現在イスラエルにてAniwoという会社でMillion Timesというサービスを運営している植野力(うえの ちから)と申します。今回はまだあまり知られていないイスラエル、そこで起業して経験したことなどをお伝えしようと思います。
イスラエルに行ったことがある人はいるでしょうか?
ほとんどの人が聞いたことはあるが行ったことはないと思います。ちなみに日本人の99.9%が一生のうちに訪れない国なのだそう。場所は地中海の東端に面しており、4月から10月くらいまではほぼ雨が降らないので、夏になると主にヨーロッパ方面から多くの人がバカンスに来るリゾート地でもあります。地中海のリゾートや死海、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の3聖地が密集するエルサレム旧市街は特に人気です。(詳しくはこちら)ー 地中海沿いのビーチが見渡せる首都テルアビブ
ー ユダヤ教徒の聖地「嘆きの壁」とムスリムの聖地「岩のドーム」
よく聞かれるのが、安全なのかということなのですが、ガザ地区、北のレバノン国境エリアを除けば特に危険といったことはなく、特に首都のテルアビブでは5カ月の滞在中起きたテロは1件と日本の通り魔事件等と比べるとそこまで危険ではないのかなと感じています。時々友人や大手企業の方が遊び、出張にいらっしゃることがあるのですが、ほぼ全員の人が、想像していたのと違って安全だという風に感じてお帰りになられます。国民約800万人のうち、約600万人がユダヤ人で、公用語はヘブライ語。日本のアニメや第二次大戦中、外交官の杉原千畝が約6000人のユダヤ人を避難させたこと、最近安倍首相がイスラエルを訪問したこともあり、親日的な方が多く、道を歩いているとよく日本語で話しかけられます。ー 現地で実施したイベントの模様
そんなイスラエルですが、最近、「スタートアップ大国」「中東のシリコンバレー」と呼ばれ、GoogleやMicrosoft、FacebookやApple、Samsungといった世界の名だたる企業が開発拠点や投資拠点を置いています。数字で見ると、年間に生まれるスタートアップ数は日本が約160社といわれるのに対しイスラエルは800社を超えます。また対GDP比の投資割合は日本が0.026%なのに対しイスラエルは0.36%、ちなみに世界2位のアメリカは0.17%なので比率としては世界1位になります。年間のスタートアップの買収、増資額は2014年で3400億円、さらに2015年は1月だけで910億円とさらに注目を集めています。ー 2015年1月の買収、増資のインフォグラフィック by GeekTime
理由としてはいくつかあげられていますが、「軍事技術の高さ」「産官学の連携」「教育」が主なものとしてあげられます。 イスラエルは男女ともに兵役の義務があり、体調等特段の理由がない限り全員が兵役を課せられています。兵役の中で身に着けるリーダーシップとIT技術はアントレプレナーシップと高い技能を持ったエンジニアを多く輩出します。 また、イスラエルでは大学がスタートアップ支援のファンド、アクセラレーターのプログラムを準備していたり、国がコワーキングスペースを運営するなど、産官学の連携が進んでおり、それがスタートアップの活動を促進しています。
そして3つめの教育に関しては、自由放任が尊重され、失敗を恐れない文化が醸成されています。印象的だったのは、過去にスタートアップを始め8000万円の投資を受けるも失敗したがまったく気にせず再度別のスタートアップを経営している起業家がいたり、とにかく「うまくいくかわからないことはやってみればわかる」といった姿勢の起業家が多いということです。ー 現地起業家と弊社CEO寺田、植野
イスラエルのスタートアップ起業、技術に注目しているのは実は海外の起業だけではありません。日本でも徐々に注目する経営者は増えており、実際にイスラエルを訪問し始めています。
昨年6月にはサムライインキュベート榊原氏がイスラエルに移住し現地にコワーキングスペースを開設し、現地スタートアップへの投資を開始、昨年夏にはLINE株式会社の森川社長(当時)が視察、昨年11月にはSNS株式会社の(ホリエモンこと)堀江貴文氏が訪れています。冒頭にも述べたように今年1月には安倍首相がイスラエルに訪問し、経済面でも連携を強化するなどさらに関係性は親密になっていくでしょう。ー 安倍首相とイスラエル首相ネタニヤフ氏
今後さらに世界から注目を集めるであろうイスラエル、学生のうちに、起業家を多く生み出す文化や世界中から人を集める聖地の様子などを一度目にしてみるのはいかがでしょうか?もし訪れる際はぜひ連絡をくださいね。ー Aniwoファウンダー:左から植野、寺田、大串
京都大学法学部2013年卒業後、オイシックス株式会社入社。リスクマネジメント、社内改善業務を担当後、EC事業部異動。マーケティングを担当後、大学時代の先輩である寺田彼日の誘いを受け、イスラエルに渡りAniwo共同設立者として参画。現在はマーケティング、採用などを担当。学生時代の活動はTeach for Japan、政策勉強会、居酒屋のキャッチなど。24歳独身。