなところが一番楽しかったですか。
事業に直接関われることが特に楽しかったですね。ライターさんと自分が協力して作ったものが、世に出ていくというのはとてもやりがいがあります。
その一方で自分がしっかりやらないとコンテンツの質が下がってしまい、それは事業が失敗に近づくということです。でも、自分がしっかりとコミットすればダイレクトに反応をいただけるし、それを積み重ねないと事業が伸びていかないんです。こういった経験って、他の事業ではなかなか味わえないものだと思います。
ーーバイトやサークルではなく、インターンだからこそ経験できたことってありますか。
経営者の思考を吸収できるチャンスがあることですね。自分は「結果を変えるには行動を変えなければならず、行動を変えるためには思考を変えなければいけない」と考えているので、代表の檜垣の考え方はとても参考になります。
もしかしたら社会人として当たり前の思考かもしれないけど、学生としてはまったく当たり前でないんです。そのギャップを埋め合わせる作業を社会人になる前にできるのには、ワクワクしますね。
ーー最後の質問になります。矢野さんは将来、どのように働きたいと考えていますか。
「人が助け合う社会ができれば、世の中もっと楽しく生きられるのに」という目標をもって、働くなら「社会を変えてやるぞ!」ぐらいの気持ちで働きたいと思います。
この目標を実現するには、「事業」と「組織」が必要だなと感じています。なので、そういった事業か、組織を創れるような人になりたいですね。前者なら事業責任者、後者なら人事責任者、両方なら社長ですね。今のところどれが自分に向いているのかはわからないので、できるだけ早く、働いていく中で決めたいと思います。