今回のTEDトークは、以前「変?それともただ違うだけ?」というスピーチで紹介したデレク・シヴァーズのものです。
アントレプレナーの肩書を持つ彼が今回語ったことは人間の目標達成までのプロセスです。 彼は、目標を達成するために人々がやりがちな「間違い」について語ってくれました。
まずは、これを読んでいる皆さんに想像していただきましょう。
はじめに、自分が持っている大きな個人目標について思い浮かべてみてください。 そしてそれに取り組むことを想像します。そして今日会う人にそれを話すことを想像してみてください。
口に出して人に言うだけでゴールに一歩近づいた気になりませんか???(出典:http://temitopebenson.com/)
今回のトークで彼が伝えたかったことは、目標を人に言ってはいけないという事です。 人に話すことの気持ち良さが、実現する可能性を下げてしまうのです。これは心理学的にも何度も証明されているそうです。
もともと、目標を達成するということは相当の苦労を伴うものです。だから「目標」なのですよね。 しかし、人に話してしまうとそこである程度の達成感が得られてしまいます。本来、達成感というのは目標を達成するまで得られないはずなのに、人に話して達成感を得てしまうと目標達成までの努力の動機が薄くなってしまうのです。
よく、サポートを得るために目標は人に話すべきだ、ということが言われていますよね。 しかし、彼はこれがいかに間違っているかをいくつかの例を使って証明しています。
まず、
・1926 社会学者 クルト・レヴィン ・1933 ヴェラ・マーラー ・1982 ピーター・ゴルビツァー
これらの学者が証拠を実験から得たり、それを基に本を出版したりしたそうです。 そして、今回はその「実験」についてもどんな実験でどんな結果が出たかを、ご紹介します。
まず、163人が4枚のテストを受けます。163人それぞれ紙に個人目標を書きます。 163人の半数は、他の人に向かって自分が書いた目標を言い、残りの半数は紙に書いたまま誰にも言わないようにしました。 それからの45分間は、自分が紙に書いた個人目標を達成するために自由に過ごすようにと指示を受けます。
さあ、この二つのグループはどういった反応をするでしょうか???
まずは、紙に書いただけで口外しなかったグループ。 彼らはきっちりと与えられた45分間を使い切り、後で質問すると「まだ目標達成には足りない」と言ったそうです。
そして、目標を人に言ったグループ。 45分与えられていたにも関わらず、彼らのほとんどは33分目でやめてしまい、あとで聞くと「もうゴールにだいぶ近づいた気がする」というのだそうです・・・。
筆者もこのTEDトークを聞くまでずっと目標は人に話すほうがよいと思っていたので心底驚きました。 よっぽど精神面が強ければ人に言ってしまってもいいのかな、とも思いますがやっぱり目標を人に言った時に生まれるあのちょっとした達成感は否めないので気を付けなければいけませんね・・・・。
しかし、デレク・シヴァーズが言うには、もし人に言わなければいけなくなったときは、「マラソン大会に出たくて走らなければならないから、怠けていたら叱ってくれ」というように言うとよいそうです。
このように、世の中で正しいと思われていることも実はそうではなかった、ということを今になって気づくこともあるので、まだまだだなぁと思う一方、いつも違った見方を与えてくれるTEDに感謝です。 みなさんもどんどんTEDトークをぜひ活用してみてください。きっと学ぶことがたくさんあると思います!
・Keep your goals to yourself By Derek Sivers 「目標は人に言わないでおこう」 By デレク・シヴァーズ
海外ドラマ・映画に影響されて15歳でアメリカ留学へ。現在大学では海外から来た生徒と一緒に授業を全て英語で受けています。最近はイベントで通訳をしたり、韓国語を勉強したりと忙しい日々を送っています!主に海外の記事を参考にオリジナル記事を作成していきたいと思います!