近年、リモートワークが世間に浸透してきた中で、「コワーキングスペース」というものが注目を集めています。
今回は、今始めたいビジネスがあるけど、人脈も少ないし、資金もあまりない...。そんな人たちにこそおススメの、コワーキングスペースとはどのようなものか、そして利用することで得られるメリットについてご紹介します。
タカハシ(編集部・ライター)
東京大学1年生。最近のマイブームはサッカーと筋トレ。自炊に苦戦中の19歳。
そもそも「コワーキング(co-working)」とは、「共同の」を意味する接頭語である「co」と、「働く」を意味する「working」をつなげた単語です。
つまり、コワーキングスペースとは、様々な業種の人たちが空間を共有しながら、仕事をする場所のことです。コワーキングスペースと似たようなものにレンタルオフィスがというものがありますが、レンタルオフィスは執務スペースが会社ごとで区切られている一方、コワーキングスペースはそのような仕切りがないことが特徴です。
先ほどあげたように、会社ごとの仕切りがないことがコワーキングスペースの特徴ですが、これにより、様々な業種の人たちと交流することが可能です。仕事場だけでなく、雑談・休憩のスペースも共有するため、会社をまたいだ新たな交流を生むことができます。人脈の幅が広がることはコワーキングスペースを利用することの大きなメリットといえるでしょう。
それに加えて、交流の中で、新たな視点での発想を得られるきっかけがあることもメリットとして挙げられます。自分だけでは思いつかなかったアイデアを、人との会話の中で得ることで、自分のビジネスに取り入れることができるかもしれません。
起業する際に1つ大きな問題となるのが、初期投資です。
賃貸オフィスの契約やWi‐Fi環境の整備、デスクやプリンターなどの設備には、少なくない金額が必要になります。また、東京・大阪などの大都市のオフィスビルの賃料はとても高く、創業間もないスタートアップが利用するのは資金的に厳しいのが現状です。しかし、コワーキングスペースを利用することでそれらの費用を最小限に抑えることができます。また、多くのコワーキングスペースは都心部の一等地や有名なビルに拠点を持っていることが多く、名刺やホームページに記載する住所や、打ち合わせを行う場所で、取引相手から信頼されやすくなるというメリットもあります。
また、掃除やごみ捨てなどの手間を省けることや、基本的に併設されているフリードリンクを利用できることも自分の作業効率が上がる要因になりうると言えます。
下に紹介する通り、現在全国的にコワーキングスペースが広がっているため、複数を比較検討して、自分の目的にあったものを選ぶことが大切です。
国内の展開地域:東京、横浜、仙台、名古屋、大阪、福岡、神戸
WeWorkは「コミュニティ型ワークスペース」というコンセプトで世界39ヶ国150都市以上で750拠点以上のワークスペースを展開している大手シェアオフィス運営会社です。DeNA、クックパッド、ギークス、オープンワークなどの上場企業も本社として利用している実績があり、モダンで機能的なデザインのオフィスは多くの起業家を惹きつけています。
WeWorkのコワーキングスペースのプランとしては、「All Access」というものがあり、月額39,000円でWeWorkの全てのセンターの共有スペースを横断で利用できるプランがあります。
国内の展開地域:全国各地
リージャスは三菱地所のグループ企業が運営するレンタルオフィス・コワーキングスペースブランドです。国内では最多となる170拠点を展開し、さまざまなコンセプトのコワーキングスペースも用意されています。例えば、六本木ヒルズ森タワーなどにも展開する高級ブランド「Signature」や洗練されたインテリアが特徴の「Spaces」、起業家向けのリーズナブルな「オープンオフィス」などがあり、事業のフェーズにあったオフィスを選択することができます。
https://www.servcorp.co.jp/ja/
国内の展開地域:東京、横浜、大阪、名古屋、福岡
オーストラリアに本社を置くサーブコープは日本国内でも老舗の部類に入るシェアオフィス事業者です。重厚なデザインが特徴なセンターを、都内をメインに有名ビルに展開しています。
国内の展開地域:東京、横浜
内装・サービスともにハイグレードなサービスを展開しているエグゼクティブセンターは、香港に本社を置くシェアオフィス運営企業です。「経営幹部・重役」のような意味を持つ単語である「Executive」を冠しているということもあり、高価格帯ながらもそれに見合った質の良いサービスを提供しています。
国内の展開地域:東京、名古屋、大阪、神戸、広島、岡山、福岡
fabbitは、スタートアップなど創業まもない企業の支援を盛んに行うコワーキングスペースです。大企業とベンチャーのマッチングイベントや異業種交流会・セミナーなども盛んに開催しています。また、キッズスペース・シャワー・自転車レンタルなど他のコワーキングスペースでは提供していない独自サービスも数多く揃えています。
もちろんのことですが、コワーキングスペースを利用する際に注意することも存在します。
1つ目は、席の確保が確実できない場合もある、ということです。コワーキングスペースの契約プランによっては実際に赴いてから席を確保する場合もあるので、人気のスペースでは十分な作業場所を確保できない、ということがあるかもしれません。
2つ目は情報などに関するセキュリティです。
コワーキングスペースは性質上複数の企業がオフィスを共同で利用するので、自分が席を離れる際に、機密情報が書かれている資料をおいて行ってしまったり、パソコンを開いたままにしてしまったりすると、他の人に情報が漏洩してしまう危険があります。ただこれに関しては、利用者自らが気を付けることで十分対策が可能です。
いかがでしたでしょうか。
このように、コワーキングスペースを利用すると新しい働き方を実践でき、人脈形成や費用節約にもつながります。
少しでも”起業してみようかな”・”団体作ってみようかな”と考えている人は、ぜひ1度近くのコワーキングスペースについて検索してみてはいかがでしょうか。
(執筆:高橋利幸・岡田元)
公開日:2023-08-30