植物への興味から生まれたアイデア 〜 釜田陽光さんインタビュー

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今回はセイコーエプソン株式会社(以下エプソン)が主催する「Epson Nature Idea Award」にてグランプリを獲得した京都大学農学部4年生の釜田陽光さんにインタビュー取材をさせていただきました。

数々の独創的な作品の中でグランプリを獲得した釜田さんの作品はどのようなものなのでしょうか。作品の詳細や作ったきっかけ、また釜田さん自身についてお聞きしました。

◆ イベントレポート・他の受賞作品は、こちらの記事よりご覧ください。

大自然からひらめきを 〜 Epson Nature Idea Award最終審査会&授賞式レポート


今回インタビューさせていただいた方

   釜田陽光さん
京都大学農学部4年生。Epson Nature Idea Awardにてグランプリを受賞。大学では植物に関する研究をしている。

インタビュアー

大自然からひらめきを 〜 Epson Nature Idea Award最終審査会&授賞式レポート    岡田元
高校在学時よりフリーランスのウェブデザイナーとして活動。co-mediaではビジネス系の記事を担当。金沢大学在学。


植物の腺鱗(せんりん)の構造を利用した虫除けストラップ


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↑ 最終審査会においてプレゼンをする釜田さん


グランプリの受賞、本当におめでとうございます!
まず、釜田さんの作られた作品がどのようなものか教えていただけますでしょうか。

釜田 ー 本アワードでは植物の腺鱗※という微細な構造をもとに考案した虫除けストラップを提案させていただきました。腺鱗という化合物の蓄積と放出を担う器官の機能を、どうにか実用面へ活かせないかと考え思いついたアイデアです。

※ 腺鱗(せんりん):植物の表面にできる太さ0.1mmほどの毛。その内部に高濃度の化合物(香り成分など)を蓄積している。

植物への興味から生まれたアイデア 〜 釜田陽光さんインタビュー

↑ 釜田さんが書いたアイデアシート。虫除けストラップの詳しい機構が記されている。


ありがとうございます。このストラップの使い方を教えてください。

釜田 ー このストラップの内部には虫除け成分を含んだ液体が充填してあり、様々な衝撃を受けることで虫除け成分が外部へ放出されます。例えば、付けている人が歩行している時には、振動という衝撃により放出されます。また「虫が多いな」と思った際には、ポンと軽く叩くことで虫除け成分を放出させることができます。

画期的なストラップですね。私は今までスプレータイプの虫除けしか使ったことがなかったですが、実用化された際にはぜひ使ってみたいです。



虫が媒介する感染症を減らしたい 〜 東南アジア旅行の経験から

植物への興味から生まれたアイデア 〜 釜田陽光さんインタビュー

↑ 東南アジアを旅行中の釜田さん


釜田さんはこのストラップを通じてどのような課題を解決したいと考えていますか。

釜田 ー 私はこの作品を通じて、蚊などの虫が媒介する感染症にかかるリスクを軽減したいな、と思っています。以前東南アジアを旅行したことがあるのですが、その時に虫刺されに非常に悩まされました。特に、同伴していた彼女の足が真っ赤に腫れあがってしまい、とても大変そうでした、、

それ以来、虫刺されによる身体的な負担や感染症に対する大きな問題意識を抱えています。私が訪れた東南アジアなどの地域で暮らす人々や旅行者の中には感染症で苦しむ方がとても多いと思いますし、このストラップを使っていただくことで少しでも課題が解決されれば良いなと思います。

ありがとうございます。この虫除けストラップは普段から携帯できるコンパクトなアイテムなので、虫が媒介する感染症が多い地域の方にも使ってほしいですね。



植物への興味から農学部へ進学


では、次に釜田さん自身についてお聞きしたいと思います。
現在京都大学農学部に在学されているとのことですが、元々自然・生物に興味があったのですか?

釜田 ー はい。物心ついた時から植物に触れ合っており、興味がありました。小学生・中学生の頃から植物を育てたり観察したりすることを続けていました。高校の課題研究の活動では植物を題材にしたものを発表しました。そのような活動を通じて、植物の構造や機能などを面白いなと感じ、農学部へ進学することを決めました。


植物への興味から生まれたアイデア 〜 釜田陽光さんインタビュー


なるほど。これまでの人生では植物とずっと触れ合ってきたのですね。
普段大学ではどのようなことを研究されているのですか?

釜田 ー 大学では、植物ホルモンの合成経路がどのように進化していったかについて研究をしています。特に私が現在扱っているのはコケ植物で、他の植物と比較しながら進化の過程を明らかにしようとしています。


釜田さんの普段の学生生活について少し教えていただけますか?

釜田 ー サッカーのサークルに入っています。最近は4回生なのであまり頻繁には顔を出せていないですが、大学生活の前半1、2回生の時は結構活動をしていました。

今は卒業論文で忙しくしており、夜遅くまで大学に残り実験したり、論文の原稿を書いたりというタスクに追われています。


Epson Nature Idea Awardに応募してよかったこと


植物への興味から生まれたアイデア 〜 釜田陽光さんインタビュー

↑ Epson Nature Idea Awardの審査員とファイナリストたち


Epson Nature Idea Awardに応募されたきっかけを教えていただけますか?

釜田 ー 応募のきっかけは、instagramでこのアワードの広告を見つけたことです。「自然からヒントを得たアイデア」というアワードの課題を見た時、私が普段頭の中でざっくり考えていることをアウトプットできそうな場だなと感じたため、応募させていただきました。


このアワードに応募してよかったことを教えてください。

釜田 ー 普段大学の研究室などにいると植物”自体”を使って何か課題を解決しよう、という思考になるのですが、今回のアワードではバイオミミクリーとして植物を転用して、人工物として昇華させるという面白さがあり、応募して本当によかったなと感じております。


まとめ


インタビューでは、植物という自分の好きな分野を大学でも学び、さらに植物からヒントを得て課題解決につなげる釜田さんの植物愛が印象的でした。

今回釜田さんがグランプリを受賞したEpson Nature Idea Awardについての詳細は、公式ホームページからご覧ください。

◆ Epson Nature Idea Awardの公式サイト:Epson Nature Idea Award (セイコーエプソン株式会社)

私たちも身近な自然に目を向けると新しい発見をすることができるかもしれません。


公開日:2024-01-26


この記事を書いた学生ライター

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