【共通テスト直前】生物のすすめ〜”暗記”のさらなる上へ

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今回は2024年共通テスト直前!という事で、現役大学生であるco-mediaメンバーが受験生へアドバイスをしていきたいと思います。理系で生物と化学を選択していた私は、生物の対策について書かせていただきます。二次対策にもつながってきますので、勉強の休み時間に目を通していただけると嬉しいです。

近年、ネット上には多くの受験応援サイトがありますが、「生物」は他の理系教科の物理や化学に比べて情報が少なく、自分の対策方法があっているか不安に思うことも多いのではないでしょうか?また、高校などでも生物受験者は少数派だったのではないでしょうか?

今回の記事が皆さんの勉強の指針の一助となれば嬉しいです。

この記事を書いた人

タカノ(ライター)

生物好きの大学生。北海道大学水産学部 在学。国際関係にも興味があるらしい。

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生物選択は不利か?

まず初めに、そもそも生物選択をするうえでの不安についてお話したいと思います。

多くの理系の受験生は化学と物理を選択する一方、生物を選ぶのは上でも述べたように、少数派で、サポートのない修羅の道だと思うでしょう。実際僕も高校2年生の終わりの進路選択時に物理を選ぶ生物を選ぶか迷ったときに、教科としてはそれなりに好きであったものの、「暗記が多く記述が大変だ」という噂や「生物は点数が取れない」などと言うデマ(ここは言い切っておきます)に惑わされました。

まずこれらの生物選択を戸惑わせる噂を検証したいと思います。


1 生物は暗記と記述が多い?

多いです。簡単ではありません。   終

ここで終わっては皆さんの期待を裏切りますね。でも実際かなり多いと思います。暗記に関してまず言えば、一般的な高校教科書「生物」 を全て暗記することが必須であり、もう少しマニアックな知識も資料集で覚えようと思ったらそれは大変な量ではあります。

僕は高校2年生の2月から生物の勉強を始めて、なんやかんや高3の11月まで範囲を履修するのにかかりました。結構遅いです。また、近年難化傾向にある共通テストのレベルでも、習った内容を自分で整理してすんなりと答えられる必要があります。

また、難関私大や国公立大学の二次試験の対策のために、生物の暗記・知識の定着は言葉の通り試験の直前まで(試験開始の数分前まで?!)続けることになると思います。

物理選択者の多くは高3の秋にもなれば高度な問題演習を繰り返すのと対照的に、生物選択者はひたすら基礎の確認です。することが地味だなと思うかもしれませんが、多くの生物の難しめの大問は教科書の知識の発展であり、数学や物理ほど類題が頻出するということはまずありえません。(似た題材でも切り口と出口はまるで違うことも多い)

そのため、問題演習を早い段階から繰り返すよりも、基本を定着させ、難問に当たった時はその時の流れを見出すことが重要だと思います。

記述については、受験生の多くは記述式になんらか特別な力を要すると考えているかもしれませんが、あくまで解答方式の一つに過ぎません。生物の記述が難しいと思うのは、「生命現象が理解できないから書けない」のか「知識が不足しているから文章の前後関係が分からなくて書けない」かのどちらかだと思います。

後でこの二つに対する解決策を提示したいと思います。というかここさえ突破できればどんな生物の試験でも志望校合格に十分な点数は確保できると思います。


2 生物は点数が取れない?

共通テストの過去3回の平均点は物理より7点近く低いのは事実です。実際2023年の共通テストの生物は難化し、最大12点の得点調整が入りました。

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(大学入試センターより筆者作成)

「物理は爆発力がある」と言う物理選択者がいますが、物理は上にも下にも触れる教科ですから、「絶対的に物理がおすすめ」とも「生物は不利」とは言えません。大学受験で大事なのは合格者の平均に近い得点を手堅く取ることです。爆発力はないものの安心感を得られる生物はいい教科だと思っています。ただ、受験生目線として平均点が低く、高得点が取りにくい科目を忌避するのは当然の傾向です。今回は生物でいかに点数を積み上げていくかそのポイントについて紹介します。


生物対策をする上での注意点

共通テストの生物では以下の2点を念頭に問題演習を進めることが重要です。

◆ 知識問題で間違えない!


◆ 実験考察問題は差が付きやすいので丁寧に解き進める!

