はじめまして。同志社大学法学部政治学科3年の絹川香月(きぬかわ かづき)と申します。
このたび連載を書かせていただけることになり、私らしさを発揮しつつ、留学先での発見をみなさんと共有していけたらと思っています。どうぞよろしくお付き合い下さいませ。
私はドイツのミュンヘン大学にて交換留学プログラムで勉強しています。日本では国際政治を専門に勉強していましたが、こちらでは今、EUの政治とドイツの政治制度の授業を取っています。(といってもドイツ語がまだまだなため、まずは語学を優先的に学んでいます。)
ドイツに興味を持ったのは、元を辿ればクラシック音楽に興味があったため。やはり、たくさんの偉大な音楽家を輩出している国ですからね!私の愛用しているホルンも、ドイツから輸入されてきたものです。(ちなみに今その楽器は私の手元にあるので、久々の「帰省」を楽しんでいるかもしれません。)
紆余曲折を経て現在は政治学科の大学生ですが、その間にドイツという国そのものにも興味を抱くようになりました。「ドイツ語って響きがなんだか面白そうだし、ドイツ人と日本人は国民性が似ていると言われるけれど、実際にはどんな人たちが住んでいるんだろう。」そんなことを考えている間に、潜在意識の中にドイツがしっかり根を張ってしまったようで、気づけば大学で迷いなくドイツ語を勉強し始め、昨年の夏には1か月の留学プログラムに参加し、帰国後「自分はもっと長期間の留学をして、」とこの交換留学プログラムに申し込んだのでした。ちなみに、私の将来の目標につながることも留学中に経験できればと思っているのですが、その話はまたの機会にしますね。ここまで少々固い文章が続きましたが、いよいよ本題です!
これが記念すべき連載第1回目となるわけですが、何を書こうかしばらく迷っていまして…本来、12月にドイツにいる私がまずクリスマスマーケットについてご紹介しないなど言語道断だと思うのですが、あいにく先月末が忙しかったので、みなさんにご紹介できるほど、行けていません。(笑) これについては次回以降、書かせていただきます!でもクリスマスの街中に出ると、本当にきれいなんですよ!気持ちがウキウキします。
今回は「ミュンヘンに来てみたら実際こんな人が住んでいた」シリーズ(勝手に命名)第1弾「英語が得意なドイツ人」と題して、私がこちらに来て面白いなと思ったこのトピックについて書くことにします。
ミュンヘンは大変国際化の進んだ街で、ミュンヘン市労働経済課の発表によれば、なんと人口の24.2%が外国人なのだそうです。ほぼ4人に1人!!
そのためもあってか、みなさん、本当に英語が上手。そして、私のような見るからに外国人という風貌をしていると、ドイツ語で話しかけても返事はなぜか英語で返ってくるということがしばしば起こります。
かたや、ドイツでドイツ語を勉強している学生の私にとって、日常会話は勉強のいいチャンス。ぜひドイツ語で話して欲しいのですが、聞き取れなかったところを一度でも聞き返そうものなら、銀行でもコピーショップでも速攻で「English?」と聞いてきます。(以前は弱気になってしまい「English please.」と言ってしまうこともしばしばでした。最近は少し強気に出られるようになって「Auf Deutsch, bitte.(ドイツ語でお願いします。)」と言い、しつこく聞き返していますが、店員さんは大抵怪訝な顔をしています。)
お店の人に限らず、大学生などの一般人も、英語が得意な人、話したがっている人が多い印象です。
冬学期の最初の授業で、普通の学部生の取るゼミナールに行った際、ドイツ語がまだ勉強中である旨を先生に伝えたところ、教授が「では英語で発表してもいいですよ。学生たちもいい練習になるでしょうから」とおっしゃり、それに対して学生たちはブンブンと顔を縦に振っていて、皆超乗り気であることに大変な衝撃を受けました。
私がこちらで所属しているオーケストラのとある団員さんは、毎週ドイツ語で会話しても次の週の練習ではまた英語で話しかけてきます(まあ、彼が忘れっぽいだけかも知れませんが。)
この「英語問題」は留学当初私にとって最大の懸案事項であり、いつも何かあるたびに色々な人に相談しまくっていたのですが、ドイツ人にこれを話すと口を揃えて言うことがあります。
「何かあると英語を話したがるのは、皆、自分が英語ができることを自慢したいからだよ。」
学生に聞いても、語学学校の先生に聞いても、お孫さんをお持ちの世代のおばあちゃんに聞いてもみなこのように答えてくれました。
この話を聞くまでは、やたらと英語で話したがるドイツ人に嫌悪感さえ抱いていたのですが、最近「それもそれでいいのかも」と思うようになりました。
日本でも昨今、「英語はできて当たり前」のようなことを言う人がいますが、(いち大学生としてそのような風潮を感じますが)、 それは、この「得意と思えるようになって、自慢に思う」というプロセスをすっ飛ばしていっているような気がします。あまり「できることを顕示する」のはよくないと見なされがちな文化ということも影響しているように思いますが、それだと、勉強しても報われない!その面では「できる」ということに誇りを持っているドイツ人は面白いな、少し見習ってみてもいいかなと私の目には映るようになったのでした。
ちなみにドイツ人でも、英語の苦手な人はもちろんいます。例えば私の大学の友達は、英語の苦手な子供の家庭教師をしていますし、「ドイツ人は全員英語が得意」とひとくくりにはできません。ちなみにちなみに私もこのところ英語から離れた生活を送っていて彼らには全く敵わないので、今後押しで負けないように、英語を勉強することも喫緊の課題です!
では今回はこの辺りで筆を置きたいと思います。最後まで読んでいただいてありがとうございました。次回は、「クリスマスマーケットを回りまくる日本人」のステレオタイプを全うすべく、そちらのレポートを書かせていただく予定です!
そちらの方も読んでいただけますと幸いです。
絹川 香月
憧れのドイツ・ミュンヘンにて留学中の大学3年生。学問だけでなく、文化も素晴らしいこの街で、たくさんの貴重な経験をしています。