こんにちは。ノルウェー・オスロから大川です。
さて、今回はそんな北欧オスロから、先日あったWomen’s day(女性の日)に関連してノルウェーのジェンダー意識についてお伝えしていきたいと思います^^ー キッチンからの景色!遠くにオスロフィヨルドが望めるのです^^
ー 同じ場所からその二日後(笑)ものすごい吹雪でした。ちなみにこれ3月下旬です(汗)
北欧諸国の男女平等政策がかなり進んでいることは、多くの方がご存知だと思います。私もこちらに来る前から聞いていましたが、これはマジです。
ノルウェーの女性は本当に強い!!!笑 というか自立しています。
結婚でキャリアを決めるという発想があんまりないし(寿退社とかほとんど聞かない)、友達や知り合いのノルウェー人夫婦によると、家事は大体分担制。 電車の中や道端で、ベビーカーを押しているお父さんもいっぱい見かけます。現に今の大統領も女性ですね。
またなんと今年から平時に女性を徴兵することになりました!これはヨーロッパでは初めての出来事です。(私的にはそんなん嫌やわぁっていう感じだったのですが、ノルウェー人の友達は皆これを誇らしげに話してくれます笑)
実際に統計を見ても、1位のアイスランド、2位のフィンランドに続き3位(ちなみに日本は101位)と、男女平等の意識の高さがうかがえます。
そして、そんなノルウェーの男女平等政策(特に最近の)、実は「女性」のためというより、「こども」のためだったということを知っていますか?
そのため、最近の政策はいかに女性が社会進出をするかというより、男性がどれだけ家庭にコミットできるかということに重点が置かれているそうです。 確かにノルウェー人と結婚された日本人のお友達のお家に遊びに行かせてもらった際、金曜日なのに、お父さんは4時くらいにはおうちに帰ってきていたような記憶が・・・(笑)
また、ノルウェーではお父さんの育児休暇(お母さんに権利譲渡不可能)が2009年より10週間に延ばされ、取らない人は罰金もあるという、めちゃくちゃこどもに優しい制度が実施されています。もちろん休職中は補助金が出ます!ここまで来るとオイルマネーの偉大さを感じますね・・・(笑)
また、”GENDER” equalityと聞くと、このように「男女平等」を意味していると思う方が多数だと思いますが、ノルウェーではそれだけではありません!ここでは、LGBT(いわゆるゲイ、レズ、バイ、トランスジェンダーの人々)も含めた”GENDER” equalityという意識が根付いているのです。
実際に私もLGBTのお友達が周りに結構いますよ!そしてまず最初に驚いたのは、みんな自分の個性の一部であると認識しており、堂々としていて、あまり隠そうとしていなかったことです。これは本人はもちろん、そのような風潮があたりまえとなっているこの社会も、純粋にすごいなぁ・・!と思いました。
ノルウェーや北欧のジェンダー問題に関してはもーっと語りたいことが色々あるのですが、気になる人はぜひググってみてください\(^o^)/笑
さて、次にWomen’s dayについて書いていきたいと思います^^
3月8日・女性の日に、国会議事堂前で大きな集会をした後、カールヨハンズゲートというオスロで一番大きい通りを練り歩くというパレードが行われました。
そして、この日私は、先学期から参加させてもらっているstudent societyの活動の一環としてパレードを見に行ってきました。ちなみに、この団体では、普段オスロにある難民キャンプ(正確には難民認定待ちの人々が収容されているところ。ここでの詳しい話はまたいつか)に行って一緒に観光したり遊んだりしています。今回はスーダン・エチオピア・ガザ・シリア・バングラデシュetcから来た人たち+ボランティアのノルウェー人数人と私という総勢20人ちょいのメンバーで参加してきました。ー すごい人・・・オスロでこんな数の人間を一度に見る機会はあまりない(笑)この不思議な建築の建物は議会
この行進を眺めていたとき、突然、隣にいた北アフリカ出身の女性達が言いました。「エリ!あれなんて書いてあるの?!」
