こんにちは。英国イーストアングリア大学の的場優季です。
開発学部は6月の1週目に学年末テストが終わり、先日一年間の成績が発表されました。試験後しばらく大学のことは頭から離れていましたが、ようやく一年が終わった気分です。
この夏/秋から学部留学する方もたくさんいらっしゃると思います。1ターム留学、1年留学など様々な形態がありますが、大学の勉強に専念できる期間になるのではないでしょうか?
私もファウンデーションコースと一年生の二年間、勉強を一番の関心事としてやってきたつもりなので、今回はそういった方にお役に立てればと、留学先での勉強のことについて少し具体的に書きました。
ちなみに始めに個人的な話をすると、一年生の成績は後悔の残る数字になってしまいました。目指していた成績に0.8点及ばなかったのです。
私は一年生の新学期が始まった時にリスニングとスピーキングで苦労し、自信を失くして落ち込んでいた時期がありました。留学生や上級生を含め学部で一番英語ができないのは自分だと思いました。
だからせめて、ライティング力や論理性を問われるエッセイではネイティブのコースメイトたちに負けたくないと思い頑張ることにしました。良い成績をとれば自信がつくと思ったのです。
二年生の成績からは卒業時の学位に関わるので、一層効率よくやらなくてはと思っているところです。
イギリスの教育においては、おおむね個人の能力伸張が目標であると考えられ、試験に比重を置いている点に特徴を持つ。大学での学位とそれに付される成績は生涯有効な資格とされ、一般には履歴書にも記載することとなっている。日本のようにどの学校に入学・卒業したか否かではなく、これら試験・学位における成績が社会において問われることが多い。
(Wikipediaより引用抜粋)
日本やアメリカの大学と違い、イギリスの大学では「出席率」「発言」など日々の授業が成績に入ることはありません。極端に言えば、学期中のエッセイなどの課題や学年末試験で点が取れれば授業に出る必要はないということです。レクチャー(大人数授業)では出欠はとらないので、とある授業では後期一回もレクチャーに出なかったというツワモノも…(私に言わせれば相当なお金の無駄)。
成績のつけ方はイギリスの大学では共通しています。エッセイでもテストでも100点をもらえる可能性はゼロに等しく、70%以上を取れればファーストと呼ばれるランクに分類されます。
一年間ファーストでやってきても期末試験がこの比重なので、うまくいかなければ学年の総合成績では落とすことも考えられます。というのは、私がこのパターンなので書いただけです…。
1st:70%以上 2-1: 60-69% 2-2: 50-59% 3rd: 40-49% Fail: 39%以下
これは個々の課題でも、一年間の総合、最終学位の成績でも同じだったと思います。イギリス(ヨーロッパ)での就職となると、どの成績を以って卒業したかが重視されるそうです。-今年や昨年出会った多くの知り合いが卒業していきました!
さきほど、出席や発言は成績に入ることはないと書きました。そこで気になる出席率ですが、もちろん大半はきちんと出席しています。しかしやはり、毎回真面目に出る人と、成績に入らないしテストにも出ないとなると、行かなくていいと考える人も出てきます。
バスでキャンパス外にフィールドワークに行くこともありましたが、一回目がつまらないと、バスで遠出なんてめんどくさいという人が増え二回目は半数以下…シビアだなと思いました。
日本の学生のように一時間二時間かけて通学しているわけでもなく、キャンパス内に住んでいる人が大半で、アルバイトやサークル活動などを死ぬほど入れている人も見たことがないので、授業に来ない人はかなり怠け者だなーと偏見を持っています。「つまらない」「実践的でない」「睡眠時間の方が大事だ」と言う人もいます。もちろん大学の勉強が全てではないのは重々理解していますし、人が重きをおくところはそれぞれなのですが、じゃぁ何しに大学にきたの?とつい思ってしまいます。-24時間オープンの図書館は、地下2階~0階~1階まで。
「海外の大学生」というと、真面目で勉強大好き、いつも夜中まで図書館で予習復習に必死というイメージがおありかもしれませんが、そんなこともありません。英語というハンデを背負った留学生や、忙しい大学院生はもちろん必死ですが、勉強ばかりしているわけではありません。
