ーー自己紹介をお願いします。
初めまして田口千晶です。京都の堀川高校という進学校出身です。奈良女子大学・文学部卒です。実は私、大学受験に失敗しているんです。高校の友人達の多くは、偏差値の高い大学に進学したので「何だか私だけ置いて行かれちゃったなあ…」と劣等感を常に感じ、辛い時期が続いていました。 そこで「何か新しい事を通して大きく成長したい」と感じて、大学1年の頃、留学を決意し、3年生から1年間イギリスに留学しました。その後、留学から帰ってきて就活をし、フリークアウトに就職することに決めました。今年の9月に大学を卒業した後は上京してインターンに行きつつ、昔からやりたかったモデル活動等、好きな事をしています!
ーーイギリスの国立レスター大学へ留学されていたそうですが、レスターへ留学した理由は何ですか?
上に書いた理由に加えて、レスター大学が奈良女子大学の交換留学先であったこと、また、メディア研究の評価が高かったことです。
ーーメディアに興味を持たれたのはなぜですか?
小学生の時に読んだ本が原点です。それは第二次世界大戦時のナチスによるユダヤ人を迫害について書いた本でした。悲惨な写真が沢山載っており、幼い自分にとっては相当ショッキングな内容でした。そして「なぜ血の通った人間が人間に対してこのような行いが出来るのか」と心底疑問に思ったんです。また、同時期に母親から祖父にはシベリアに獄流されていた過去があること等を聞いて、人間同士が傷つけ合うことを疑問に思う気持ちは大きくなるばかりでした。色んな事を学んでいくうちに、どうやら人間の行動を規定する要因としてメディアが果たす役割はかなり大きいぞという事に気づき始めました。例えば、新聞やラジオにしても「語り方」や「どういうメッセージをどう配置するか」で人への伝わり方は全然違います。そして、その違いは人の気持ちや行動に確実に影響すると思うんです。 メディアについてもっと詳しく学びたいと思って、メディア研究に強いレスター大学に留学しました。
ーー留学で田口さん自身に変化はありましたか?大きな変化がありました。というのも全く予想もつかなかった色んな問題が現地で起こりまして。(笑) 例えば渡航後すぐに神経を切る大ケガをしてしまって、全然英語もわからないのにあれよあれよと手術の承諾書にサインをさせられて1人でオペを受けたりとか。(笑) 挙げたらきりがないんですけど、勉強もしかり、人との出会いもしかり。そういったハードルを全部1人きりで越えていかなければならなかったので、嫌でも一皮向けました。ですので、留学後は小さな事では右往左往しなくなりました。
「わあ〜日本語通じるんだから基本イージーモードじゃん!」みたいな感じです!(笑)
先程話したように、レスターではメディア、特に社会に対して影響力の大きい新聞やテレビなどのマスメディアについて学ぼう!と思っていたんです。しかし渡英してみると、授業で取り扱う内容は「インターネットとソーシャルアイデンティティ」や「インターネットと政治」「インターネットと教育」というようにインターネット一色でした。そうして1年楽しく勉強して「インターネットを利用してできること」の面白さの幅を知りました。そして帰国した直後フリークアウトのインターンシップの募集ページを見ました。そこには「2013年、世界最大の広告会社という椅子に座ったのは、WPPでも電通でもなくGoogleでした。IBM やアクセンチュア、Adobe などのプレイヤーも、そのテクノロジーを武器にマーケティング市場に参入してきています。トッププレイヤーの変化や新規参入は広告業界の大きな構造変化を象徴しています。」と書いてあって、「あ、私がレスターで学んだ価値観にドンピシャだ!」と感じたんです。そうして、この会社は面白そうだと思って選考を受けました。
ーーフリークアウトさんがどのような事業をされているのか簡単に教えて頂きたいです。
フリークアウトは創業してまだ4年程度のベンチャー企業で、DSP(デマンドサイドプラッドフォーム)というインターネット広告の配信の最適化を実現するプロダクトの開発及びソリューション提供をしている会社です。 もともと、インターネット広告は、いわば街にある看板のようなものでした。つまり、誰が見ても同じような広告が配信されていたんです。ですから、例えば40代の男性に化粧品の広告を配信してしまう等、無駄な配信も非常に多かったんです。 しかしテクノロジーの発達によって、広告を見る人の検索履歴や行動履歴からその人の属性や興味関心をリアルタイムに分析し、広告効果の高いであろう広告を配信することが可能となりました。それを担保する仕組みがDSPです。そして実はDSPを日本で初めて事業化したのがフリークアウトです。 これに加えて、グループ会社のM.T.Burn では「スマホ広告がウザい」ことをテクノロジーで解決するネイティブアド領域を手掛けています。またintimate Mergerでは国内最大3億ブラウザ以上のデータを持つDMP(データマネジメントプラットフォーム)を使ったマーケティングソリューションを提供しています。このようにインターネットを利用した広告マーケティングに多様な解を提供できるような会社を目指しているのがフリークアウトです。
ーーフリークアウトさんに就職を決めた理由はなんだったのですか?