ふと見てみると、行進隊の中に、Islamという文字の上に大きく×がつけられ、その下に何やらノルウェー語で書いてあるプレートを持っている人たちが。
私のノルウェー語力では全く分からなかったので、ノルウェー人の友達に聞くと「イスラム世界の女性達に人権を(※意訳)」という意味だったそうで。
そして、それを聞いたこの二人の女性は何やら神妙な顔をして黙り込んでしまいました。後から聞くと、スーダン・エチオピアから来たこの二人はイスラム教徒で、あのメッセージに反対している訳ではないが、イスラム教徒からすると、あのようなプレートを見るのは複雑な気持ちだったということです。
これは、ノルウェーのこれからを考えるにあたって、非常に興味深い話だと私は思います。といいますのも、人口の1割を移民が占め、中東をはじめとする異なる価値観・文化を持った人々が増えてきているこの国で、「男女平等」といういわば欧米的な考え方を推し進めるためには、このような考え方や価値を、そのような人々とも共有しなければならないからです。
しかし、それはもちろん簡単なことではないでしょう。ただの伝統とか文化だけではなく、幾分「宗教」という人間の本質的な部分とも結びついている分尚更です。(実際に女性を縛っているのは、イスラム教ではなくアラブ文化だとも言われています。私はイスラム教に関してちゃんと勉強している訳ではないので詳しいことははっきりとは言えませんが、語弊を避けるためにも記しておきます。)
また、これはノルウェーに限らず、他のヨーロッパ諸国等、世界全体でも言えることではないでしょうか。
さて、このようにGender equalityが進んでいるノルウェーですが、私はここに来て、感じたことがあります。それは平等になることではなく、皆が生きやすい社会になることが大切だということです。つまり、これは単に女性を擁護するとか、女性も男性も同じになるとか、そういう問題なのではなく、むしろ不当な差別にNOという、よりジェネラルな人権の問題なのではないかと私は思います。前に、ノルウェーの主婦は肩身が狭いという話をちらっと聞いたことがあります。私は主婦も立派な職業だし、外で働くことだけが素晴らしいとも偉いことだとも思いません。ただ、外で働きたいと思っている人たちが、またもっと自分の力を伸ばしていきたい人たちが、「女性だから」という理由で選択肢を狭めざるを得なくなってしまうのは違うと思います。女性だけでなく逆も然りです。LGBTの人々に関しては言うまでもありません。
日本はどうでしょうか?私は正直今まであまりジェンダーとか考えたことがなかったのですが、ノルウェーで過ごしていたり他のアジアやヨーロッパの友達の話を聞いたりして、つくづく日本のジェンダー意識は低いなぁと思いました。何より制度面はもちろん、「男女のあるべき姿」という意識が根強く残っていることを強く感じます。(ちなみにどうでもいい話ですが、過去一番返答に困った質問は、「なんで日本人の女の子は仕事づきあいで彼氏や夫がキャバクラとかに行っても怒らないの??」でした笑)もちろんこのような意識はある意味あって当然だと思います。ただ、このような観念に縛られてばかりではなく、自分の生きたいように生きられる・ありのままの自分を認めてもらえる社会の方がみんな幸せではないでしょうか?
それでは、今回は少し真面目なお話になりましたが、最後まで読んで下さった方ありがとうございます!^^先日、授業のスタディツアーでスウェーデンに行ってきたので、次回は北欧の環境問題対策や意識についてお話できたらいいなーと思っております\(^o^)/
それではgod påske alle sammen! (Happy Easter everyone!)ー 一緒にパレードを見に行っノルウェー在住ガザ出身の姉妹と。(右端のお姉ちゃんは日本・韓国が大好きらしく、ドラマとか音楽の話をしてとっても仲良くなりました笑)
ノルウェー・オスロ大学に留学中の20歳。自然豊かなこの街で、今の社会や将来についてゆっくり考えていきたいと思います。好きなことは、旅と写真と食べること!^^