会社の登記は簡単!?マルシェの日本料理店で見えたフランスの起業文化。

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こんにちは!フランスのトゥールーズ・ジョンジョレス大学に留学している、中村紬葵です。

こちらでの一年も終わりに近づき、だんだんと留学生の姿が少なくなってきました。 昨日の夜も、送別会をしたところです。

私も帰国に向けて、部屋の掃除に追われています。

 

UEFA EURO 2016が来る!

さてさて、そんな6月。 トゥールーズに嬉しいニュースが飛び込んできました。

UEFA EURO 2016!1-IMG_2160UEFA EUROというのはヨーロッパのサッカーの大会で、各国代表によるトーナメント戦です。

5月28日にジュネーブで行われた投票により、フランスが今回で最多3回目の開催国に選ばれました。

そしてこのトゥールーズも、試合を開催する10の都市の一つに選ばれたのです。 ちなみに10の都市は、パリ、リヨン、マルセイユ、トゥールーズ、ボルドー、ニース、リール、ランス、 セント=デニス、サン=テティエンヌです。

街の主要な道路の街灯は旗で飾られ、街中には上のようなモニュメントも。1-IMG_2168 そしてこれから来年の6月までの一年間、各都市で様々なイベントが開催されるようです。 今年留学される方が羨ましいですね。

そしてイベントの記念すべき第一回が先日開かれました! 今回はそのレポートを!!!

 

…といきたいところですが、先に入っていた予定のため泣く泣く断念。

サッカーファンの皆様ごめんなさい。笑

ですが!断念する理由にもなった予定で素敵な出会いがありました!

 

マルシェに日本人!

この日訪れたのはトゥールーズから電車で1時間。

UNESCO(ユネスコ)の世界遺産にも登録されているアルビという街です。1-P1060236

そして今朝も大聖堂の前でマルシェが開かれています。1-P1060224

大きなカゴに買ったばかりの新鮮な食材を詰め込んだ人達でいっぱい。1-P1060219

あっちからはパエリア、こっちからはジャガイモとチーズの香り…

そんなマルシェの中でひらひらと揺れる赤い旗。1-P1060221

や…きそば?

なんと、なんとなんと!

日本人の女性の方が出店されていたのです!

お名前は和佳子さん。

アルビから少し離れたご自宅のある街でお弁当屋さんを始められ、1年ほど前からアルビにも毎週土曜日に出店されているそうです。

その名もBENTO SHOP。1-P1060223

お会いした時は丁度お寿司の仕込み中。

小ぶりの可愛らしいお寿司が綺麗にパックに詰められていきます。1-P1060225

戴いてみれば、久しぶりに出会えた日本の味。

日本で日本のお寿司を食べられるのは当たり前ですが、こちらで本当の味を見つけようと思うとやはり結構大変。 大抵はフランス風寿司、中国風寿司、そしてカリフォルニアロールです。

日本人の方に出会えたこと、日本の味を見つけたこと、そのことにこんなにも感動できるのは、交換留学という特別な環境にいるからこそだなと、改めて思いました。 交換留学生の感覚は、こちらに在住されている方とも少し違う気がします。

すぐ先に帰ることが決まっていて、次にいつ来れるかはわからない。 その分めいいっぱい走って過ごし、プラスもマイナスも含め、物事に対する感受性が敏感になるのではないかと…

話がずれてしまいました。 やはり本物の味はフランスでも人気のようで、お話を伺っている間にも常連さんが何組も。 ここのお寿司は他のところと味がちがうと、毎週買いに来てくれるそうです。 日本人ではなくてもお寿司の味の違いがわかるんですねと、嬉しそうにおっしゃっていました。

<BENTO SHOP>HPこちらブログこちら

さて、そんな和佳子さんに面白いことを伺いました。 日々の生活に根付き、フランスの名物でもあるマルシェ。1-P1010453

実は、並び立つスタンドは、それぞれが一つの「会社」なのだとか。

個人がマルシェにお店を出すには、会社を立ち上げ、市に登録し、食品衛生の研修を受けなければいけないそうです。

そしてもちろん、売る場所が変われば売れるものも変わるビジネス。 和佳子さんのお店では、ご自宅の街で売れるお弁当がアルビではあまり売れないと。 ご自宅のある街はピクニックをする観光客が多く、お弁当はその方達に売れますが、アルビの観光客はレストランで食事をするので売れない。 和気あいあいとしたマルシェにも、そんな市場調査が必要なんですね。

会社を立ち上げるということは、つまりは起業。 起業というとかなりハードそうなイメージがありますが、ましてや異国の地でなんて…

そういえば先学期の大学の授業で起業について勉強したな…と半年前のプリントを引っ張り出して読み返してみました。

2010年の少し古い資料ですが、その資料によると、フランスではauto entrepreneur(オート・オントロポロナー)という仕組みがあります。 和佳子さんもこの仕組みを利用したそうです。

Entrepreneurとは起業家のこと。

この制度では、仲介サイトを通じて誰でも簡単に会社を作れます。 2009年にこの制度で作られた会社は、その数320000社! この年に作られた会社全体の半分以上です。

和佳子さんの言葉をお借りすれば、「最小限の投資、最小限の法規でとりあえず働かせてもらえる。やる気がある者には機会を与える」という国の方針のようです。 作った後の継続という点で問題はまだありますが、多くの人に夢を実現するチャンスを与えていることは間違いないようです。

さて日本ではどうなのでしょうか。

日本を客観的に見つめ直す、改めて向き合うとは、こんな疑問に一つ一つ答えを見つけることかもしれませんね。

この記事を書いた学生ライター

Tsumuki Nakamura
Tsumuki Nakamura
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co-mediaで編集をしています。 フランス・トゥールーズに留学し、現在は都内の大学に通っています。 よろしくお願いします。

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