“現役高校生”起業家前田悠翔が目指す「不登校の生徒を取り残さない」新たなコミュニティの実現

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はじめに

こんにちは。co-mediaライターのHanaです。

今回は私と同じ現在高校3年生で、不登校の生徒たちを支援する団体「VRED」を立ち上げた前田悠翔さんに、不登校の生徒たちが教育現場やコミュニティに復帰するために前田さんが行っている活動についてインタビュー取材をさせていただきました。

高校生という若さでありながらさまざまな社会活動を行っている前田さんからは多くの刺激をもらいました。年々増え続ける不登校者数は社会問題となっています。教育現場に従事する方はもちろん、社会問題に関心のある学生の方にもぜひ読んで欲しい記事となっています。


今回インタビューさせていただいた方

前田悠翔(一般社団法人VRED代表理事)

2006年埼玉県生まれ、東京のバカロレア教育を取得した小学校及び中高一貫校で学ぶ。

自身の12年間無遅刻無欠席無早退という学校への愛から、実質的不登校の子供等を少しでも減らしたい!と思い、学生団体、一般社団法人を設立。


実質的不登校とは?

学校へ登校していてもずっと寝ていたり、ほとんどを保健室で過ごしたりしている生徒のこと。

勉強は大人になってからでも体験することができますが、学校では学生の間でのみ体験することのできる青春がある。

青春を謳歌する学生を増やして行きたいという思いから生まれたVRED内での定義。

VRED公式Instagram


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団体「VRED」とは?

前田さんが代表を務めている団体「VRED」の活動目的、活動内容について教えてください。

前田悠翔(以下、前田):VREDでは不登校やHSP、そして実質的不登校(学校に通っていても楽しさを感じられなかったりずっと寝ていたりするような生徒のことをVRED内で定義した名称)の生徒全員にコミュニティに属することの楽しさを少しでも知ってもらうことを目標に、大きく分けて2つの軸で活動しています。

現在僕たちはコミュニティ内での自分自身のアイデンティティについての理解促進を目的とするカードゲーム「Animal Empathy」の開発に取り組んでいます。このゲームでは参加者がカードに描かれている様々な動物の特徴に沿った行動を取り、それについてグループ内で話し合ってそれぞれの参加者が演じている動物は何かを当てることで参加者が自分のアイデンティティを見つけることに繋がります。カードゲームの開発のほかにも、カードゲームの実践と知名度を上げるために自分の母校で出前授業をしました。

また、VREDでは家から出ることが難しい不登校の生徒に対してもVRで学校教育を行える環境を作る活動もしています。本当は学校に行きたいのに一度不登校になってしまったから行けない、クラスなどのコミュニティ復帰は不安があるといった生徒に、VRで学校の教室を再現した空間(VRED)を提供したいと考えています。VRによって不登校の生徒が教育現場に復帰しにくい現状の解消を図るために試行錯誤中です。

不登校の生徒が通信制の学校に通うケースは多いですが、通信制にはコミュニティに所属することが難しいというデメリットがあります。VREDでは、VRの立体空間で空中に描いたものをデータ化し掴んだり動かしたりできるといった、従来の通信制ではできないような新しい授業形態の実現を目指しています。「未来の教育が体験できるブース」という名目でオフラインイベントも行いました。しかし、VRはまだ世間に普及しているとは言えないのでこれから活動を本格化していく予定です。

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幼馴染をきっかけに

VREDを立ち上げるに至った動機を教えてください。

前田:僕は小学1年生から高校3年生の今までずっと無遅刻無欠席で、学校という空間がとても好きなんです。今はここまできたら最後まで無遅刻無欠席を貫き通すという意地みたいな感覚もありますけどね(笑)とりあえず学校が好きで毎日通っていたので、不登校の人の気持ちを考える機会はありませんでした。

しかし、中学校に入ると突然幼馴染が不登校になってしまったんです。彼が不登校になってしまったのは、単純に学校が合わないという理由が大きかったようです。今までの自分は、人それぞれ学校が合う合わないがあることを知らなかったので、新しい発見でした。幼馴染という自分と近しい人への理解を深めたいという気持ちが、学校に行きたくない・行けないという自分とは真逆の人の立場を考えることの始まりでした。

そこで初めてHSPという言葉を知り、HSPの人への教育支援を行う団体「HsP'eers」に入りました。活動していく中で、HSPだけでなく不登校や実質的不登校の人にも学校やコミュニティの場を楽しんでもらえるようにアプローチしたいという思いが芽生えたことで、VREDを立ち上げるに至りました。

僕は、若い時にコミュニティのなかで人と関わることで学生ならではの青春を多くの人に味わってもらいたいと考えています。学問に関しては人それぞれに合った形で取り組むのが良いと思いますが、学生のときしか経験できない青春は将来のかけがえのない思い出になると思います。したがって、不登校の人が、同年代と関わるコミュニティを失ってしまう現状はとてももったいないことだと言えます。そこで不登校の人にVRによる新しいコミュニティの形を提供することで、コミュニティに復帰出来る環境を作りたいと思いました。

前田さんが活動する上でHSPや不登校である人々に寄り添うために意識していることはありますか?また、HSPや不登校である人の周りはどのように関わっていくべきだと思いますか?

