クウェートで治安よりも不安なモノ【クウェート留学ブログ】

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こんにちは!クウェートより大学生の保道晴奈がお届けします。クウェートと言えば治安が気になりますよね。ただ現地で生活してみて分かったのは「クウェートで最も気をつけるべきことは、(今のところ)情勢不安ではない」(治安は悪くない)ということです。

ガザ攻撃、シリアの内紛やIS(イスラム国)の台頭、最近ではエジプトも多少の情勢不安があるようで、ニュースを見て「中東は危ない」とお思いになっている方も多くいらっしゃるかもしれません。 ですが、それはあくまでも多様な中東の姿の一部であり、クウェートには全く違う現状があります。

では、クウェートでは何に気をつけなければならないのか? その答えが気になる方は、最後までお読みになってくださいね。

 

クウェートの治安は?

保道さん2-5はっきり言って、クウェートの治安はかなり良いです。 2014年11月28日現在、外務省のホームページによるとクウェートは「十分注意してください」が発令されていますが、理由をよく見てみると「ビドゥーン」と呼ばれる無国籍者によるところが大きいようです。

クウェート市中心部は高層ビルが建ち並び、非常に現代的な雰囲気。 保道さん2-1郊外にはショッピングモールがいくつもあり、休日には買い物を楽しむ人が多く見られます。 外に出る時はトートバッグやハンドバッグを持っていても、ひったくりに遭う心配はほぼありませんし、そういった話も聞きません。そういったバッグで出歩いても大丈夫です。


保道さん2-3大学のカフェテリアでも、パソコンやiPadを入れたかばんを席取りのために置いておいても置き引きに遭ったことはありませんし(ただし決しておすすめは出来ません)、あまり警戒せず過ごすことができています。

以前、両替所に大量のドルが入った封筒を起きっぱなしにしてしまったことがありましたが、後からその封筒が丸ごと私の手元に帰ってきたということもありました。

クウェートはこのくらい平和な国です。 おそらく、お金持ちで生活に余裕のあるクウェート人は犯罪を働く気にならないのでしょう。

ISの信奉者がいないわけではないという噂は聞きますが、Kuwait Timesなどといったニュースサイトを見ていると、国内ニュースはせいぜい酒工場が摘発されただとか(お酒関係は結構多いです)、交通事故だとか、そういった内容が多いです。 韓国大使館でイベントが行われた翌日は、そのニュースがトップに来ていました。なんて平和なんだ……

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ただ、治安の悪い地域がないわけではありません。 外国人労働者やビドゥーンがほとんどという地区がいくつかあり、それらの地区は治安が悪いそうです。 クウェート人の友人からも「そういうところにはあまり立ち入らない方がいい」と言われます。 私もそう思いますし、タクシーや車でそういった地区の近くを通ると何やら物々しい雰囲気です。 「外国人労働者の地区は治安が悪い」という風な言い方はあまり好ましく思われませんが、そう言った状況が存在します。 保道さん2-6旅行の際は物見遊山で立ち入らないことをお勧めします。逆に言えば、クウェート人が普通に行くような場所では、海外で気をつけるべき基本的なことに気を配りさえすれば、問題なく暮らせます。 私の生活は大学が中心なので、外国人労働者ばかりの地区に迷い込むこともなく、平和に毎日過ごしています。

 

気をつけるべきことその1——気候

それでは、クウェートで生活する上で何を気をつければ良いかご紹介します。

第一は間違いなく気候です。 とにかく、暑いです。夏場は50度近くまで気温が上がります。 無理です。日本人には本当に無理です。 11月末現在でも、私は半袖か七部丈のシャツにカーディガン、少し冷えるときにはショールを羽織る服装で過ごしています。 本当に、春になってほしくないです。春になったらまた気温が35度とかになって、どんどん暑くなる……

それなのに、室内は冷房ガンガンでとても寒いのです…… クウェート人の先生は「クウェートは、外は夏で、中は冬!」とジョークを飛ばされていましたが、慣れないと本当に死活問題です。 夏場(というか気温35度以上の日)でもカーディガンかジャケットを常に持ち歩かないと、室内では寒さで腹痛を起こします。

また、砂埃にも要注意です。 クウェートは砂漠気候なので、風が強いと砂漠の砂が巻き上げられ、酷いと砂嵐になります。 マスクがあると非常に助かるというレベルの砂埃です。 私は現在進行形で苦しんでいます。

 

