名前:江澤 拓宣(えざわ ひろのぶ)
所属:早稲田大学政治経済学部一年生
Woolop株式会社でCEOを務めている江澤 拓宣と申します。
早稲田大学の中にインキュベーションセンターという起業家を支援する施設があるのですが、そちらの方で会社を経営させて頂いています。
現在運営しているのは、大学授業の口コミ評価サイト
『正直なシラバス』というサービスです。来月の11月には『collegino』(カレッジーノ)という大学生向けメディアサイトもリリースする予定です。
最近、ソフトバンクアカデミアに合格しました。
アメリカに行って分かった事
ーー高校時代にアメリカに行かれていると思うのですが、なぜ行かれたのですか?
経済学が好きなので、高校の時に経済の授業を取っていました。ただ、学年が上がるにつれ授業が大学受験に特化した授業になってしまって経済の授業が無くなってしまいました。
そんな時、大学の経済の授業を履修させてくれる高校がアメリカにあるという話を聞いたんです。これをAPクラスというのですが、APクラスを提供している学校をいくつか探しました。そこなら自分は思いっきり経済の勉強ができると思ったんです。自分のしたい勉強ができる環境に身を置くためにアメリカに行きました。
ーーアメリカの高校を卒業したあと日本に戻ってこられたのはなぜだったのですか?
アメリカにいる時に周りの友達に「将来何になりたい?」と聞いてみたんです。ほとんどの友達が自分はハーバードのような世に高学歴と言われる大学に入って、大企業に入りたいって言うんですよね。日本ではそのように考えている方も多いと思いますし、僕も以前はそうでした。アメリカって、自由な国で皆が自分の好きな事をして暮らしているようなイメージだと思うんです。でも実際に僕が抱いていた印象と現実は全く違っていたんです。国の違いに関係なく、結局は人なんだなと思いました。そこで自分が何をしたいかを考えた時にお金ではなく、何か誰かの為になるものを0から作りたいと思うようになったんです。そう考えると、起業しかないと思いました。
アメリカで起業しようとすると、学生ビザしか持っていなかった僕には当時は厳しかったんです。起業なんて、どこでしてもいい時代なので、「じゃあ日本に戻ってこよう」と決断しました。
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起業仲間集め
ーー起業するとなるとメンバーを集めるのが難しいと思うのですが、どのようにしてメンバーを集めたのか教えてください。
![10744620_850731334966502_1292046852_n[1]](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/co-media-v2/2014/10/10744620_850731334966502_1292046852_n1.jpg)
CEO(江澤拓宣、最高経営責任者)の僕を含め、CTO(西武史、最高技術責任者)、CIO(河村進太郎、最高情報責任者)、CCO(鈴木啓文、チーフクリエイティブオフィサー)、という4人のメンバーでやっています。
最初は現在CIOの河村に声をかけたんです。
彼とは海陽学園の中学1年からの知り合いだったこともあり、最初に声をかけました。
彼も起業したいということだったので、僕がアメリカ留学から帰ってきたタイミングで一緒に始めようということになったんです。二つ返事でOKでしたね(笑)「起業?うん、いいよ。」という感じですね(笑)ちなみに、彼はその時東京大学に向けて受験勉強まっただ中でした(笑)CTOの西は福岡でエンジニアをしています。河村と起業しようとなった時に、まずは資金の前に、良い人材を集められるかが問題だなという話になったんです。
実際にアイデアがあっても、技術力がなかったら無理なので、人材を探しに全国を飛び回っていたんです。ある時、サイバーエージェントの藤田晋さんの親睦会が福岡であって、それに参加しました。その会にすごく面白いエンジニアがいて、会社を辞めてフリーランスになろうか悩んでいました。そのエンジニアが西です。
僕たちの会社の理念として、まず金銭目的ではなく、サービスを利用するユーザーの方達が心から喜んでくれるサービスを作ろうというものがあります。その理念に西は賛同したので、”じゃあ一緒にやろう”となって、後日CTOに就任してもらいました。CCOの鈴木は、現在僕が住んでいる早稲田大学の国際学生寮で出会いました。彼のアイデア力は、周りに追随を許さない程抜きんでているんです。サービス制作時は、彼の独創的且つ革新的な創造力に本当に助けられています。
完全なる理念共有で4人が集った感じです。
ーーどのような社風にしようと考えられていますか?
