こんにちは、NY州フレドニアから神崎です。
今回はおそらく日本で一番ポピュラーであろう交換留学制度と打って変わって、あまりポピュラーではない学部留学についてお話ししたいと思います。
僕が学部留学を選んだ理由というのは以前の記事(「留学する意味を明確に。」アメリカ留学で後悔したくない人へ。)でもお話ししたように、とても立派とは言えない理由のため参考にはならないかもしれません。
ですが、実際に「学部過程でアメリカ進学を目指すことが自身の夢実現のために最も理にかなった方法だ」という人も確実に存在します。
例えばパイロットになりたい人。アニメーターになりたい人、エンジニアリングを学びたい人 などなどです。 パイロット?と思われるかもしれませんが、パイロットになりたいという理由で留学する人は実際たくさんいるそうです。
同じようにエンジニアになるための勉強をするにはアメリカはこれでもかというほど名門大学が揃っています。 マサチューセッツ工科大学などはあまりにも有名ですよね。
また、アニメーターとしての勉強を積みたい人にとってアメリカはとてもいい場所だそうです。 日本だとその類の勉強を積む場所となると専門学校、美術大学などがメインになり種類も限られています。それに比べアメリカには普通の総合大学にでさえVisual Artsの学部、ギャラリーなどがある上に、Art全般の教育に全力を注いでる大学がわんさかあります。
上に述べたように、これらの学部での勉強を積みたいという人にとって、アメリカの大学学部過程が魅力的に映るのは納得できることですが もちろんアメリカに留学してる人皆が皆そのようなメジャーを選択しているわけではありません。
多くの人が自身の母国でも十分に勉強できるメジャーをわざわざアメリカで選んでいます。 そういう人たちはなぜアメリカを選ぶのか?交換留学じゃいけないのか?と疑問に思う方おそらく多くいらっしゃると思います。
僕自身も何度もこの質問を聞かれました。と同時にパッと答えの出る質問でもありませんでした。 では実際学部留学と交換留学、どう違うのでしょう?
どちらにどんなメリット、そしてデメリットがあるのでしょうか?ー Bryant Park, New York, NY
今回の記事では4年間を通して学士号取得を目的とした留学を学部過程正規留学として扱います。
しかし学部留学の絶対的なメリット、どのようなメジャーを選んでも得られるメリットとは何かと考えてみるとなかなかパッとは浮かんでこないものです。
ですが、やはり一番にあげる魅力はアメリカの大学での学位を取得できるという事実だと思います。グローバルグローバルと叫ばれている今、やはりアメリカの大学での学位を持っているというステータスはこの正規留学を通して得られる最大の強みではないでしょうか。
また4年間の学部過程を通じて得られる人脈の幅の広さも魅力の一つです。将来世界を視野にビジネスを展開したい、日本以外の国で職に就いてみたいと思ってらっしゃる方にとって、世界各国から人がキャンパス内に集まっているという環境はとても魅力的かつ刺激的です。
また4年間の学校内外での生活すべて自分頼みです。面倒見のいい日本人スタッフなどいません。その期間がとても長い分、英語力はもちろんのこと外国での生活力、というのも嫌が応にも最低限身につきます。しかしこれは過ごし方によっては交換留学でも十分に身につくものなので学部留学のメリットとして挙げるには少々弱いかもしれません。
ではアメリカ大学学部過程正規留学のデメリットとはなんでしょう?
一番に浮かぶのはやはり値段です。まあ高い。すべてが高いです。
特に留学生は学校から受けられる経済的補助が極端に限られているため、学校が提示した何の割引もされていない学費を4年間払い続けなければならない可能性が高くあります。特に州立大学など、もともと州民のために、と設立された州民を第一とする大学は好きで勝手に来ている留学生にはあまり助け舟を出してはくれません。
二つ目のデメリットは4年間無事に修了させないと莫大な学費と時間とを費やした挙句に、日本で職に就こうというときに高卒扱いになるというリスクです。これは日本の大学に行くのと同じことですが、かかる値段があまりにも違いすぎます。 そしてアメリカの大学に進学するという状況は金銭的にも精神的にも学生本人だけでなく支援してくれる家族に大きな負担、ストレスをかけるものです。
その結果として日本人が日本で大学を4年間修了するのと日本人がアメリカで大学を4年間修了するのとでは全く違うことのように感じます。上にあげた負担に耐え続けるのは決して簡単なことではありません。ー New York 第二の都市、Buffalo, NY
では交換留学のメリットとはなんでしょう?
一年という短期間であるので比較的値段も安い。日本の大学の学費と同額、もしくは学校側が全て負担してくれるケースもあるそうです。
また、交換留学の場合アメリカの大学で履修した授業の単位を日本の大学卒業単位として移行することが可能です。 よって日本の大学の卒業を大幅に、もしくは全く遅らせることなく学生としての貴重な一年を外国で過ごすということが可能です。また自身が在学している大学と提携関係にある大学に交換留学として派遣される場合、受け入れ先の大学側も同じような時期に毎年来る留学生への対応がスムーズなように感じます。
また、交換留学だと10ヶ月、もしくは半年など期間が限られた留学とはなりますがその期間で十分に英語力を伸ばすことは可能で、決して短すぎるということはないということです。
さてでは交換留学制度のデメリットとはなんでしょう?
期間が短いというのは良く聞く話ですが、学位取得を目的としない交換留学制度を利用しての留学において、一年ないしは半年の留学期間で得られるものはとても膨大だと感じます、しデメリットとは言えない気がします。
挙げるとするならば正規留学とは違って、もともと自分が留学先の大学で出来ることが限られているということかもしれません。受け入れ先の学校数など縛りも存在します。
しかしアメリカの大学で勉強しつつ日本大学の卒業まで着実に足を進められる交換留学制度はやはり魅力的ですしリーズナブルです。また期間が限られている分、晒されるリスクの絶対数も少なくて済むように感じます。ー Central Park, New York, NY
もしこの記事を読んでくださっている方が今留学したいけれどどういう形での留学をしようかで悩んでいらっしゃるなら、自分がどういう目的で留学をしたいのかを突き詰めて考えて欲しいです。
学位を取得したいのか 言語力を磨きたいのか、視野を広げたいのか…
そして一度結論に行き当たってもどこかひっかかる部分があるならもう一度一から考え直してみて欲しいです。
自分が完全に納得できる結果を出すことは、留学前の段階ではとても難しいことだと思いますが今自分のために時間をどう投資するのが一番かを考えるという作業はとても重要だと思います。
後悔した身の神崎が言うので確かです。
“アメリカの大学でしか勉強できないことを学びに行く以外は学部留学の価値はない”だなんていう風には全く思いません。 自分の中で決めた目標を達成したい場所がアメリカ、もしくは日本以外の他の国であるならばそれで留学するには十分な理由だと思います。
留学をするにしても目標や期間に伴って様々な種類が存在します。 自分の目標に合った後悔のない体験にできるよう考えられるうちに目一杯時間を費やして考えてみてください。
アメリカまではるばる来て早3年目突入。 ニューヨーク州立大学フレドニア校にて経営/経済学を専攻し2013〜2015年まで在学。2015年秋学期からは イリノイ大学アーバナシャンペーン校でマーケティングを専攻しています。このブログを通じて自分の留学生活にも新しい目標や意義を見出していけたらと思います :)