気をつけるべきことその2——交通

はっきり言って、クウェートで気をつけるべきことは情勢不安ではなく、交通です。 大事なことなので2回言います。クウェートで危ないのは情勢よりも、交通です。

クウェートの交通事情は最悪。 徹底した車社会で、街中に道路が張り巡らされています。 渋滞がしょっちゅう起こり、午前中と昼過ぎは酷い場所だと全く車が動きません。 だと言うのに、「早くしろ!」と言わんばかりにドライバーたちはクラクションを鳴らします。

運転マナーも酷い物で、車間距離はギリギリに詰め、割り込み・追い抜き・追い越しは当然。 スピードもかなりのもの。一般道では80km/h、高速道路では最大で140km/hを経験しました(命の危機を感じました)。 車に乗る際は必ずシートベルトをするべきと、渡航直後に教わりました。シートベルトをしていないと、いつ後ろから他の車にぶつかられるかわかりません。 ただ、よくシートベルトのないタクシーに乗ることがあります。タクシーはクウェートの中でも特に運転マナーが悪いので、毎回ヒヤヒヤ物です。

(「タクシーとの仁義なき戦い」についてはまた後日!)

また、クウェートに歩道はないものと思った方が良いです。 寮の向かいにあるスーパーへ行くために車のビュンビュン通る道路を2つか3つほど横切ることがありますが、毎回ヒヤヒヤしながら渡っています。 大学の周囲など、一部歩道のあるところもありますが、きちんと整備されておらずタイルが剥がれていたりボコボコだったりするので、転倒に要注意です。

保道さん2-4こんな状況なので、歩いていても車に乗っていても常に事故のリスクがつきまといます。 これが「クウェートは情勢よりも交通の方が危ない」と断言できる所以です。 ここまで書くのを忘れていましたが、地下鉄や電車の類いはありません。クウェート国内の公共交通機関はバスとタクシーのみです。

こういった交通事情のせいか、クウェートの人には「歩く」という発想がないようです。 確かに、街で歩いていたらインド人に絡まれるし、冬以外の時期は外を歩くと暑いし、歩かない方がいいとは思います。 そういった事情もあり、少しの距離の移動でも寮で頼めばバスを出してもらえます(笑) ありがたい限りですが、なんだかなぁ。

保道さん2-2

気をつけるべきこと番外編 —— 男

クウェートの男性はいわゆる「肉食系」だという話を友人から聞きました。 クウェート人女性も「クウェートの男はたちが悪い」というようなことを言っていました。 あと、エジプト滞在経験のある方から「エジプト人が『湾岸の男は変態だから気をつけろ』って言ってたよ(笑)」と忠告されたことも…… 実際、街を歩いているとよく話しかけられます。それも、向こうが車に乗った状態で、歩いている私たちに直接話しかけてくると言う。 日本人の物珍しさもあるかもしれませんが、決してよい気持ちではありません。

またある日のこと。 夕方に寮でのんびりしていたら、急に知らない番号から電話がかかってきました。 興味本位で出てみると男性の声で、クウェート方言でいきなり話しかけられて何を言っているかさっぱりわからなかったので、「英語かフスハー(アラビア語の書き言葉)で話してくれ」と言ってみると、アラビア語訛りの英語で「英語がいいの?マジか。君、何人?なんて名前?」などと個人的な質問を急に浴びせかけてくる。 これはこういうタイプのナンパか?と思い、なるべく質問に答えず私は「用事あるからあとでかけて〜」と言って切り、その場で着信拒否設定をしました(笑)

あとで他の留学生の友達にこの話をしたら、やはりこれはナンパだということでした。 若い男の子が無作為の番号に電話をかけてナンパをするというのはよくあるのだそうです。 友達(ヨーロッパ人男子)はこの手の電話をもう4、5回受けたとか。 なんてタチが悪いんだ……!

そういったクウェート人男性を上手に避けるため、私はこれ見よがしにダミーの婚約指輪をしています。 どの程度効果があるのかわかりませんが、これで「あの人には婚約者がいる」という風に認識してもらえればいいのですが。 ついでに、既婚者のふりができれば性犯罪防止にもなるようです。特に中東では未婚の外国人女性が軽く見られる傾向があるそうなので、ダミーの婚約指輪は旅行の際にも役に立つのではないでしょうか。

とにかく、クウェートにいらっしゃる皆さんは気候、交通、男の3つに気をつけましょう。

この記事を書いた学生ライター

Yasumichi Haruna
Yasumichi Haruna
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クウェート政府奨学金を得てクウェートに留学中&アラビア語の修行中。「伝える人」を目指して、アラビア語と英語で「日本」を伝えたり、日本語で文章を書いてクウェートのことを伝えたりする日々。

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