こんにちは、イギリスからイーストアングリア大学の的場優季と、アメリカからはジョージワシントン大学の米林和希です。二大英語圏の正規留学生ということで今回は二人で共同執筆してみることにしました!二回に分けて書きたいと思います。大学や国選びの参考になれば幸いです。
イギリスイングランド東部・イーストアングリア大学国際開発学部 開発環境学専攻2年・的場優季
アメリカ合衆国東海岸・ジョージワシントン大学コロンビアアーツ&サイエンス学部政治学専攻4年・米林和希
イギリスの大学は基本三年間で、一般教養科目はありません。日本の高校から学部に上がるには、ほとんどの場合一年間のファウンデーションコースに行くことが求められ、そこで学部内容の基礎やアカデミックイングリッシュを学びます(ですので高校卒業からは結局4年間かかることになります)。
一年生から専門科目に忠実にコースが組まれているので、学部内のコース変更はともかく学部自体の変更はあまり柔軟ではありません。学部を変えたい場合もう一度一年生からやることになるようで、時々同じ学年に以前は別の学部にいたという人もいます。
私のコースでは、二年生の科目選びでは、一年生で履修していなければ選べない科目も多いです。日本の大学を一年生や二年生で辞めてきた場合、大抵は最低でも一年生から始めなければいけないようです。稀にイギリス国内の別の大学から、二年生になった段階でトランスファーをしてくる人もいますが、専攻が変わらなければその場合は二年生に入れています。
一方交換留学生はどこの学部からも、どの学年からも自由に授業を履修できているようです。
大学院は一年間で、英語力や学部の専門科目によっては一年間のGraduated Diplomaや夏だけの英語コースに行く人もいます。
単位の取り方は日本やアメリカの大学と違って一年間の単位数が決まっており、私の大学の場合は基本が1科目20単位×6科目が一年分です。
特徴をまとめると、イギリスの大学は勉強したいことが決まっている人におすすめできるということです。外国語や他学部の授業も取れますが制限も多く、大学に行ってやりたい事を探したいという人には向いていないかもしれません。
私は高校生の時から大学に入ったら国際開発学や環境学を学びたいと思っていて今それができているので、興味のあることを三年間集中して勉強できるシステムはとても好きです(私が今の大学を選んだ経緯は、初回の記事を見ていただければと思います)。
アメリカの大学は基本的に4年間で、どの学部にも教養科目があります。私が所属しているアーツ&サイエンス学部には生物学科や演劇学科も含まれ、それぞれ違う学科から6教科取らなければいけません。
私は経済学・コミュニケーション学・哲学・生物学・史学・芸術学の6つを履修しました。また各学科必修科目もあり、中には必修科目を履修しないと履修出来ない授業もあります。しかし、イギリスのように各学年ごと取る授業が決まっているのではなく、あくまで4年間のうちにすべての授業を取り終えれば良いので、そういう意味ではイギリスよりアメリカの方が自由度は高いかも知れません。
また、アメリカでは学部を越えてのダブルメジャーやマイナー専攻はしやすい場合が多いです。学校によっては同学部内でしかダブルメジャー・マイナー出来ない学校もありますが、私の学校のようにビジネスと国際関係学両方を専攻にすることも出来るので、米国大学でダブルメジャーを考えている人は気になる学校がどうなのか調べてみることをオススメします。
また、アメリカの大学では編入や専攻を変えることはイギリスと比べると、そこまで大変ではないです。私自身、高校を卒業して最初は短期大学に通いました。2年間短期大学で単位を取り卒業して、現在いる4年制大学に編入しました。また、授業料を比べてみても4年間4年制の大学に行くよりも、短大+4年制大学の方が安いように思います。
どの学校のどの専攻でも各専攻で決められている必修科目やある一定数の単位を取らないと大学は卒業出来ませんが、卒業時期が遅くなってしまうだけで専攻を変えることが出来ないというわけではないので、在学中にやりたいことを探したい方はアメリカも一つの選択肢として考えてみてください。
気になる費用ですが、学部は年間12,000~13,000ポンド(約250万円)前後、理系は16,000ポンド(約300万円)前後、大学院は1.5倍ほどでしょうか。とてもざっくりです。大学ごとに少しずつ異なるはずなので、ぜひ調べてみてください。
生活費は、私の場合は月400ポンドプラス交際費でしょうか(四人でのシェアハウスで家賃・光熱費が270ポンド(約5万円)、食費が100~150ポンド(3万円弱))。大学内の寮でも1.5倍~倍くらいが一般的ですし、ロンドンやロンドン郊外になると生活費は跳ね上がると思います。
ただしイギリスでは正規留学生、交換留学生もキャンパス内外でのアルバイトが週20時間まで可能(長期休み中は週40時間まで)で、仕事さえ見つかれば家賃は自分で賄うことも現実的です。
この記事を読んで下さっている方は既にご存知の方も多いと思いますが、米国大学の授業料は日本と比べてもイギリスと比べても高いです。短期大学と4年制大学でも異なりますし、大都市にあるのか、もしくは郊外にあるのかでも変わってきます。そして、一概には言えませんが、私立公立関係なく、大学ランキングで上位の学校であればあるほど授業料は高いイメージです。
またイギリスと異なり、留学生は校内でしか働けません。
いかがでしたでしょうか?私も留学を決めた当初はアメリカの大学を目指し、コミュニティカレッジで前半二年間の学費を抑えようと思い調べていましたが、開発学ならイギリスが権威らしいと(短絡的でしたが)的を変更しました。
その頃にカウンセリングしてもらった方に言われたのは、アメリカの大学での勉強は「広い選択肢から段々絞っていくイメージ」で、イギリスの大学は「狭い選択肢から段々枝葉を広げていくイメージ」で、その通りだと感じます。これから留学を考える方の参考になれば幸いです。
第二回は生活面についてもう少しお伝えできればと思います!