こんにちは、オーストラリアにある Macquaire University に在籍している細川颯生(Satsuki)です。
私の記事のテーマである21世紀を代表する「グローバリゼーション」や「アイデンティティ」といった言葉を、これから私なりに発信していきたいと思います。
前回の記事の最後で、私たちの保有する国籍についての視点を変えると、自己、他者双方の理解や共有の仕方が変わり始める!とご紹介したのですが、今回はその変化について少しずつ紹介していきます。 ご紹介するにあたって、私の中でいくつかのジャンルに分け、シリーズごとに展開していきたいと思います。
最初は”Communication/コミュニケーション”についての変化です。 ”コミュニケーション”とは、広義、狭義ともに多種多様に用いられる言葉で、人それぞれ定義のが異なると思うのですが、ここでは簡単に、
コミュニケーション=”2人以上からなる意思疎通”
と定義しておきます。 また私の記事では2つのコミュニケーションを紹介してきます。
1つ目が言語によるコミュニケーション(会話、大学での講義、テレビなどのメディアetc…)。 2つ目が非言語によるコミュニケーション(英語ではNVC=Nonverbal Communication、例としては手ぶりや視線が役割を持っているコミュニケーション、それと私は町中にある看板、広告等もそれに含めようと思います)。
今回の記事は言語によるコミュニケーションPart1です。
世界人口の70億人のうち25%の約18億人が実用レベルでの英語を操れる英語人口となっており、もしみなさんが英語を話せるなら、世界の1/4の人たちと会話をすることができることになります。
しかしそのうちの約80%(13,6億人)は英語を第2言語として扱う人口で構成され、その数字をみると圧倒的に第2言語としての英語が主流になっていることが読み取れます。 (ちなみに英語を母国語としている人口は5%以下、中国語を母国語する人口が世界最大です。)
私の住んでいるオーストラリアも前回お話した通り、多くの移民から成り立つ国家であり、私を含む多くの居住者が英語を第2言語として話しています。
Aussie Englishはもちろんのこと、Indian English, Korean Englsih, French English 等各国家からなる第2英語言語者が、英語という1つの言葉を用いてコミュニケーションをとっており、また発音や会話の成り立ちなど各国それぞれ特徴があり、ネイティブのような英語とは一味もふた味も違う風に聞こえます。 (アクセントやイントネーションの有無や話しのスピード等)
大学や街中を歩いていても、人々が話す英語にはそれぞれ特徴があり、慣れてくるとある程度どこの国/国籍に人が話しているか分かるようになります。
私は...というと、オーストラリアでの生活が4年目になり、英語を母国語とするネイティブのような滑らかな英語習得を目指しているのですが、いまだに日本語-英語(いわゆるJanglish/ジャングリッシュ)からぬけだせず、例えばR/Lの発音の違いに苦しんでいます。(笑)
日本でも世界と比べると劣る英語学習の向上を見据え、小学校~大学レベルで新しい取り組みが始まっており、また日本のいたるところで英語で伝達してるメディアが日本の文化を席巻しています。
小学校では2020年までの英語の完全必修科目化、中高大でも日本語ではなく、英語での受験導入など、新たな教育での変化が見られそうです。
メディア業界でも英語圏の歌や映画の輸入が拡大し国内メディアとの競合が続いていることは言うまでもないことですよね。
英語という1つの言語が国境をまたぎ、第2,3言語として世界の様々な国に浸透(世界の1/4) しているということは、つまり英語による”言語のグローバル化”と言うことができるでしょう。
教育やビジネス、観光等、今まで以上に世界中の人とのコミュニケーションが可能になってきます。しかしその反面、英語が中心となるグローバル化が進み、その陰に隠れてしまう言語、文化も当然増えてしまいます。英語ではCultural Imperialsim や Cultural Homozenisation(文化の均質化)と呼ぶのですが、今後そのことについても発信していこうと思います。
コミュニケーション=2人以上からなる意思疎通と私は定義しましたが、1番に思いつく方法は他者との間に成り立つ、”会話”ではないでしょうか? 自分の意見や感情を伝達する、また相手との理解を達成するため私たちは会話をすることでコミュニケーションという行為をしています。
