それ自体が「本当か?」と思っています。日本人の多くが韓国人を良く思っていなかったり、逆に韓国人が日本人を良く思っていなかったりという事実が果たして存在するのかなと疑問を持っています。少なくとも僕は日本のことが大好きですし、韓国も大好きです。 「国とは人だ」と考えている僕にとって、人同士が忌み嫌いあう、憎しみあうということを考えない僕は、日本と韓国の仲が悪いというのは本当なのかなと感じています。政治の面での日韓関係は問題があるかもしれませんが、人対人の民間での関係はそれほど問題ではないと思っています。日本への韓国人観光客が多いことや、韓国人が留学生が多いことからも分かると思います。 ただ、そう思う一方で、どうしようもなくお互いが譲れない面があると感じることももちろんあります。
ーーその「どうしようもなくお互いが譲れない面」はどこにあると思われていますか?
たくさんありますね。慰安婦問題や領土問題ももちろんそうですけど、靖国問題や戦後賠償問題や在日韓国人の権利問題など様々ですね。結局は感情的、歴史的な問題が根深いと思います。 これを解決するには、大人にアプローチを取っても厳しいと思います。僕らのような若者が40代や50代のような、僕らの倍以上を生きてきた人たちに言っても、彼らの考えを動かすことはできないと思います。でも今の若い世代に働きかけて、この先の20年、30年を変えることはできると思っています。次の世代がこれからの20年、30年の未来を創っていくという意味で非常に重要です。実は、以前と現在とで大きな前提条件がひとつ変化しました。日韓で共通の言語で話せるようになったことです。今の日韓の若者は、英語を話す層が増えているので、直接コミュニケーションが取れる機会が多くなっていると感じています。加えてSNSの普及も大きいですね。若者たちが良くも悪くもSNSを多用し、ボーダーレス化が進んでいます。ですので、本当に僕達がしっかりと動けば、しっかりと一次情報を手にするように働きかければ、日本人と韓国人の関係のこれからの20年は明るいと考えています。
ーー関係を修復するためにはどういったアプローチで解決するべきだと思われますか?
僕は未来思考にこだわります。これは、「過去を忘れろ」ということではありません。「過去は絶対に忘れないでください。ですが、未来には良き財産を遺してください」と訴えかけます。そして「どうか次代を考えてください。いがみ合い、暗い過去に囚われるのは僕達で終わりにしよう」と訴えます。そして、これからのアジアに平和をもたらすためには、日本という国が自分の役割をしっかりと果たすことが本当に重要になります。日本には「どうか、どっしりと構えてください」と伝えたいです。
選挙の投票率を上げることはivoteのミッションであって、僕のゴールではないんです。ivoteでの活動には、もっと大きな続きがあるんです。 僕の目標は、真の意味で日本に民主主義を実現させることですね。日本の未来を、普遍(不変)的な価値を嬉々として語る若者を増やしたいという意味です。日本の政治にもっと若者を投入して、若者の頭脳で日本の未来を変えていきたいです。平均年齢60歳の人たちが政治の中心にいる意味も分からないですし、未来の責任を取れない世代に任せていてはダメだと感じています。 そして更なる僕の夢は世界平和に日本が貢献することです。政治と思想で世界のトップを走れるようにしていきます。それを実現できるだけのポテンシャルと人財が日本にはあると確信しています。
ーーivote関西や復興支援、ビジネスコンテストなど、徐さんは様々な活動をされていると思うのですが、どういった行動の軸を持たれているのですか?
今その瞬間にやりたいことをやっているという感覚ですね。見ておきたい世界がたくさんあるんです。学生生活はモラトリアムといいますか、猶予期間だと思うので、見れる世界を全部見てから進路を選択したいと考えていました。狭い範囲の中で、選択したくないんです。 例えば高校生の時に設定した夢って、そのときまで見てきた世界で考えた非常に狭い範囲での夢だと思うんですよね。大学に入ると急に時間ができ、行動範囲が広がり、やろうと思えば飛行機に乗って世界を見に行けますよね。視野が一気に地球規模になるんです。だから軸がブレるのはいいことだと思っています。「ブレるな」とよく言われますが、ブレることのできる幅が広がったと考えています。だから僕はブレまくっています(笑)
ーーブレるというのは、具体的にどういう意味でしょうか?
ビビっときたもの、面白そうと思ったものにまずは挑戦してみる、ということですね。色んな世界を見ることで、興味も出てくると思います。 僕も世界銀行のスタッフをさせてもらったときは世界銀行で働きたいと思いましたし、新経済サミットに参加したときはビジネスの世界も面白いなと思いました。国連で働きたいと思った時期もありましたし、アメリカのロースクールで仕事したいと思う時もありました。自分がフットワークが軽いとは思っていなくて、興味のないことには関わらないし、興味のあることには触れてみる、ということを実践しているだけなんです。その様々な活動の中で、やっぱり自分は法律や憲法や政治が好きだなと改めて気付きました。以前は「幼い時から弁護士になりたいと思っていたから」という理由で漠然と弁護士を目指していました。でも大学に入って色んな世界を見て、その結果「弁護士になりたい」という思いが今はあるので、より一層意志が強くなっていますし、ブレて良かったと思っています。
大学一年次よりスタートアップに興味を持ちアプリ開発/ベンチャーでのインターンシップを経験。 現在、学生の視野を広げるco-mediaとインターンシップから築く新しい就職の形InfrAを運営する株式会社Traimmuの代表。 サッカー観戦とジム通いが趣味。