1年生の時から、企業でインターン生として働いていました。「起業する前にインターンを経験しておいたほうがいい」と、ヴォラーレ株式会社社長の高橋飛翔さんにアドバイスを頂いたのがきっかけです。最年少上場を達成した村上太一さんと話したいと思って、インターン生は募集していなかったのですが、TNKのOBさんに紹介して頂いてリブセンスの面接を受けました。でも1回目の面接は落とされてしまいました。能力が足りずに落とされて、とても悔しかったです。悔しかったので、もう一度「結果を残すので採用してください」と売り込みました。それだけ言うんだったら、結果を残すんだったら、ということで採用してもらいました。1年生の12月後半から4月にかけてインターンをしていました。
ーーリブセンスさんではどういう業務をして、どんなことが得られましたか?
上場企業のワークスタイルを知れたことが大きかったですね。学生起業で一番ネックになるのはマネジメントや、どんな部署があって、どんな業務があって、という部分をイメージしにくいという点にあると思うんですね。そこをイメージできるようになったことが非常に貴重でした。 また、自分が事業の中の役割を担えたことも意味がありました。そしてその自分の仕事が成果として目に見えるという一連の流れが分かったことも後の起業に生かせましたね。SEOの施策を打っていくという担当をしていて、その知識がついたことも将来役立つと思います。 また、マネージされる立場で、社員の気持ちを感じられることが大きかったです。マネジメントされる側がどこでモチベーションが上がってどこでモチベーションが下がるのかというのを徹底的に自己分析しました。例えば、仕事を振る時や役割を与えるときには、事業の全体像を見せて仕事がどんな成果に結びつくのかを示すことが重要だということに気づけましたし、本当に勉強になりましたね。
団体の理念として「”創新者”の輩出」というものがあります。0から1を生み出して世界を変える、ビルゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、スティーブ・ジョブズ、孫正義のような人をTNKから生み出すことを目的としています。起業という形も一つなのですが、自分の心からやりたいことをやろうという意味でもあります。それはイベントでもサービスでも何でもいいと思っています。TNKの中には日本酒を広めたいという思いで取り組んでいる人もいますね。メンバーを集めてプロジェクトをするといった形をとっています。TNKの強みは人材で、東大に拠点を置いているということもあり、頭が良く優秀で異彩を放っている人が多いですね。個性も強いですし、貪欲な人が多いです。様々な価値観を持っていて、意見がぶつかり合うので、ブラッシュアップされていいプロジェクトになっていくんです。 後は、20年後のビジネスプランを考えたり、未来を考える癖をつけたりするために、毎週1回2時間ほど勉強会を行っていました。ホットティー株式会社社長の保手濱さん、ヴォラーレ株式会社社長高橋飛翔さん、株式会社アイタンクジャパン社長の丹羽さん、株式会社グノシー福島さんらがTNKの出身です。
ーーなぜTNKさんに入ろうと思われたのですか?
東京大学を目指していて、落ちてしまったんです。不合格通知から入学の4月までの1か月間、とても暇でした。目標を失ってしまって、何もすることがなく、本当に詰まらなかったんです。「限りある人生で俺は何やっているんだろう」と感じていました。その時に「目標のない人生は詰まらない」と実感しました。そこで「自分は何がしたいのだろう?」と深く考えました。 僕はスティープジョブズが好きで、彼の「直感に従え」という言葉が響いてるんです。僕の父親が経営者だったということもあり、起業という選択肢が身近にありましたし、ジョブズのように世界にインパクトを残して人生を終えたいという思いがありました。一番レベルが高く、起業に近づける環境に身を置こうと考えている中でTNKを見つけて、TNKのメンバーに魅了されて入ることにしました。
ーーヴォラーレの高橋飛翔さんやグノシーの福島良典さんなど先輩の存在はやはり大きいですか?
大きいです。(笑) 身近に起業して結果を出している人がいると成功のイメージが湧きやすいですし、正しい感覚が身に付くと思っています。また、起業家には多いと思いますが、僕も負けず嫌いなんですよね。超すべき存在、目標があるとさらに力が入って努力出来ます。偉大な先輩方を超すことができればと思っております。
ーーTNKが過去に高橋さん福島さんに加え、ホットティーの保手濱さん、アイタンクジャパンの丹羽さん、など有名な起業家を輩出し続けている理由は何なのでしょうか?
