・柴田晴香(しばた はるか)さん (写真右) 入社2年目。アメリカの大学を卒業し、入社後は人事本部採用企画部採用推進課に配属される。国内の学生の採用に加え、グローバル採用に従事。海外の日本人学生や外国籍の学生の採用を行う。
ーーソフトバンクさんの事業内容についてお聞かせください。
中久木さん(以下、中):ソフトバンクは携帯電話会社のイメージが強いと思います。ですが、携帯電話事業は数ある事業のうちの1つであって、インターネットに関わる事業すべてに取り組んでいます。携帯電話がインターネットに大きく関わるという世界が当たり前になってきたために、携帯電話の事業を展開するようになったという流れですね。コアな事業領域は時代の流れによって変化しています。
ーーソフトバンクグループさんは「情報革命で人々を幸せに」という理念があると思うのですが、具体的にどういったビジョンを持っていらっしゃるのでしょうか?
中:「情報革命で人々を幸せに」という経営理念は、私たちの想いをもっともシンプルに表現していると思っています。ソフトバンクは現在創業34年の会社なのですが、30周年の時に、改めて「今後30年、300年、どういう会社にしていくべきか」を社員全員で議論しました。意見を出し合うプレゼン大会もたくさん行いましたし、社長がTwitterを使って呼びかけ、社外からも多くのご意見をいただきました。「自分たちが本当にやりたいことは何か」をすべて集約したところ、「情報テクノロジーを信じて、それを通じて人々を幸せにしたい」という答えに辿りついたんです。
「幸せ」と聞くと抽象的な言葉に感じるかもしれませんが、そこには色んな考えが凝縮されています。「どうしたら人々に喜んでもらえるか」「どうしたら一つでも多くの悲しみを減らせるか」など、世の中を良くしたいというさまざまな思いが詰まっています。ですので、その理念にはこだわりますが、事業領域はこだわっていないんです。携帯電話事業のみならず、さまざまな情報技術を活用して人々が幸せになる事であればどんどんチャレンジしていきます。
ーー理念を意識した仕事の取り組み方についてお聞かせください。
柴田さん(以下、柴):私たちの新卒採用という仕事は、直接世の中の人々を幸せにするものではないかもしれません。ですが私は、人々の幸せを実現するためのサービスやシステムを提供できる優秀な人材を採用する立場なので、間接的ではありますが、理念に沿った仕事ができていると感じています。「情報革命で人々を幸せ」にできる人材を見極め、理念を理解してもらって仲間になってもらうことが私たちのミッションです。
柴:TOEICのテストで、800点取れば30万円、900点取れば100万円を支給するという制度があります。できない人を悪く評価するのではなくて、できる人をプッシュアップする風土があるのは魅力です。努力した人に対して頑張った報酬が与えられるのは素晴らしいことだと思っています。
中:他にも”リフレッシュ休暇”というものがあって、勤続5年経過ごとに、連続5日間の特別有給休暇がもらえます。その休みを利用して海外旅行に行く社員も多いですね。私もフル活用しています。(笑) また毎年1回付与される”アニバーサリー休暇”というものがあります。自分の誕生日や家族との記念日など、自分で決めた記念日に使える休暇があります。 あとは、育児休業制度も整っていますよ。制度がただあるだけではなく、きちんと社員が活用しています。配偶者出産休暇という制度もあります。私もつい先日子供が産まれたのですが、その制度を使用して、出産に立ち会いました。”出産祝い金”というものもあり、5人目が生まれると500万円が支給されるという制度もあります。改めて説明してみると結構充実しているな、と今感じました。(笑)
ーーソフトバンクさんで働くなかで、入社して良かったと感じる部分はどこですか?
柴:風通しが非常に良く、活発にコミュニケーションを取れているところです。私は長くアメリカに滞在していたので、日本の企業に対してのステレオタイプがありました。しかし、入社してみると全くそういう事はなく、上司やチームメンバーとコミュニケーションをしっかり取れて自由な雰囲気だと感じています。こんな私を受け入れてくださって感謝しています。(笑)
中:風通しは本当にいいですね。うちの会社では上司の事を「課長」や「部長」という風に肩書では呼ばないんです。ほとんど名字にさん付けです。こういったところからも風通しの良さを感じてもらえると思います。 私にいたっては、先輩後輩、上司部下関係なく、みなさんから「クッキー」というあだ名で呼ばれていますし。(笑)
柴:あと、1年目から海外出張をさせていただき、裁量をたくさん与えてもらっているというのもソフトバンクに入社して良かったと思える点です。
ーー仕事の裁量権を与えられる、というのは具体的にはどういう意味でしょうか?