この2点を実現するには、①教科書を基本に知識を手堅く覚えること、そして②自分の言葉で知識と問題の内容を説明できるようになることが大事です。ただ、漫然と勉強していても自然とこのように問題をこなせるようになるのは難しいです。下に僕の受験時代の勉強の方針とそれを改善する前と後の状況についてまとめてみました。


改善する前

資料集を眺める

難しい問題をどんどん解く

反省では資料集を確認するが、「まあもう一回やったらできるだろう」で終わる


改善したこと(①〜③)

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意外と僕の改善する前の勉強スタイルになっているひとは教科問わず結構いると思います。これでも”それなりの”点数は取れてしまうのがいけない。ここからは1 、教科書にあやふやなところがないか一言一句確認、2 、間違えた事をノートに書きためる、

の2点について具体的に何を行うべきかポイントを紹介していきます。


1  教科書にあやふやなところがないか一言一句確認

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生物の教科書を前の章から学んでいけば良いのですが、終わりに向かえば向かうほど、「前の方にあったこと忘れちゃったよ」と思うようになると思います。そんな時は適宜戻って何度も見れば良いのですが、時間のない受験生には効率の低い勉強はできません。教科書を開き、指で文章をなぞりながらわからない箇所がないか探します。愚直さこそあなたに求められる事です。わからないことがあれば覚えます。覚え直す時に意識してほしいのは「何が自分にとって覚えにくいのか」を把握する事です。例に挙げた、「(遺伝子の)乗換え」は教科書によると、「二価染色体を構成する相同染色体の間に交さが起こって、染色体の一部が交換されること」です。このまま一言一句暗記できれば、なんの問題もないのですが、生物の教科書に載ってる全てをこうして覚えることは難しいでしょう。そこでやってもらいたいのは自分の言葉で説明し、それをノートにまとめるなり、教科書に書き込むなりして見返せるようにする事です。

共通テストでも問題文中に「生物用語」が出てくることがありますが、その意味をぱっと浮かべる事さえできれば難しくない問題がほとんどです。「なぜ問題が解けないか」を分析し、その上で用語の意味を説明する作業を繰り返せば、

◆ 知識問題での誤答が激減する


◆ 考察問題でも読み取りがスムーズになる

という効果が得られます。

考察問題は難解な見た目こそしているものの、論理展開は「要素間の関係を明らかにする」という至極単純な設定であることがほとんどであり、「何と何を比較しているのか」、「各実験間の意味は何か」、「教科書(=指導要領)のどのような知識と対応しているのか」まで考えることができれば「考察問題は知識問題よりも簡単」と言える域に達する事ができるでしょう。


2  間違えた事をノートに書きためる

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大方ある分野をマスターしたら、網羅系の問題集をやってみましょう。完璧さを求めつつ問題演習で確認していくことも大事です。模試やテスト、過去問を解いていきましょう。テスト演習というのは厳密に時間が決められた極めて学習効果の高いものです。そこで「思い出せなかった」、「時間内に思い浮かばなかった」などできなかった箇所が色々あるでしょう。ぜひそうした間違えた理由、知識の足りない分野を書き留めましょう。おすすめ(僕がやっていた)方法はノートを半分に区切り左に「自分の誤解」をかき、右に正しい解釈、知識、間違えた理由を書きましょう。それができたら、しばらく経った後に右側を隠して、自分の愚かな間違いを訂正してみましょう。この方法で自分のした誤りを永久にしなくなります。書き留める時間はかかりますが、知識の問題は繰り返し似た内容の問題が出ます。

上の「刺胞動物が何胚葉動物か」というどこかの共通テスト形式の問題をもし間違えたときには、単に刺胞動物が三肺葉動物という正解を記録するのではなく、系統分布図といった周辺知識をノートに”自分の手で書くという”作業を行うことで確実な知識の定着を見込めます。

僕が受けた国立大学の知識問題で自分が数か月前に問題集で間違え、ノートに記録していた問題とほとんど同じものがありました。こうしたことはかなりレアだとは思いますが、重要な知識の問題は他の考察問題にも役立ちます。継続は力です。どんどん書き溜めていきましょう。


最後に

生物は簡単に点数がとれるようになるわけではないという点で非常にもどかしい勉強を強いられることもあります。ただ、この過程を乗り越えた人には、単なる「受験生物の知識」だけではなく、「研究者としてそもそも実験を行う理由や、実験の構造」そして、「文理の分野を問わず、論理的思考」を身に付けることが可能です。つらい時期もあると思いますが、なんといっても「継続は力」です。皆さんの奮闘を心から祈っております。


公開日:2023-01-06

この記事を書いた学生ライター

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