「世界を変えてやりたい、起業するんだ!という志が高く意欲のある人達が醸成し続けてきた文化」だと僕は思っております。文化は人を呼び、文化は人を変えます。それを肌で感じました。TNKの文化が継続して起業家を輩出している理由だと思っています。TNKは、ホットティー株式会社代表取締役社長の保手濱さんが創設し、10年間この文化が引き継がれています。このようなTNKの文化を作られた先輩方には頭があがりません。僕がTNKの代表に就任して行った事は、その文化を守りつつも、活動内容を時代にあわせるということなので。このTNKの文化に一年半触れられたことは今後、自分の人生に大きく影響すると思っています。言葉に表せないので、気になったら一回TNKを見学しにきてください。
ーーTNKさんの代表を務められてから、学んだことについて教えてください。
学んだことは山ほどありますね。(笑) 毎日成長を感じていました。ソフトバンクの孫正義さんの言葉で「従業員の考える量を1とすると経営者は100以上考えないといけない」というものがありましたが、あの言葉は本当ですね。代表になると本当に考える量が違うんです。 自分の言ったビジョンに対していかにメンバーを賛同させるかが難しかったですね。自分がやりたいと言ったこととメンバーの思いとが乖離してしまう事もありました。 一つ印象に残っている事例を上げると、僕は、TNKを事業化団体にしたい、事業・サービスをどんどんやっていくような方向性にしたいと思ってました。ただ周りは僕の意見に反対でした。まだそんな事業などやるレベルではないと。ただ僕は自信があったので、「できる」という事を証明するためにも他のメンバーに、自分の背中で自分の結果で示そうと思ったんです。そこでCMWorldというサービスを始めたんです。実際にリリースした後、2か月目で100万PVを達成しました。その結果、メンバーに好影響を与えて、「自分達でもサービスが作れるんだ」というポジティブな雰囲気になりました。やはり自分の背中で実際にみせる事が一番大事な事なんだと思いましたね。これが一番TNKで取り組んで良かったと感じたエピソードです。
揶揄されることはありますけど、正直何とも思わないですね。そういった言葉にムカツく時点で判断基準が他人にあると思うんですよね。他人に認められたいと思っているから、叩かれるとイラっときてしまうんです。僕には創りたい未来があって、自分の夢を追いかけるために生きています。他人から認められるために活動しているわけではないですし、自分の夢に向かって努力しているだけです。スティーブ・ジョブズの言葉で、「人生の時間は限られている。自分の時間を無駄にするな。他人のノイズを気にせず直感に従え」というものがあって、本当にその通りだと思っています。多くの日本人は他人の目を気にしてやりたいことをやらない人が多いと思います。僕は自分の直感を重視して、自分の夢を追いかけていきたいです。
ーー森本さんは1ヶ月ほどシリコンバレーに行かれていたと思うのですが、そのきっかけは何だったのですか?
僕のやりたいことがコンピュータと脳の融合なんですね。持論ですが、人類はものすごい加速して成長していると思うんです。コンピュータの発達によって進化するスピードが上がっていると言いますか、人類の「進化するスピード」が「進化している」と思います。さらに進化していくと、コンピュータは人間の脳を外部に置いたような、人間の脳の代わりのようなものになって、次は脳とコンピュータの2つが繋がってくると思うんですね。コンピュータでできる作業はコンピュータに任せて、人間は知的生産に注力できるような時代が必ず来ると思っています。そういう時代が僕の中では2045年に来ると思っています。そういった考えもあり、テクノロジーが一番進んでいるシリコンバレーに行きたいという気持ちを持ったことがきっかけですね。ーーシリコンバレーに行ってから行動や心境に変化はありましたか?
かなり変わりましたね。よく言われる言葉になりますが、「日本の当たり前が世界の当たり前ではない」と感じました。起業への意欲が全然違います。日本では起業する人がマイノリティですが、シリコンバレーでは起業がマジョリティであるような感覚がありました。 ビジネスのスピード感も全然違うので、一度シリコンバレーで働きたいと思うようになりました。 ワークスタイルが全然違うなとも思いましたね。日本は残業することが多い印象がありますけど、向こうでは自分のやることが終わったら帰るようなスタイルで、実力社会でもありました。こんな自由な環境だからイノベーションが起こりやすいんだろうなと感じました。
オンラインでのオーダーメイドスーツの販売事業を行っていて、29800円でイタリア製の生地のものを販売していました。でもこれは何もビジネスのことが分からないからとりあえずやってみよう、という流れで始めました事業で、自分たちのなかでは「儲かったらいいな」という思いで取り組んでいました。しかし色々と進めているうちに儲からないということが分かってきました。2,3年取り組んだとしてもとして大した売り上げにはならないということです。タイの工場と契約していたのですが、取引がとても不安定で信頼をおくことができませんでした。あとは、自分たちのモチベーションが高くなかったということも失敗の原因だと思います。好きだと思ったから始めたのではなく、ビジネスになりそうだからという理由だけで始めたのが良くなかったですね。
ーーその失敗を通して、今はどんなことを意識されているのですか?
1つ目の会社を立ち上げて学んだことは、自分が本気で取り組もうと思っていない事業はやってはいけないということです。ビジネスを立ち上げると壁に打ち当たることがよくあると思うのですが、気持ちが乗っていないと壁を乗り越えることができないと分かりました。 ですから、まずは自分はどんなことに情熱を注ぎたいのかを自分の中で突き詰めて考えることから始めないといけないと感じています。それと同時に、時代にあった事業を展開しないといけないので、市場の動向も分析しています。次は確信を持って挑戦したいです。
ーー森本さんの今後のビジョンをお聞かせください。
まずは、日本のベンチャーや海外でインターンをしてワークスタイルなどを学んで、その上で優秀な仲間を集めて、来年までにもう一度人生を賭けて勝負したいです。そして最低30歳までに上場を果たしたいですね。40歳の時に自分の夢が達成できるかが勝負だと思っています。40~50歳の間に自分が実現できる世界が訪れると思っているので、コンピュータと脳の融合で世の中に価値を与えたいです。まずは日本で起業したいと考えていて、日本から世界へ出て、「世界一になる」というところにこだわっています。
大学一年次よりスタートアップに興味を持ちアプリ開発/ベンチャーでのインターンシップを経験。 現在、学生の視野を広げるco-mediaとインターンシップから築く新しい就職の形InfrAを運営する株式会社Traimmuの代表。 サッカー観戦とジム通いが趣味。