20代で切り干し野菜ブランドを売却した、小島怜さんのキャリア観

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20代で切り干し野菜ブランドを売却した、小島怜さんのキャリア観

本記事は、連載「U25 起業×M&Aのキャリアデザイン」の第一弾として制作されました。本連載はソーシャルM&A®️ファームGOZENと学生向けメディアco-mediaの共同企画です。

近年、学生や20代による起業が増えてきています。一見華やかなイメージがある起業ですが、ゴールが見えない状態で事業を続けると、ハードな日々のなかで創業当初に抱いていたビジョンが徐々になおざりになり、事業の継続や拡大ばかりに目が向いてしまうことも。

起業家が自分らしくキャリアを積み重ねていくためには、ゴールを明確にしたうえで事業をしていくことも1つの手です。いくつかある出口戦略のなかで、最近はM&A(企業の合併・買収)が注目されています。

M&Aによるキャリア構築については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

https://www.co-media.jp/article/25244

本連載「U_25 起業×M&Aのキャリアデザイン」 では、25歳までに行ったM&Aをきっかけにキャリアを広げた20代の起業家にインタビューをしていきます。

(聞き手:GOZEN代表 布田尚大)


第1弾としてお話を伺ったのは、京野菜を使った切り干し野菜のブランド『OYAOYA』を運営する、株式会社Agriture 取締役CEO・小島 怜(こじま・れい)さん。

昨年、創業110年を超える老舗メーカー貝印株式会社とのM&Aを経験したあとも、引き続きAgritureの経営を担う小島さんに、今までのキャリアやM&Aによって生じた変化について伺いました。


今回インタビューさせていただいた方

小島怜(株式会社Agriture 取締役CEO)

1998年、京都生まれ。大学在学中に、愛媛県を事例に有機栽培みかん農家が地域に与える影響を研究。在学中である2021年に規格外野菜を使った乾燥野菜ブランドOYAOYAを立ち上げる。その後、株式会社Agritureを創業し、新たに京都産「二十世紀」梨のドライフルーツ【梨からの手紙】を開始。

Instagram X OYAOYA公式サイト

インタビュアー

布田尚大(ソーシャルM&A®️ファームGOZEN代表)

1983年東京生まれ。一橋大学 社会学部/同大学院 社会学研究科修士課程 修了。​​ソーシャルM&A®️ファームGOZENの代表。D2Cのランジェリーブランドfeastを経営しM&Aにて売却した経験をもとに、ソーシャルM&Aに関する事業を運営している。

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ソーシャルM&A®️ファームGOZENとは?

M&Aによる経済成長とソーシャルグッドの両立、クリエイターの豊かなライフキャリアを実現するソーシャルM&A®️ファーム。M&Aにまつわる多様なサービスデザインを創出します。

GOZEN公式サイト


エンジニアから京野菜の販売へ

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ー改めて、現在に至るまでの小島さんのキャリアを教えていただけますか。

小島さん:現在は株式会社Agritureという、京都産の規格外野菜を使った切り干し野菜を販売する会社を経営しています。昨年の5月、M&Aによって貝印株式会社にグループ入りしました。ちなみに初めて起業したのは、大学4年のときに立ち上げたWEB受託の会社です。


ー当初は、学生起業の王道としてもよく挙げられるWEB受託をされていたんですね。なぜそこから京野菜の事業に方向転換を?

小島さん:大学2年のときに独学でプログラミングを学び、エンジニアとしてのアルバイトをするなかで、自然と会社員以外のキャリアを考え始めました。エンジニアとして働いていたので、ITに詳しい人が周りに沢山いたんです。その人たちと何か一緒にできないかなと考えて、大学在学中にIT関連の受託会社を立ち上げました。

しかし、自分が絶望的にプログラミングが向いていなかったこともあり、大学卒業後もWEB受託を続けたいのかと言われるとそうでは無かったんです。

一方、大学で農業地理学を学ぶなかで、農作物のアップサイクルや加工品の販売に対する興味が徐々に膨らんでいきました。農業の知識とITのバックグラウンドを掛け合わせることで、切り干し野菜の事業が始まりました。


ー自分の不得意だった経験も糧にして、起業されたんですね。

なんとなく社会的に「農業は儲からない」といったイメージがありますが、農業で事業を始めた理由はありますか?

小島さん:大学時代に1人暮らしをしていたとき、野菜自体は好きなのに、下処理が面倒だったり、1人で沢山の種類を食べ切るのが難しいと感じたのがきっかけです。最初は、野菜の加工品を作ってECで売れば儲かるんじゃないかと安直に考えていました。また京都で生まれ育ったこともあり、ブランド野菜として知られる京野菜に的を絞ることにしました。

事業を進めるなかで、D2Cやサステナブルといったトレンドが生まれ、それが自然と事業の追い風になりました。


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ー今までのキャリアを振り返って、ご自身の強みや他人と比べて特殊だと感じる部分はありますか。

