人種や国籍を超えて日本食の魅力を伝えたい。セネガルで日本食レストラン開業へ。

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アフリカはセネガルより、池邉智基です。 今回は首都・ダカールで日本食のお弁当屋さんを経営している日本人をご紹介いたします。

アフリカは日本からは遠い土地ですが、意外にも多くの日本人に会うことがあります。セネガルでは200人ほども日本人がいます。多くは青年海外協力隊をはじめJICAの関係者、大使館関係者。他にはバックパッカー、研究者、そしてこちらで起業しようという方がいます。

今回インタビューするのは、原田翔太さん(28歳)、小林祐也さん(28歳)、斉藤純さん(29歳)の3人です。2015年5月より、セネガルの首都ダカールで和食弁当の販売をしています。斉藤さんは個別で、セネガルの家具・民芸品を日本に向けてネット販売を始めています。イケベさんインタビュー1(手前より、小林さん、原田さん、斉藤さん。屋上にてダカールを望む)

ーーお三方はどうしてお弁当販売をはじめたのですか?

原田現在、日本食レストラン「和心」の開業準備中で、その「つなぎ」としてお弁当販売をしています。今年の2月にダカールに来て、4月にオープンを目指していたのですが、こっちで開業資格をとるための手続きに難航してしまいました。最近になってやっと準備ができたので、今は店舗となる物件を探し中です。イケベさんインタビュー2(出前の配達はアフリカの布を風呂敷に)

イケベさんインタビュー3(実際に販売しているお弁当。食材はすべてダカールで手に入れたもの)

ーーどういった方がお弁当を注文していますか?

原田在セネガル日本大使館の職員、またJICA職員や青年海外協力隊の方が多いですね。あとはKOICA(韓国国際協力団、Korea International Cooperation Agency)と韓国大使館にも人気で、毎週注文が入るくらいです。ここ1、2ヶ月でセネガル人からも注文がくるようになり、リピーターも増えてきました。

ーー韓国大使館やセネガル人まで!

原田5月にお弁当販売を始めましたが、最初は営業の電話をかけたりビラを渡したりしていました。日本大使館や韓国大使館なんかは、電話をかけた次の日には注文をいれてくれましたよ。

斉藤あとは日本人に勧められて、という形でセネガル人が注文してくれますね。ムスリム(イスラーム教徒)がほとんどのセネガルなので、豚肉や料理酒を使わないメニューにしています。ですので、彼らも安心して食べることができます。イケベさんインタビュー4(和心のメニュー、3500CFA〜5000CFA[700円〜1000円]で提供)

ーーセネガルに来られる前から日本食レストランの開業を考えていたんですよね?その準備はどんなことをされたんですか?

斉藤クラウドファンディングの「キャンプファイヤー」を使って融資を募りました。2014年12月に始めたのですが、541,500万円もの援助をいただくことができました。

原田あとは、中目黒の焼き鳥屋さんで修行したりもしましたね。

小林僕も飲食店でひたすら働いて、経験を積みました。

ーー3人で準備して、起業することを決めたんですね。

原田いえ、メンバーが決まったのは実はけっこう最近なんです。もともと僕とコバ(小林さん)は幼馴染で、僕から彼を誘いました。

斉藤それで、僕とコバがバイト仲間で。コバが僕に「アフリカに行かないか?」と誘ってきたんです。

原田2014年の6月に有楽町のドトールで顔合わせをして、このメンバーでやろうと決まりました。

ーー住み慣れない海外で起業をするのは、かなり勇気のいる決断だと思います。みなさんはこれまでにもアフリカ滞在の経験があったんですか?

原田僕は今回で3回目のセネガル滞在です。高校を卒業してからは、バイトをしてお金をためては、バックパックでアジア圏やアメリカを長期で滞在していました。アフリカとの出会いは、知り合いのセネガル人の紹介でした。セネガルに1ヶ月間ホームステイしました。そのときにセネガルにハマりましたね。その後24歳の時に、インドでITベンチャーの会社で1年間仕事をして、「将来海外で起業をしたい」と思うようになりました。帰国し、またバイトをしてお金を貯めてから、セネガルに2度目の滞在をしました。前回泊めてもらった家族と一緒に、ホームステイの斡旋や、ポテトチップスの製造・販売をはじめました。でも、なかなか収益が上がらず、これで食っていくのは難しいなと痛感しました。うまくいかないことに悩み、「なんで自分はセネガルにこだわっているんだろう」と自問自答していました。イケベさんインタビュー5(販売していたポテトチップス。※原田さんのブログより提供)

原田そう感じたときに、1ヶ月半かけて西アフリカをバックパックしてみました。ガンビア、ギニア、シエラレオネ、リベリアなど、全部で10カ国を陸路でまわりました。全部見てまわって、やっぱりセネガルだと思いました。治安もいいし、気候も過ごしやすい。そしてご飯がおいしい。迷いが吹っ切れて、セネガルで本気でやってみようと思えました。

一旦帰国してから、セネガルで何をするかを考えていました。そこで思いついたのが「日本食レストラン」でした。セネガルには日本食レストランはあっても日本人が作るものはないので、本当の日本食を日本人が提供できる場を作れるのではないかと。その後はバイトをかけもちして、焼き鳥屋で修行もしました。そして今の3人が揃い、セネガルに移り住みましたね。

