こんにちは。今回留学体験談を書かせていただく齊木と申します。2013 年までの約3年間、オー ストラリア第三の都市ブリスベンとゴールドコーストの2都市に在住しており、ゴールドコーストではSouthern Cross Universityの大学院にて修士号Master of International Tourism and Hospitality Managementを取得しました。
日本では経験できないことも数多くありましたが、その中でも「海外留学に挑戦して気づいたこと」を私の実体験を基にご紹介させていただきます。
今回は「オーストラリアでの仕事探し」を私の実体験に基づいてご紹介していきます。
オーストラリアでは、学生ビザ保有者は2週間で40時間以内の就労が認められています。ワーキングホリデービザでなくても、最低限のアルバイトはすることが出来ます。
代表的なところでは、カフェ、レストラン、パブ、オフィスの掃除、旅行のガイド、ホテルでのクリーニング等の業務、日本食レストランなど、日本人でもさまざまな場所で働ける環境があります。
2016年1月時点ではオーストラリア政府が定めている最低時給は約17ドル。これは日本円に換算すると1500円程になり、一度働き口が見つかれば安定した収入を得ることが可能です。学生ビザ保有者でも月80時間働いた場合12万円ほどの収入を得られます。また、日曜日は時給が2倍、祝祭日は3倍になるため、賢く短時間で高収入が得られる制度が整っています。
しかし、時給が高い分オーストラリアの物価は驚くほど高額です。初任給は日本の2倍以上と言われていますが、物価自体は日本の2倍~3倍と言われています。参考までに、場所にもよりますが、コンビニではペットボトル(500ml)のコーラが一本300~400円ほどします。また健康志向なオーストラリアでは、たばこは1箱(25本入り)が約2,500~3,000円です。
そんな中、私の仕事探しの経験をご紹介したいのですが、オーストラリアでは仕事の探し方が日 本とは異なります。日本ではホットペッパーやタウンワーク等の求人情報誌を紙またはネットで見て応募するというのがほとんどでしょうが、私がオーストラリアで職を探した時は一味違いました。
一番初めにつまずくのは履歴書の作成です。もちろん、すべて英語で書きます。しかし、オーストラリアに行くほとんどの人が英語の履歴書なんて書いたことはなく、書き方もわからないですよね。 私の場合は、当時同じホームステイ先で一緒に住んでいたオーストラリアの大学院に通う大学生に、1からすべて書き方を教えてもらいました。さらに、書けば書くほど英語のミスも出てくるので、その都度ホームステイファミリーや友達に教えてもらいながら、何度も直して完成させたのを覚えています。
仕事を探す上で一番辛かった経験は、当時主流だった「履歴書を何十枚も印刷し、直接お店のマネージャーに渡しに行く」ということでした。 オーストラリアの場合、現地の人だけではなく私たちのような留学生も多くおり、倍率は非常に高くなります。また、オーストラリアには日本の履歴書のように顔写真を張る文化はなく、毎日何人もの応募がある場合、どれが誰の履歴書か分からない状態になるといいます。
私は必死に作成した履歴書を50枚印刷し、街を歩いて目についたお店に立て続けにを配り歩きました。履歴書を渡す時に気を付けなければいけないのが、「マネージャーさんは今いらっしゃいますか?」と聞くことです。なぜかというと、直接お店のマネージャーさんに自分の履歴書を渡さなければ、上で書いたように毎日何枚も履歴書を受け取っているため、誰からもらったかマネージャーさんもわからなくなり、連絡が来ないことが多々起こっ てしまうからです。実際に私もマネージャーと会えず、連絡が来なかったお店が何十軒もあります。訪れた先でマネージャーさんに会うことができたら、何とか自分の書いた履歴書を受け取ってもらい、「面接をさせてください」とやる気を見せることがとても重要になります。
履歴書を無事に受け取ってもらえたらいざ面接になるのですが、実はここでも「英語での面接」という難問にぶち当たります。ここでもほとんどの人が職を得るための面接を英語でしたことはなく、その仕事に受かるか受からないかのぶっつけ本番の面接です。しかしながら英語の面接にも正解はなく、いかに自分のことを英語で相手に伝えられるか、面接官とうまくコミュニケーションが取れるかが面接を合格するうえで大事な要素となります。
私の場合、初めて行った英語での面接はブリスベンの中心地にあるカフェでの面接でした。その 時はそのカフェのオーナーとの面接だったのですが、オーナーはもちろんOZ(オージー、オースト ラリア人を意味する現地のスラング)で、2 人一組で行うグループ面接でした。私は約1時間の面接の中で、自分の日本での経歴や、アルバイトの経験、さらに自分がカフェで使えるスキルまで、必死につたない英語で伝えたのですが、当日中に結果は教えてもらえませんでした。 その後約2週間待たされた後に不合格と言われ、私の初めての海外でのアルバイト面接は幕を閉じました。オーナーから理由は「英語力」の不足だとはっきり言われ、自分の英語力に対する不甲斐なさを唇が震えるほど感じました。
このように、海外での仕事探しは、英語力が足りない段階では、日本では考えられないくらいハー ドルが高く大変なことです。私はこの時はアルバイトを見つけられず、両親に仕送りをしてもらいましたが、その後不合格を言い渡されたカフェからの紹介で、違うレストランで働けるチャンスをいただき、それからはしばらくそこで生活費を稼ぐことが出来ました。
この経験からお伝えしたいことは、海外では「自分の行動したことが、必ず何かしら次のステップにつながる」ということです。海外は助けてくれる人もたくさんいますが、自分が責任を取らなければならない状況に何度も遭遇し「最終的には自分が頼り」です。
仕事を探すのには、自分が動かなければ誰も助けてくれません。しかし、自分が頑張っていると 不思議とその行動が連鎖し、自分のイメージした結果までとはいかなくても、ゴールの近くまで行くことができます。今回は仕事探しを一例とあげましたが、海外でいろんなことに挑戦してみて初めて分かることがたくさんあります。それらの経験は今後の人生の糧となり、あらゆる場面で役に立つはずです。みなさんも海外に留学に行かれた際は是非、何事にも挑戦してみてほしいと思います。
計3年のオーストラリア留学を経験。大学を1年休学し、オーストラリア・ブリスベンへ留学。英語力ゼロから猛勉強の末24週間で語学学校を卒業し、マーティン・カレッジに進学。日本の大学を卒業後、Southern Cross Universityの大学院にて修士号を取得。 現在は、世界11ヵ国で展開する留学エージェント「iae留学ネット」で日本ならび世界の留学生のサポートをする。