オフィスにスーツで行かなきゃいけないような会社には絶対したくないと思っています。
よく会社って顧客満足度を最大限にしようとか言うじゃないですか。そのためには社員は自分の家族との時間を犠牲にするみたいな。でも「ちょっと待って」と言いたいんです。今のご時世、インターネットでどこからでもアクセスできますよね。果たして毎日満員電車で通勤しないといけないのかと疑問を持っていますそんな環境ではクリエイティブなアイデアは生まれないと考えています。もし旅行に行きたいのであれば、自由に旅行に行けばいいと思いますし、その旅行先で仕事をすればいいと思います。
オフィスに関してはじげんさんのような、クリエイティブなものにしたいですね。
正直なシラバスとは
ーー『正直なシラバス』を作られたキッカケについて教えてください。
まずは身の回りの問題から一つずつ解決したいという思いがキッカケです。
学生という立場から新たなサービスを考えていたときに、授業選択をしている周りの友達を見ると非常に苦労していたんです。こんなにスマホが普及している時代なのに、未だに先生からの一方通行の情報しかない中で授業を選んでいる。
だったらもっとネットの世界で、食べログで店を探すみたいに授業をワクワク選択できたら、教授にも大学にも学生にとっても良いものだと思いました。まさにWin-Win-Winの関係だと思ってリリースしました。
ーー東京から新潟まで自転車で行かれた様子をツイッターで確認しましたが、目的は何だったのですか?
せっかくの学生生活を送っているので、何かユーモアのあることをしたかったんです。
例えば大企業が「正直なシラバスをリリースしました」というと、どうしてもお金の匂いがしてしまうんです。これどうやって利益を出しているんだろうみたいな。
ただ、僕たちは『正直なシラバス』でマネタイズはほとんど考えていないんです。そうした時に、もっとユーザーに親近感を感じてもらいたいと思ったんです。同じ学生が作っていて、お金目的ではなくて純粋に身の回りの課題を解決したいという事を伝えたかったんです。
そこでメンバーと話して、「自転車で『正直なシラバス』の宣伝しながら新潟に行こう」となりました(笑)メンバーの一人が新潟出身で、長岡花火大会が全国有数の花火大会だということを聞きました。そうなると見に行くしかしかないですよね(笑)300kmの道のりを3日かけてクロスバイクで行きました。後日沢山の方に「あ、新潟行ってた人だ」って言って頂きましたね(笑)もちろん新潟に向かう過程でメンバーとの交流を深め、より仲良くなれれば、とも考えていました。
日本でもシリコンバレーは作れる
ーーこの夏シリコンバレーのGoogle本社に行かれたそうですが、いかがでしたか?
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直感的に思ったのは、シリコンバレーの環境自体がすごいというよりは、シリコンバレーに集ってくる人材が優秀だなと感じました。その集積地の重心にいる企業はどこかと考えるとやはり圧倒的にGoogleでした。ただそれと同時に、これは別にシリコンバレーじゃなくてもできるとも感じました。あのような場所が日本にあればと思いましたし、可能だとも思いました。今なら福岡が濃厚だと考えています。大企業がそこに集まれば、ITの集積地を作れると確信しています。
日本でいうとトヨタもそうですよね。トヨタを中心にして企業がたくさん集ってきてますよね。だから日本にもITの集積地を作れると確信しています。日本のITビジネス界には、まず東証に上場してシリコンバレーに行くという風潮があると思っています。でも、僕としては日本で会社を作って、自分の会社の周りに多くの会社を呼び込んで、むしろアメリカのシリコンバレーから日本に来てもらいたいです。
例えば、インドや欧米の企業が「次にどこに進出しよう」となったときに、日本を選択肢の一つとなるようにしたいですね。
あと、人材の能力値だけでいうと日本は全然負けていない印象ですね。日本のエンジニアの能力ってとても高いですよね。じゃあ何が違うかというとメンタルの部分だと思いますね。やはりシリコンバレーではエンジニアが一番偉いという風潮があるんですよね。日本だと、エンジニアは「言われたことを忠実にやる人」というイメージですが、アメリカのエンジニアは自分たちが「創造者だ」と思っているんです。自信に溢れているんですよね。自由に開発できる環境が整っていると思いますね。
目指すは最年少上場
ーー最後に江澤さんの夢を教えて下さい。
最年少上場です。現役大学生経営者としての上場を目指したいです。
リブセンスの村上さんをとても尊敬していますし、目指せるならさらなる高みを目指したいです。大学生でもこんな事ができる環境になっているんだということを証明したいと思っています。日本の混沌とした雰囲気を、Woolopの熱意で打ち壊したいと思っています。
この記事を書いた学生ライター
Keiji Takahashi
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大学一年次よりスタートアップに興味を持ちアプリ開発/ベンチャーでのインターンシップを経験。
現在、学生の視野を広げるco-mediaとインターンシップから築く新しい就職の形InfrAを運営する株式会社Traimmuの代表。
サッカー観戦とジム通いが趣味。