小島さん:頻繁に海外に行くこともあって、人からはよく行動力があると言われますね。「思い立ったらすぐ行動」みたいな。

今までも、旅行先で現地の人と交流するなかで思いついたことを実際に形にしたり、珍しいものを掘り下げることでポテンシャルの高い商材を見つけたりしてきました。ゼロから何かを生み出すというよりは、すでに世の中にあるけど見せ方1つで価値が変わるプロダクトを発掘するほうが得意かもしれません。


ー1つひとつの経験から、自然とご自身の好きなことや得意なことを抽出されているんだなと感じました。ちなみに、最近学生の皆さんがよく使っている自己分析ツールは使ったことがありますか。

小島さん:大学3年のとき、人材会社が行っているような自己分析のテストをいくつか受けて、自分のタイプは理解していたつもりです。ちなみに今流行りのMBTI診断は、好奇心旺盛で知識欲が強いと言われる「ISTP(巨匠)」という結果が出ました。


M&A後も経営に携わる中での、暮らしや仕事の変化

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ー小島さんは、去年5月に株式会社Agritureを貝印株式会社に事業売却し、グループインされていますよね。よく海外にも行かれているイメージですが、M&A前後で暮らしは変わりましたか。

小島さん:事業売却する前から海外を転々としながら暮らしていて、最近では、インド、ベトナム、サウジアラビア、メキシコなどに行きました。学生時代は比較的安価で行ける東南アジアに行くことが多かったのですが、今は経済的にも時間的にも余裕が生まれ、中東や欧米など訪れる国が広がりました。


ー海外にいて、経営に支障はないのでしょうか。

小島さん:ひと月の間に東京や海外を行き来しているので、東京でしかできない仕事は、帰国した際にまとめて済ませるようにしています。商談や打ち合わせは基本的にリモートで行うので、基本的にはどこの国でもPC1台で仕事ができていますね。


ーAgritureを事業譲渡したあと、経営への関わり方に変化はありましたか?

小島さん:M&A後も取締役CEOというポジションをいただいているため、事業に関わる意思決定は自由にできています。私が貝印側に提案すれば、一緒に働きたい人を外部から連れてくることもできますし、事業内容の変更もできると思います。

親会社の貝印には、必要なときにアドバイスをいただいたり法務面などのサポートをしていただいたりしています。


ー今も変わらず、自由度の高い経営ができているんですね。他に何か良い変化はありましたか?

小島さん:貝印にグループ入りしたことで、法人顧客が格段に増えましたね。

料亭や高級ホテルといった、今まで全く繋がりがなかった業種や大手企業と取引ができるようになりました。

去年までは広告費をかけて個人向けの販売に注力していたのですが、収益性に課題があった面もありました。そんな中で貝印の力もお借りし、徐々に法人向けに事業転換をしてきました。

その結果、利益や収益が安定してきたので、法人顧客が増えたことはM&Aして良かったと思うことの1つです。


ーM&Aしてキャリアを広げた小島さんですが、今後の展望はありますか。

小島さん:いずれは再び起業したり、組織に属したりすることも考えています。

Agritureに関してでいうと、今も少しずつ海外展開を進めているのですが、ドライフルーツの取り扱いを始めるなかで欧米圏にポテンシャルの高さを感じているので、今後は欧米圏の販売も視野に入れています。

その他にも、初心に立ち返って規格外野菜の価値を高めるような発信や、親会社の技術も借りながらニッチな野菜の加工方法の追求もしていきたいです。


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学生起業とM&Aの魅力とは

ー最後に、起業に興味をもつ学生に向けて、学生のうちから起業することとM&Aの魅力を教えてください

小島さん:まず起業をしたことで、学生時代にビジネス全般を把握できたのは良かったと感じています。自分の向き不向きについても、先ほど話した自己分析ツールを使うのもいいですが、実際に起業して手を動かしてみて分かることの方がたくさんありました。

起業後のキャリアとしてスモールビジネスをやり続ける方法もあると思いますが、スモールビジネスだと事業が安定する分、扱うお金にも限界が見えてきます。それによって、自分の成長も止まってしまうのではないかと不安を感じることもありました。

私の場合は大企業にグループインしたことで、自分だけでやっていたときと比べて格段に大規模なお金を動かす機会が増えました。M&Aをすることで、自分だけだとなかなかできない経験ができるようになり、そういった経験が今後キャリアを積み重ねるうえで必ず活きてくると感じています。


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おわりに

今回は学生起業から始め、最近ではM&Aによりキャリアの可能性を広げた小島さんにお話を伺いました。起業をする中で自分の強みや弱みを認識し、全ての経験を糧にしてキャリアを積み重ねている姿が印象的でした。

M&A後の起業家たちのキャリアは、小島さんのように経営に携わり続ける人、別の事業に注力する人、起業家とは全く別のキャリアを歩み始める人など様々です。本連載を通じて、起業後のキャリアイメージを膨らませていただけると幸いです。

今回小島さんの事業売却を支援した、ソーシャルM&Aファーム「GOZEN」は、M&Aに関するご相談を受け付けております。


M&Aに関するご相談はこちら


売却をご検討されている起業家の方も、M&Aによる事業取得をご検討されている企業の方も上記サイトよりお気軽にお問い合わせください。

記事作成:野間香南子


公開日:2024-06-04

この記事を書いた学生ライター

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