テスト前でも、朝から夜中まで勉強していたというと、大抵クレイジーだと言われます。いい意味でリフレッシュの取り方が上手だなと思える友達も少なくないですし、単純に勉強が嫌いだという人もいます。
もちろんブリティッシュの友達は、母国語だということもあり、またイギリス式のテスト対策に長けていることもあって、私の半分の時間しか勉強しなくても同じ成績を取れてしまいます。ネイティブスピーカーや同程度の人なら、リーディングの準備に時間がかからないアドバンテージや、準備をしていなくても話すことに困らない知識やアイディア力もあります。私しか課題を読んでいなかったセミナーもありましたし、逆に私だけ読み終わらずグループでの戦力になりきれなかったセミナーもありました。
しかしこれだけは言えるのは、ほとんどの大学生の生活が、学業を中心に回っていることです。大学は勉強するところ、大学生の本分は勉強だと思わせてくれる環境です。
皆キャンパス内や周辺に住んでいること、大学内に必要な施設(食料品、ランドリー、銀行、本屋など)が揃っていて出かける必要があまりないこと、電車が日本ほど便利な存在ではないことなどから、行動範囲が極端に狭く、またサークルや部活が毎日あるわけではないことなども理由の1つだと思います。
地下鉄のあるロンドンや、大学やカレッジがひしめくオックスフォードやケンブリッジなどに住んでいたらまた違うのかもしれませんが、良くも悪くも学期中にキャンパス外で活動することは容易ではありません。私のいる大学のあるNorwichは田舎すぎて退屈だという友人もいますが、勉強中心の生活になるには良い環境なのでしょう。
少し具体的に書きすぎたかもしれないので興味のある方はお読みください。笑
成績は、一部のプレゼンテーション必須の授業の他は、ほとんどのエッセイとテストでつけられます。
一年間で様々な課題が出ましたが、ディベートやリーディングがあって、セミナー(少人数クラス)でプレゼンを用意するよう言われても、成績に加味されたものは45分間のグループプレゼンテーション一つだけ(20%)です。
・<あるモジュール(授業)の成績比重>
[前期]
■エッセイ1500 words - 50% ■グループプレゼンテーション45分 - 20% ■コーステスト - 30%
[後期]
■エッセイ 2000 words - 50% ■期末試験 2時間3問 - 50%
授業では、アメリカの大学のように(詳しくは分からないので短絡的ですみません)発言力が求められることはありません。嫌でもスピーキングが伸びる、と別の留学記を読んだこともあります。イギリスの大学に関しては、学部にもよると思いますが、読み書きができればスピーキング力がそれほど高くなくても卒業できてしまうことも考えられます。自分次第で、グループワークで話せなくて悔しいと感じたら頑張るし、このタイミングで発言したかったと後悔したら積極的になるしかありません。
イギリス人の友人もこぼしていましたが、時間をかけて書くより意見を話すのが得意な人にとっては、エッセイの比重が高いことが「不公平だ」と感じる人もいます。ファウンデーションコースでの成績で奨学金を頂けたのですが、同じクラスの彼らの方が授業の内容を理解して、ディスカッションにも貢献できていたはずなのに、と複雑な気分にもなったものです。
学期中に出されるエッセイでは、明確な答えのないものに自分なりの回答を出すために時間をかけてリサーチをし、主張を効果的に組み立てます。
試験でのエッセイでもしっかりイントロダクション、ディスカッション、コンクルージョンと論理的に構成しなければいけないですし、きちんと時間内にコンクルージョンの中で「質問に答え」なければいけません。そして知識量、アイディア、論理性を生かすライティング力が求められるでしょう。
留学先で好成績を目指すのであれば、英語でのエッセイの論理的な構成の仕方を勉強しておくことを強くお勧めします。
勉強勉強と書きましたが、私自身はこのコラムの執筆を始め、家事全般やサークル活動、シティの吹奏楽、アルバイト、と色々なことに忙しくしており、成績が目標に届かなかった反省もありますが大学生活を勉強だけで終わらせるつもりはありません。