大学は行かない!高卒21歳が目指すのは「一生旅人として生きる道」

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シマタニさん6

名前:嶋谷鴻太郎(しまたに こうたろう)さん 1994年生まれ、現在21歳。大阪の高校を卒業後、ママチャリで日本一周や沖縄でのインターン、家庭教師業界での仕事を経験する。その後、かねてから興味のあったアメリカに留学。現在はサンフランシスコ・シリコンバレーのラーメン屋を食べ歩きながら、旅人としての独立を目指す。

社長になるために大学には行かない!

シマタニさん1ーーなぜ大学に進学しないことを決めたのですか?

大学に入ってやりたいことがなかったんです。というのも、高校生の時は「社長になりたい」と思っていました。きっかけは中学生の時に読んだ「金持ち父さん、貧乏父さん」という本です。それを読んだ時に「社長になれば僕は自由な生活が出来る」と憧れたんです。今思えばものすごく浅はかでしたね。(笑)

ですので、「社長になること」と「大学に入ること」がどうしても同じことに思えなかったんです。大学に入る目的を見失っていたのですが、あるとき知り合いの方に社会人の異業種交流会に誘ってもらったんです。そこでたくさんの社会人が、自分たちの仕事や人生観についてものすごく活き活きと語っている姿を見て、「自分もこうなりたい」、「自分のビジネスを持ってみたい」と強く感じました。自分が行くべきなのは大学ではなく、自分が成長できる場所だと思いました。いま思うとこの頃は自分が何でも出来ると勘違いしていましたね。

きっかけを与えてくれた旅

シマタニさん4ーー大学受験を辞めると決めた後は何をされていたのですか?

ママチャリで日本一周の旅に出ることにしました。旅は前々からやりたいと思っていましたし、日本に住んでいるのに日本のことを深く知らないなと思っていたんです。

日本一周は、期間が2カ月くらいで、生活はほとんど野宿でした。日本一周と言うと聞こえはいいのですが、ただひたすら自転車をこいでいるだけなんですよ。(笑) 旅も万事上手くいったわけではなく、色んなアクシデントがありました。

ーー旅の中で印象的だったことを教えて下さい。

九州の高千穂で野宿しているのを警察に見つかったときですかね。起こし方がイヤらしいんですよ。声をかけたりせずにいきなり懐中電灯を顔に向けてくるんです。「まぶしっ」って感じで目覚めましたね。(笑) そこで職務質問を受けました。「どこから来たの?」とか「どうやってきたの?」とかですね。しかも家出少年じゃないかと疑われていたので、警察の前で母親に電話するはめになりました。とても恥ずかしかったのを覚えています。

それ以降怪しまれないためにも、日本一周をしていることが一目で分かるように旗を掲げることにしたんです。それでも時々職務質問はあったのですが、道行く人に応援されることが増えたのは嬉しかったですね。街頭演説の車からがんばれー!って声をかけられたこともありました。(笑)

他にも資金が尽きかけたり、体調崩しているのに冷たいもの食べてお腹壊したり、台風で暴風警報が出ている中走る日なんかもありました。それでも、道行く人に声をかけてもらったり、SNSでたくさんのコメントがきたり、本当にたくさんの人に応援されて旅を続けることが出来ました。

ーー日本一周が終わった後は何をされていたのですか?

旅が終わった後は、継続的に社会人の方が集まる異業種交流会に参加していました。そんなときに知り合いの方から沖縄でのインターンに誘われました。会社名はユナイテッド・ビジョンと言って、中村あきらさんが創られた家具の通販サイトを運営する会社です。最初に声をかけられたときは、インターンに参加して具体的にサイトの作り方やプログラミングを教えてもらい、自分たちでビジネスを始めようという話もありました。

ーー実際に働くという経験は初めてだったと思いますが、何を感じましたか?

痛烈に「自分って全然仕事ができない!!」ってことですね。大学に行って専門知識をつけたわけでも、何かスキルを持っているわけでもなかったですし、それまで何かを学んだ経験もなかったので当然といえば当然でした。それまではセミナーや勉強会、自己啓発本を読んで仕事が出来る気になっていたのですが、実際に働いてみて結局自分は与えられたことすら出来ない人間だと感じました。自分自身が会社の舵を取って、物事を前に進めていかなければならないのに、それ以前に枠組みを持った仕事でさえこなせないと気付いたときは、結構落ち込みましたね。

「働く経験」が与えてくれたもの

シマタニさん3ーーインターンを辞められた後はアルバイトを始められたそうですが、それはなぜですか?

実はアルバイトをしながらまた異業種交流会に出て自分磨きをしようと考えていたのですが、なんと10社連続でアルバイトの面接に落ちてしまったんです(笑)。今思えば高卒で、服装も適当、しかも言っていることが地に足がついておらず、特別なキャリアがあるわけではない人間が雇われるわけありません。でも、当時は「日本一周してインターンまで経験した自分がなぜ?」くらいに思い上がっていたので理由が全く分かっていませんでした。(汗)

しかしそんな時、友達に「家庭教師のアルバイトやってみたら?」と言われて、とりあえず応募してみました。そしたら、わりとすぐにその会社から電話がかかってきて、家庭教師の仕事は紹介できないけど、会社内の仕事がいくつかあるからやってみないかと声をかけて頂き、無事面接にも受かることが出来ました。

ーー2つ目の仕事では何を学びましたか?

