今回ご紹介するのは、「学生の奨学金制度が及ぼす経済への影響」についてです。
大学では特に、たくさんの種類の奨学金制度を見かけますよね。 返していくもの、また返さなくてよいもの、色々な条件を必要とするものなど、生徒の多様化に合わせて奨学金制度もさまざまなものが生まれてきています。
そんな中、ビジネスインサイダーにそういった奨学金が経済に及ぼす影響について書いた記事があったのでご紹介します。 (参考:How student-loan debt is dragging down the economy)
奨学金が及ぼす経済の影響といっても、ピンとこない人がほとんどだと思います。 奨学金を借りることが、「経済」という大きなものを動かすほどの影響力があるのかむしろ疑わしいぐらいですよね。
しかしビジネスインサイダーによると、奨学金を借りて返すことによって経済の動きやGDPまでにも影響を及ぼしてしまう、ということが分かったそうです。
どういうことか見ていきましょう。
まずは上の図を見てみましょう。
ニューヨークの消費者の各種ローンのお金の使い道を調べたところ、クレジットカードや車のローンを抜いて、奨学金のローン(返済)が一番高いという結果になりました。(不動産ローンを除きます。)
1990年代後半には15000ドルだった奨学金が、今では倍の27000ドルまで跳ね上がっているのがわかります。
では、こういったように多額のローンを抱えているときに何か新しいことをしたり、始めたりしようと思うでしょうか?
ローンを抱えていたら思えないですよね。そういったことから経済へじわじわ影響していくと言います。
ローンを抱えていたら、何か新しいことをしたり、ものを買ったりするのを先送りにするようになります。 車を買うのも、家を買うのも先送りにして、リスクを負うことを避けがちになる。 こういったところから経済がまわらなくなるのですね。
しかも、これは高額のローンを抱えている人だけではなく、5000ドルや10000ドルという比較的低い価格の奨学金を借りた人にもあてはまる傾向なのだそう。そこまで多くないローンを抱えていても、
世の中全体がローンや何かしらのリスクを抱えている ⇒お金がない(リスクを負わない)ため、ものを買ったりしない ⇒経済が動かない ⇒お金がそこまで入ってこない ⇒ローンを少しずつしか返せない
という流れにのまれているのですね。
ビジネスインサイダーによると、この奨学金のローンと、いま世界で起きている経済の(悪い)状況の関係は立証されたものではないそう。 しかし、この奨学金の上昇やそれによって起こされる人々の行動が、節約つまり「お金を使わないこと」に繋がっていることは確かだと言います。
そしてこういった風に人々がお金を使わないことから「お金が作られない」わけですよね。それがGDPの降下につながる、というふうに考えられています。
経済の流れは、もちろん一つの要素によって影響されているわけではないので分析するのは難しいですが、こういったように近頃の世の中の動きからどんどんたどって見ていくのもおもしろいかと思います。
海外ドラマ・映画に影響されて15歳でアメリカ留学へ。現在大学では海外から来た生徒と一緒に授業を全て英語で受けています。最近はイベントで通訳をしたり、韓国語を勉強したりと忙しい日々を送っています!主に海外の記事を参考にオリジナル記事を作成していきたいと思います!