斉藤僕は原田と違って、これが初めてのセネガルです。大学を卒業して、東京の広告代理店で3年働いていました。ただ、肉体的にも精神的にも疲れてやめました。その後なにして働いていこうかなと考えた時、「言葉の壁」と「文化の違い」から“海外嫌い”だったので、これを機に留学をして海外への抵抗をなくそうと思いました。それで、フィリピンに3ヶ月語学留学に行きました。

帰国してからコバの誘いで原田と会い、アフリカ行きを決めました。フィリピンに行ったことで海外嫌いがなくなったので、アフリカといっても抵抗はありませんでした。フィリピン行く前だったら、アフリカ行くなんて断ってましたよ(笑)。

小林僕はこれで2度目のアフリカ滞在です。都内の大学を卒業して、アパレルの営業を2年間していました。斉藤と同じで心身ともに疲れてやめました。次の仕事を探しているとき、幼馴染みの原田が海外を転々としているという話を聞いて、自分も海外に出てみようと思い、半年間フィリピンで語学留学をしました。この留学を機に、海外で働く意志を固めました。

2013年に留学が終わってすぐ、原田がセネガルで起業したと聞いたので、アフリカへ来ました。3ヶ月滞在して、ホームステイ事業とポテトチップス販売のお手伝いをしながら、セネガルの生活を体感しました。日本に帰ってから原田と「日本食レストラン」の開業を決めてからは、修行として、飲食店でのバイトを1年ほどしていました。

ーーでは、これからの「和心」の目標を教えてください。

原田日本人だけではなく、色んな国の人が来てくれる場所を目指したいですね。ダカールには日本料理屋はいくつかありますが、どれも日本人が作ったものではありません。

斉藤正直、日本を勘違いさせてしまうものもあるんですよね。

小林今のところ、ありがたいことにお弁当の売り上げは伸びてます。客層は主にダカールに住む日本人と韓国人ですが、これからは少しずつ現地のセネガル人と外国人をターゲットにして、日本人の作った日本食をもっと提供していきたいです。

原田厨房から店内を見たときに、人種や国籍関係なく、色んなお客さんが日本食を食べている、これがいまの夢です。そして「和心」を、“アフリカ大陸の中で一番日本を感じられる場所”にしていきたいです。そして、レストランが軌道に乗ってきたら、食材の生産過程にも参入していきたいです。もともと農業にも興味があったので、野菜から肉まで、僕たちが作っていけたらな、と思っています。

ーーまた、斉藤さんは「和心」と別にビジネスをはじめていると伺いました。

斉藤2年前から物販のネットビジネスをしてきました。セネガルの商品を日本に向けて売っていく目的もあってこっちに来ました。今は欧米や中国の商品を買い付け、日本に売るという仕事をしていますが、セネガル含めアフリカはそういった仕事をする人がいません。

今はセネガル人のハンドメイドの家具や雑貨、オリジナル商品を売ろうと考えています。商品と値段だけでなくて、「この人が紹介する商品なら安心して買える」という小売の“質”にもこだわっていきたいです。ですので、いまはアーティストと話して情報を得たり、色んな市場を回ったりしています。イケベさんインタビュー6(家具職人、採寸の様子。※斉藤さんより提供)

ーー海外で何かを始めようという日本の学生に対してアドバイスはありますか?

原田やりたいことは若いうちにやりましょう、ということですね。批判する人もいるかもしれませんが、その人の意見より賛成してくれる意見の方が自分を後押ししてくれます。

斉藤アフリカでビジネスすると聞いて、「そんなのできっこねえ」と批判する人もいますが、そういうことを言うのはアフリカに来たことがない人だったりしますね。それよりもアフリカに行ったことがある人にまず話を聞く、というように経験者から話を聞く方がいいです。

あと、日本にいると余計なことを考えてしまいますね。何かしようとしても、他人の目を気にしてしまいます。会社を辞めることや、何かを始めるときの風当たりは強いです。

小林確かに不安でしたが、来てみればそんなの気にならなくなりましたね。

原田あとは、本当に自分がやりたいことを見極めることです。あれもやりたいこれもやりたい、じゃなくて、一本に絞るという勇気も大切です。

イケベさんインタビュー7(調理風景。物件が見つかるまで、自宅のキッチンで調理。昼のお弁当配達に向けて、朝早くから作業は始まる)。

イケベさんインタビュー8(「和心」特製コロッケ。パン粉はフランスパンをフードプロセッサーでくだいたもの。食材はすべてセネガルにあるもので。)

<インターンシップについて> 現在、日本の学生を対象にインターンシップ・プログラムを考案中です。決まり次第情報を発信する予定ですので、ご興味のある方は「和心」のFacebookページを「いいね!」してください。 ・日本食堂「和心」のホームページはこちら

<「和心」メンバーのブログ> ・原田さん:「アフリカ起業人ブログ」 ・斉藤さん:「セネガルで、おシゴトします。」 ・小林さん:「T.I.A.S」

この記事を書いた学生ライター

Tomoki Ikebe
Tomoki Ikebe
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京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻の、池邉智基です。アフリカはセネガルで文化人類学の調査をしています。 Facebook: https://www.facebook.com/IkebeTomoki

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