中:「やるべきだ」「やりたい」という発言に対して、上司はどんどん任せてくれます。「わかった、まずはやってみよう。頼んだよ。」と。そこに関しては大きな裁量権があるなと感じますね。 私は裁量権は「与えられる」ものではなく、「自分でつかみ取るもの」と考えています。裁量権があるから何かを考えるのではなく、「こういうことをしたほうがもっと良くなるから、やらせてください。」というスタンスが正しいと思います。
ーー裁量権を実際に取ってこられた経験をお聞かせください。
柴:海外トップクラスの優秀な大学で会社説明会を開くという仕事は自分で発案して実行しました。直接大学にアプローチをして1つの企業が単独で説明会を開催するのは前例が無かったですし、最初は難しいと思っていたので、実現できたことは私にとっても貴重な経験となりました。チャレンジさせてくれた上司には感謝しています。
中:私は就活インターンというインターンの仕組みを作りました。当時は、採用の仕事はしていなかったのですが、とある時に「インターンを始めるべきです。」と発言したんです。 その発言を上司の方々が覚えてくださっていて、実際にインターンをするという案が採用されて、「中久木に任せよう。」という流れになりました。入社3年目の時だったのですが、自分の発言がきっかけで、大きな仕事を任せてもらえたのは、とても良い経験でした。
中:入社前のソフトバンクのイメージは、勝負の世界で「どんどん成長して勝つ」という風土と言いますか、そのためには人を蹴落とすとか、そういった部分を許容しながら進んでいくという組織だと勝手に思っていたんです。今となっては考えられないですね。(笑) チームワークをとても大切にしますし、失敗してもOK、挑戦しつづければ、チャンスもたくさん巡ってきます。どんどんチャレンジしてたくさん失敗したほうが成長できるという風土もあり、良い意味でギャップでしたね。
柴:人のキャラクターの多様性がすごいです。同じ日本人なのですが、社員の性格のバリエーションが豊富で、バックグラウンドがさまざまですね。異色の人たちが集まっている印象です。ですので、「ソフトバンクにはどういう学生が選考に通りますか?」と聞かれても、これといったはっきりとした答えは出せないですね。
ーーとはいえ、社員の方々には共通点があると思うのですが、ソフトバンク社員の方々の持つ共通の強みは何でしょうか?
柴:バイタリティーを持った人が多いです。仕事への思いが強いと言いますか、「もっとこうしたらいいんじゃないか」という飽くなき情熱を持っていますね。
中:あと、「できない」と言う人が少ないですね。できない言い訳より、どうやったらできるか、こうしたらできるんじゃないか、と前向きな議論をする人がとても多いですね。
ーーお二人から見た社長の孫正義さんは、どんな存在なのでしょうか?
柴:「これからもやりましょう!よろしくお願いします!」と、毎年社員に頭を下げていますし、社員をとても大事にしていると実感します。 私はまだ孫さんと直接会議などでお話したことはないですが、厳しくも大らかな方というのはよく耳にしますね。
中:やはり、リーダーシップがある方ですね。決めたことを絶対にやり切るんですよね。いろんな批判も聞こえてきたりしますが、とにかく成果で示すところは本当に尊敬しています。 また、孫さんは「人たらし」だと思います。「人たらし」は悪い言葉ではなくて、どんな人にも誠実に接していますし、周囲の人たちも孫さんのことが大好きなんですよね。好きだから、支えたい、助けたいと思うようになるのだと思います。
柴:みなさん充実した大学生活を送っていられると思うのですが、その4年間で何をしてきたかを堂々と言える学生が少ないと感じています。あっという間に時間だけが過ぎてしまって、就職活動の時期が来て慌ててしまう人が多い印象です。 そして、就職活動に関してネガティブな感情を持っている学生も非常に多いです。不安です、怖いです、と言う就活生とよく会いますが、就職活動は自分の未来を開いていくためのものですし、辛い経験もあるかもしれませんが、自分の弱みを知るいい機会だと捉えることもできると思います。いかに楽しみながら学んで有意義な時間として過ごせるかが重要だと思います。
ーー海外ではどんな学生が多いのでしょうか?
柴:海外の学生は自分にものすごく自信を持っています。特にアメリカだと、その人の雰囲気や発言に圧倒されてしまうんです。幼い頃からインタラクティブな授業を受けているので、質問されたらパッと答えを返す癖がついていますね。考えるよりもまず発言する人が多いです。良いか悪いかは別ですが。(笑)
ーー中久木さんは日本の就活生についてはどう思われますか?
中:私が就活生に伝えたいのは、「他人と比べないで欲しい」ということです。学生時代は、成績が良ければ優秀と言われるじゃないですか。評価される物差しがわかりやすいんです。でも就活って、そういったわかりやすい物差しで判断するものではないと思うんです。なので、どの会社に入ったから勝ち組だとか、どの会社だから負け組だとか、そんなものはないと思っています。自分なりの仕事のやりがいを大事にして欲しいです。内定をもらうために偽る必要は全くないですし、企業も求めていません。自分の価値観に合う会社を探して欲しいと思います。
柴:3年生の終わりから就職活動がスタートするなんてルールは無いですし、1年生の頃から企業を回っても良いと思います。社会の風潮や周りの意見に流されるのではなく、自分の意思で、道を作っていってほしいなと思います。
ーーどんな特徴を持った学生と一緒に働きたいですか?
中:自分の考えや思いをしっかり伝え、かつ行動に移せる人です。考えているだけでは伝わらないので、発信することを恐れないで欲しいですね。また言うだけでなく、実際に行動してほしいですね。
柴:私が一緒に働きたいのは、気が利く人です。ささいなことにも気がついて伝えてくれる人はすごくいいなと思います。 学生の皆さんのエントリーをお待ちしております。