コミュニケーションが円滑に進行する場合もあれば、相互理解が進まずなかなかコミュニケーションが達成されることが難しいこともあります。 私の場合、第2言語の英語を使用するようになり英語で海外の人と話をしている時に後者のケースを感じることが多くなりました。
日本人同士で日本語で会話をする時は自然とそのような意思をすることはなかったと思います。お互いに母国語を話し共通のバックグランドを持っている者同士、意思疎通はスムーズに行えていました。
会話や議論の仕方も千差万別ですが、その核となる部分は似たものだと感じています。日本人の会話の特徴として、
•全体意見、常識を大多数が持っている •1つ1つの過程を積み重ねて、結論に達する”帰納” •基本的に穏便に、反論をする時でも穏やかに
といった事柄挙げられると思います。 (あくまで個人的意見です)
個人の主張、目的はあるのですが、それを前面に押し出すのではなく、相手との距離を保ちながらゆっくりと慎重に進めていく...といったイメージです。 反対に海外の方の特徴はどうでしょうか? 国によってその放送は違うので、今回はその中のいくつかを簡単に紹介してきます。 (これも私の意見に偏重していることがあります。)
•西洋の国(ヨーロッパ全体、オーストラリア人)
一番の特徴としては、自分の主張に絶対的な自信を見せています。 会話や議論の中で、相手との理解を目指していることを大切にしているのですが、自分の主張もそれと同じくらい、またそれ以上に達成しようとしているように感じることができます。たとえ不利な状況や困難な立場にあってもそれを意に介せず自分の経験や知識を駆使して相手に自分の主張や目的を理解させる傾向にあると思います。西洋の国での教育はよくActive Educationと言われるくらい、小学校レベルからの討論や授業での話し合いが行われています。その経験が、このような会話の特徴の起因となっていると私は考えています。日本は受け身の授業Passive Educationの方が多いのではないでしょうか。
•中国国籍/中国のバックグランドを持っているハーフやクォーター
特徴としては日本人とは逆に感じます。日本人は1つ1つの事柄に重きをおいて結論を導く、帰納方式で話す傾向にあると思うのですが、彼らはまず最終目標を立てその結論に最も重きをおく、演繹での会話が多いと感じます。
•両親や祖父母が多様なバックグランドを持つ人達
多種多様なバックグランドを持つ人達は、複数の文化に精通していることがあります。
例えばドイツ、フランスのバックグランドを持っていれば、当然その国々の歴史の中で育っています。歴史観の意見の相違や常識、慣習といった社会的個性も2つ以上持っていることが多く、その分会話の引き出しも豊富です。
会話の特徴の違いがあるからと言って、会話自体がうまくいかないなんてことはありません。むしろ、そこからあなたにとって新たな発見や考えが生まれてくると思います。
しかし、会話をする際、気を付けなければいけないこともあります.
例えば歴史や宗教の話。日本で教科書やニュースで報道されていること=世界で起こっていることと思いがちかもしれないのですが、それはほんの一部にしかすぎず、また誤解を多く含んでいることがあります。
たわいもない会話の中にでも、日本人が知らないだけで宗教に関連するワードを使っていたり、またそれが海外では非常識だったら、その会話に亀裂を生んでしまいます。
「日本で学んだ知識=常識」と考えていると、いざ海外の人と話した時に、相手に不快な思いを与えてしまうかもしれません。海外の人と話をするときは、自分が日本代表としてあなた自身のことや国について相手に伝えている、という自覚を持つとよいと思います。
ここではごく一部の例を紹介したのですが、その人が所有してる国籍によって、会話でのコミュニケーションに違いを見れると思います。
しかしどちらかが優れている、劣っている等の議論はここではないです。「グローバル化」の世界では文化や母国語は意思疎通する相手全員が同じものを共有しているわけではなく、多種多様な特徴を持つ人が集ってコミュニケーションをとる機会のほうがはるかに多いからで、また共通語/第2言語での”英語”での伝達は母国語とするそれとは必ずしも100%同じく進むことはないのだと感じます。
今回は私が感じた、会話の成り立ちを簡単にお伝えしました。
次回以降は、実際にあった私自身、また友人の例をお伝えできたらなと思います。
これからもよろしくお願いします!
オーストラリア、シドニーに在豪して4年目。 今はUniversity of Macquarie で International Communicationを専攻しています。 「グローバリゼーション」や「アイデンティティ」など、一言では括ることができない21世紀を代表する言葉を、自分なりに発信していこうと思います!