前田:「気をつけないことに気をつける」をモットーにしています。気にかけないというわけではなく、あくまで自然に接することが大切だと思います。HSPや不登校の人は様々な苦悩があるので、気にかけすぎて圧をかけてしまったり嫌な思いをさせてしまったら意味がないですよね。辛そうな様子を感じ取った時に寄り添ったり、夢があるならそれを全力で応援したりといった関わりで十分だと思います。

自分の周りにそういった人がいるなら、変に気をつかったりするのではなく自分のコミュニティに率先して入れてあげて欲しいです。同じコミュニティにいることで相手への理解が深まったり、寛容になったりすると思います。

今後、HSPや不登校の人を受け入れる環境が増えるといいなと思っています。例えばスポーツなどでは特に対人関係が大きく関わってくるので、スポーツで一緒のチームになってみたりするといいのではないでしょうか。

個人のアイデンティティはどのように形成されていくものだと思いますか?また、どのように自分のアイデンティティを見つけることが出来るようになると思いますか?

前田:個人のアイデンティティは学校生活の中で自分の居場所を確立することで見つかるものだと思います。僕自身は幼少期から、人前に立つことやリーダーとしてまとめることが好きでした。グループ活動の時は周りから「リーダーやって!」と言われる機会もすごく多かったです。そういった経験を通して、だんだん自分は人をまとめる立場につくことで周りから必要とされることにやりがいを感じるようになり、自分の居場所が見つかっていきました。そこで、自分のアイデンティティはここにあるんだとわかりましたね。

他にも共通の趣味がある友達がいるだとか、スポーツが得意だとか、そういったちょっとしたことから自分の居場所ができてくると思います。好きなこと、得意なことを追求しているうちにアイデンティティも見つかっていくのではないでしょうか。また、VREDの提供するカードゲームを通じてアイデンティティを見つけるきっかけを提供したいと思っています。

学校で自分の居場所がないと感じてしまっても焦る必要はないです。信頼できる先生を見つけるとか、好きなことに没頭してみるとか、学校外で友達を作るとかでいいんです。学校内でも、自分の安心できる場所を作ることが1番重要だと思いますね。人それぞれの形で、自分が自分であっていいという気持ちになれる場所を見つけることが大切です。


高校生兼代表理事という立場

普段活動を行う上での前田さんの信念はありますか?

前田:とにかく自分もメンバーも全員含めて楽しく活動することですね!メンバーと積極的にコミュニケーションを取ることで、メンバーの気持ちや状態を常に把握しておけるようにしています。メンバーで定期的に出かけたりすることもあって、そういった機会で団体全体で仲が深まるように心がけています。メンバーから「この団体に入ってよかった」と言ってもらえると、すごく嬉しいと同時に安心します。そしてメンバー全員から慕ってもらえる代表であり続けようという思いもあります。

メンバーが代表である僕のことを厳しいとか相談しづらいと感じてしまうと、組織としてうまくいかないと思っています。また、代表だから総括の仕事ばかりをしてメンバーと仕事の共有ができていないというような状況も良くないので、常に誰よりも働いてお手本になり、誰よりも明るくフレンドリーに接することであえて代表らしくない代表を目指していますね(笑)

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現役高校生という若さだからこその悩みはありますか?

前田:今のVREDという団体はメンバーが中高生のみで構成されています。年齢差の点で難しいと感じることもありますが、そこはコミュニケーション次第でどうにでもなると思っています。小学生への出前授業などの機会では自分よりも若いメンバーの方が活躍することもあるだろうし、自分自身も刺激をもらっています。

他には、学業との両立がやはり大変ですね。様々な他の団体のパーティーやミーティングなどに参加するとどうしても帰宅が遅くなるので、そこから課題をしたり活動したりすると生活習慣が乱れやすいです。

あとは人脈ですね。まだ学生なので大人の方と知り合う機会がそこまで無いというのが現状です。もっと人脈を増やしていって活動の幅も広げていきたいです。


教育改革を目指して

これから団体「VRED」として、どんな方向に活動を展開していきたいですか。また、前田さん自身の将来の目標などあれば教えてください。

前田:僕自身の目標は「学校に行っている人、行けていない人全員が学校やコミュニティの場を好きになれる環境を作成すること」ですね!そのためにこれからより一層VREDの活動に力を入れようと思っています。一般社団法人化し、会社として運営していけるように体制を整え、収益化を目指しているところです。現在はカードゲーム「Animal Empathy」を改良していき製品化を実現するために動いている段階です。VRを導入するためには多額の費用がかかるので、支援の呼びかけも行うつもりです。

また、VREDのコミュニティに参加する人を集めるという課題があります。世田谷区は不登校者の人口が多いという統計があるので、世田谷区の小学校などに出前授業や「Animal Empathy」の導入を実施出来るように知り合いの方や議員の方に働きかけようと思っています。ゆくゆくはVRを一般に普及させていきたいですね。


最後に

いかがでしたでしょうか。学校に馴染めないなど、さまざまな悩みを抱えた生徒たちが、学校に行けなくてもVRでコミュニティに参加できるというアイデアが画期的で、今後の活動がとても楽しみです。コミュニティに参加することを諦めるのではなく、VREDのような新たな居場所があると感じられる環境が増えていくと良いですね。みんなが自分に合った形で居場所を見つけるために、VRが選択肢の一つとして普及していってほしいと思います。


公開日:2024-05-19

この記事を書いた学生ライター

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