今回は、語学学習のコツ、特にスピーキング力を高めるのに効果的な学習方法を紹介したいと思います。
それは独り言です。
私は兄弟がいないこともあってか、独り言が多いです。 家事自炊をしているときや一人で歩いているときなどは、よく一人で何かブツブツ言っている気がします。英語圏では、独り言も時折英語になります。
「え、このライター独り言連発しまくってるとか気持ちわる。読むのやめよ。」と思われた方はちょっと待ってもらっていいですか(笑)。
独り言の効用は私自身も強烈に痛感しましたし、また調べてみると世界中の語学のプロフェッショナルの多くも同様の学習をしていることが分かりました。
語学習得では、継続して学習しているとある日「ブレイクスルーが来る」なんて言ったりしますが、このブレイクスルーを意図的に早く起こすことができるのが、今回紹介する独り言学習法なのです。(出典:http://leverhawk.com/7-things-we-learned-at-cloud-connect-20130408239)
独り英語学習の具体的な方法を、3段階に分けて体系化してみました。
(1) まず、何か英語で言ってみる
内容的にある程度まとまりのあることなら何でもいいです。観た映画や読んだ本の感想でもいいですし、その日友達と議論した話題についてでも良いでしょう。
何か自分が興味関心のある話題について、誰かに話しかけているつもりで自分の意見を一人でつぶやいてみましょう。
(2) 自分の英語を反芻して自己添削する文章を一つ口にするたびに、一旦止まってその文章を反芻してみましょう。ここが文法的におかしい、もっと適切な語彙はないか、こういう副詞を挿入するとより効果的に意図が伝わる、など、改善点を探した上でその文章をもう一度口に出してみましょう。
この作業を繰り返し、満足のいく文章ができたら次の文章に進みましょう。
(3) 最後に通しで言ってみる
(2)の作業を繰り返し、一通り言いたいことが終わったら、最後に全ての文章を通しで口にしてみましょう。かなり洗練された英語をスラスラと言うことができているはずですし、また改善点が見つかるかもしれません。
ポイントとなるのは(2)です。この段階で、何度も改善を重ねながら繰り返すことで、つたない英語になることなくスピーキングの引き出しの一つとして定着させることができます。
「三人称単数のときは動詞をきちんと三人称単数現在形にする」「不規則動詞を適切に活用させる」「過去形と完了形を適切に使い分ける」などの細かい点を、(2)の段階で特に注意して行いましょう。
対人で英語を使っているときには上記のようなことはあまり気にしている訳にはいきません。 しかし、独り言では聞き手がおらず発言後即座に訂正できるからこそ、細部に気を配って英語を洗練させてゆくことができます。
「意図が伝わっているならいいじゃないか!」と、話すときに文法的な正確さに意識を割くことを無駄に思われる方は多いかもしれません。 しかし、慣れてくると意識せず自然に正しい文法で話せるようになります。例えば「主語が”She”のときは”don’t"でなく”doesn’t”」みたいな意識は、練習によって潜在化させることができます。
この独り言学習法によって、スピーキングの引き出しを圧倒的な手軽さで増やすことができます。 語学習得で一番大きな障壁となるのは、羞恥心です。 「独り言なんて恥ずかしい!」と思う心を棄てて、独り言学習に取り組んでみましょう。お金をかけず、かつ効果的にスピーキング力を高める画期的な方法であることが実感されるはずです。
「英語教育を通してアンビシャスな人たちの夢を叶える力になりたい」という夢を実現するため、日本人に最適な語学教育のあり方を求め米国ボストンに留学。現在は日本に帰国し、語学教育事業に注力中。帰国後も執筆の機会を頂けたことに感謝しています。大阪大学4年生。