仕事内容や期間が全然違うので学んだことは多かったのですが、一番大きかったのは前回と一緒で、自分の仕事の出来なさですね。当時、僕は大学にも行っていないので人と変わった面白い選択をしているとうぬぼれて、天狗になっているところがありました。しかし、その伸びた鼻を「お前は普通以下だ」とへし折ってくれたことが一番大きかったです。働いてみると、物覚えは人より悪いし、礼儀、マナーも身についていないことが分かって、自分は世間知らずだったなと思いました。

あと自分の中で大きかったのは、ただ働いているだけでは何も変わらないということでした。本当にカッコ悪い話ですが、僕は働くということを完全に舐めていたんだと思います。生半可な気持ちでは結果なんて出ないし、本を読んだりセミナーや勉強会で学んだことを活用できる自分なんてものはただの幻想でした。より長い期間働いてみて、今の僕ではどんな仕事を続けても、僕を魅了してくれた旅をすることはできないし、周りの人の役にも立てないと感じました。

ーーそんな中なぜ海外に来られたのですか?

今の仕事を続けてもこのままでは旅が出来ないことを自覚して、旅をするためにどうしたら良いか真剣に考え始めた時に、父から留学してみないかという話をもらいました。旅とはまた違うかもしれませんが、留学は語学経験や異文化理解という点で共通点を感じていましたし、以前から留学自体に興味を持っていたこともあって留学にいくことを決めました。

また、今回の留学では自分の選択肢を増やしたいという目的もありました。20歳にもなって「やりたいことをするためにやることが定まっていない状態」が自分に不安と焦りを感じさせていたんだと思います。

留学という決断

シマタニさん2ーーアメリカでの活動について教えて下さい。

今は、サンフランシスコの語学学校に通っています。もともと英語はとても苦手だったので、最初はものすごく不安でした。でも1ヶ月くらいして生活にも慣れてきて、いわゆる学生ライフを楽しんでいました。しかし、本来の目的はアメリカで新しい選択肢を見つけることだったので、これじゃ駄目だと思っていたところにミラクルが起こりました。

沖縄のインターンでお世話になった中村あきらさんがたまたまシリコンバレーに引っ越されて来たのです。それまで連絡を取っていたわけではなかったですが、移住の話を聞いてすぐさま連絡をとりましたね(笑)

現在は、あきらさんに自分が旅をして生きていきたいと思っていることを相談して、サイトの作り方やどのように旅をして生きていくかなど、本当にたくさんのことを教えてもらっています。またシリコンバレーはとても刺激的で、年下の子が普通に起業したり、自分のサービスを持つことが当たり前で、それぞれのやりたいことを実現させていました。実を言うと最初はそんな学生たちを見て、悔しい気持ち、焦る気持ちなど、色んな負の感情を感じていました。でも、だからこそ自分もこのままではいられないと考えることが出来たのも確かです。

ーー今後はどう活動されていく予定ですか?

語学学校を卒業したら、当分アメリカでブログ等のサイトを作って世界のどこにいてもお金が入ってくるシステムを構築させたいと思っています。それが完成したら、世界中に旅に出ます。語学学校では、世界中にたくさん友達もできたので、彼らを訪ねて世界をまわりたいですね。

ーー社長という道ではなく、旅人の道へ進むということですか?

そうですね。実は沖縄でインターンしていた時ぐらいから社長に執着する必要はないと考え始めていました。高校卒業当時は自由な生き方をするためにお金と時間を得るには社長になることが一番だと思っていました。しかし、お金を得ることが出来るシステムやどこでも働ける仕組みがあれば自分の望む自由な生き方が出来ると考え直したのです。

結局自分にとって重要なのは社長になるというプロセスではなく自由に生きること。自分のやりたいこと(旅)が出来る生き方が、本当は僕の中で一番重要だったのです。

ーー嶋谷さんにとって旅はどういう存在なんでしょう?

僕が旅をして一番喜びを感じることは、僕が伝えた情報で、「自分も旅してみたい」とか、「自分もそこに行ってみたい」という共感の気持ちを与えたり、行動を起こす手助けが出来た時です。自分が旅をすることによって、ブログ読者の視野を広げられたり、元気づけられたり、実際に行動に起こしてもらえるととても嬉しいですね。

結局自分の行動で誰かの「きっかけ」が出来たら良いんです。なので、僕にとって旅とは誰かの「きっかけ」を与える媒体であり、誰かと共有するものだと思っています。

ーー今の大学生に伝えたいことはありますか?

知識をつけるだけでなく実際に行動してもらえたらと思います。行動力は誰しもが持つ才能です。もちろん間違った方向に進んでは時間もかかるし、効率も悪いです。しかし、実際に行動してみないと自分がどの方向に向かっているのかすら分かりません。僕は実際に働いてみて、結局知識だけでは何も役に立たないということが分かりました。考えることなしに行動してとてもたくさんの失敗をしました。

必要なのは、得た知識を基に実際に自分で考えて行動を起こすことです。考えた上で行動を起こすことで、初めて得た知識が自分のものになっていくんだと思います。だから、とにかく行動し、少しでも学んだことを実際の行動に落とし込んでみることが必要なんじゃないかなと思います。 もし、やりたいことが見えていない人がいたら、新しい選択肢を増やすために行動するというのもありなんだと思います。僕自身今回の留学は選択肢を増やす目的で来て、実際にブロガーという選択肢が増えました。それも自分が選択肢を増やしたいと思って行動してきたからだと思うんです。きっかけとかスタート地点はなんでもいいんです。やりたいことが見えてなくても、見えていても考えながら何かしらの行動を起こすことが大事なんだと思います。そうすることで一歩自分の望む生き方に近づけるんだと思います。

〇嶋谷さんの詳しい活動内容は以下をご覧ください。

・日本一周blogはこちら ・日々の留学生活はこちら ・サンフランシスコのラーメン情報はこちら

この記事を書いた学生ライター

Masahiro Shimomura
Masahiro Shimomura
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自分の知らない環境、そこに暮らす人に会うのが好きです。 人生刺激があってなんぼだと思ってます。

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