「フリークアウトが私が毎日行きたいと思える場所だったこと」です。すごく当たり前のことですけど会社って毎日行く場所じゃないですか?だからそこに居る人とか、オフィスの場所とか、職場の雰囲気とか... そういうものが自分にとって気持ちいいところに就職したいなと思っていました。もちろん他にも理由はいくつもあるんですけど、一言でいえば、こうですね。
キャリアプランと言っていいのかわからないですけど、私は家族との時間を大切に出来る元気なお母さんになりたいと思っています。子供の顔がはやく見たいなあ、なんてことばかり最近は思いますし。(笑) だからなるべく専門性の高い仕事に就いて、長く働ける人になりたいです。そういう点で、最初から色々と任せてもらえて、職務内容の専門性も高いフリークアウトはいいなと思っています。 あと、昔からの夢だったモデルの仕事もやっぱりやりたいです。数ヶ月前に上京して本格的にレッスンに通いはじめたんですけど、やりたい事だからびっくりするくらい楽しいんです。どちらもバランスよく頑張って、ちゃんとお金を稼げる人間になりたいなと思っています。
ーー学生読者の方に何かキャリアについてアドバイスがあればメッセージをお願いします。
私、人にアドバイスするの苦手なんです。なぜなら誰かから「こうしたらいい」という意見をもらっても、結局それは他人からの言葉に過ぎないですし、その人は自分の人生に責任をとってくれないからです。そういう前提で何か言うとすれば、キャリアを考える際には自分にとって何が一番大切か、裏を返せば何ならば犠牲にしてもよいか、つまり優先順位をはっきりさせる作業をするといいと思います。やりたい事がやれればいいのか、人に認められて地位や名誉を手にしたいのか、がっつりお金を稼ぎたいのか、好きな人や家族を幸せにしたいのか...色々とあると思うんですけど。それさえはっきりすれば、自ずと答えは見えてくるのではないでしょうか。そもそも、それが分からなくて困っているという人は、悩んでも現実は変わらないので、とにかく行動をすることをおすすめします。誰かに話を聞くことでもいいし(参考にするのはよいと思います)、何かをはじめてみることでもよいと思います。ポイントは悩みすぎずに行動することです。深く悩んで選んだ道だって、正しいか正しくないかなんてわからないじゃないですか?だから未来のことを悩みすぎて今を犠牲にするのはもったいないと思っています。ちゃんと考えて決めたのならそれだけでOK!後は、皆さんにとって重要なことを大切にしながら今日を楽しんでみてください。
大学一年次よりスタートアップに興味を持ちアプリ開発/ベンチャーでのインターンシップを経験。 現在、学生の視野を広げるco-mediaとインターンシップから築く新しい就職の形InfrAを運営する株式会社Traimmuの代表。 サッカー観戦とジム通いが趣味。