今回より、留学する中高生にフォーカスを当てた記事をお届けしていきます。
第一弾となる今回は、日本の中学校に通う中学2年生で、イェール大学で開催されたISSOSサマースクールに短期留学された、Soさんにインタビューしてきました。
中学2年生とはとても思えないしっかりとした受け答えで、アメリカで充実した学びを得てきたそうです。中高生で「留学に興味がある!」という方は、ぜひ参考にされてください。
こんにちは。自己紹介と、この夏休みに体験された留学の概略を教えてください!
So:はじめまして、Soと申します。日本の中学校に通う中学2年生です。海外経験としては、家族旅行で短期間滞在したことはありましたが、長期滞在とか留学は今回ははじめてです。この夏の3週間、アメリカのイェール大で開催されたサマースクールへ参加しました。スコットランドに本拠地を置くISSOSというグループが開催する、3週間の合宿形式のサマースクールです。午前中はディベート、ビジネス、英語のライティングなどのクラスがあり、午後からは映画制作コース、写真コースやスポーツなどたくさんのメニューが準備されていて、自由に選択できます。私は、ディベートと映画のコースに参加しました。
本当に様々なことを体験できるカリキュラムになっていますね。
では、Soさんはなぜ留学をしようと思ったのですか?
So:もともと英語とか海外に興味がありましたが、一番の目的はいろいろな国の友達が欲しいと思ったからです。英語を喋るのは緊張するし大変なことでしたが、色々な文化圏から来た人と触れ合えてとても楽しかったです。また、「留学する!」と決めてから英語を本気で勉強し、ラッキーなことに英検準一級を出国直前に取得できました。
素晴らしいですね!では、どんな国からの参加者がいましたか?
So:すごく沢山の国から参加者がいました。一番仲良くなったのは、同じくらいの年齢のインド系のアメリカ人でした。寮の同室には中国人、そしてアメリカ人や、ヨルダン人がいました。全体で70名ほどが参加していましたが、ポーランド人、ブラジル人、トルコ人、ハンガリー人、イギリス人、フランス人などいろいろな国の友達ができました。
そうなんですね。泊まった寮はどうでしたか?
So:イェール大学の寮で生活していました。一つのユニットの真ん中に、みんなですごすリビングのような共有部分やトイレがある感じでした。ユニットに一人、大学生のカウンセラーというお世話係が泊まり込みでお世話をしてくれます。そのリビングに面して3-4室の個室があり、それぞれの個室に1-2人が割り振られます。帰国してからもSNSで連絡を取り合っています。一つの国からの参加は全体の10%まで、という制限があったので、より多くの国からの参加があったと思います。
いろいろなサマースクールがありますが、どうしてISSOSを選んだのですか?
So:知り合いがイギリスで開催されたサマースクールに行っており、その話が面白かったので、是非、行きたいと思っていました。ヨーロッパではウクライナとロシアが戦争をしているので、アメリカの方が安心かな、と思ってアメリカで探しました。
ISSOSを選んだのは、ディベートのコースがあることが第一の理由です。映画制作にも興味があり、参加者が課題として作った映画も公開されていたので実際に映画をつくってみたかったのも大きいです。実際参加してみるとカリキュラムがとてもしっかりしており、楽しく学べました。
それは良いですね!具体的にどんなことを授業で学んだのか教えてください!
ディベートのコースでは「若者は政治運動をすべきかどうか」「高校入試制度を、一つの志望校に限定せず、ランダムに順繰りにいろいろ回っていく制度にすべきか」など、社会制度とかに関する面白い議題についていろいろな観点から議論をしました。あと、コーチがディベートの元選手で、全米一位を獲得したディベートの選手の話も聞くことができました。
映画の授業も面白かったです。4人ずつのチームに分かれてそれぞれ短編映画を作ったんですが、本当の映画監督が先生でした。最初の1週間は、本格的な撮影機材、録音機材、照明のやりかた。そしてプロットをどのように作るか、そしてダビンチという本格的な編集ソフトの使い方などを学びました。スマホかデジカメで撮影するのかな、と思っていたら、プロ用の機材が登場して驚きました。
私のチームは、事故で入院している友達の幻覚が見えている、という作品を撮りました。私は最初の映画紹介に登場しています。チームのメンバーは、私と中国人、アメリカ人、フランス人の4人で、ギリシャ人とフランス人が出演しました。1シーンを撮るだけでも何度も撮りなおして、映画を撮るのがこれほど大変な物とは想像していませんでした。
ありがとうございます。
では、Soさんの滞在されたイエール大学はどのような大学か教えてください!
So:アメリカにはアイビーリーグ※という8つの難関大学があり、そのうちの一つの大学です。ハーバード大学が一番古いですが、その次に古いのが1701年に創設されたイエール大学です。アメリカの独立戦争は1775年頃始まっているので、それ以前に創設されています。
(※ハーバード大学、イエール大学、プリンストン大学、ペンシルベニア大学、ブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ダートマス大学)
有名な卒業生は、フォード大統領、クリントン大統領夫妻、ブッシュ大統領は親子で卒業生です。 モールス信号を発明したサミュエル・モールスなど、著名人を多数輩出しています。
あと、イェール大学で有名なのはスカルアンドボーンズという秘密結社です。スカルアンドボーンズとは、タフト元大統領のお父さんがつくった秘密結社です。入会に関する一切が不明で、ただ大学の「新入生の中から15人選出される」ことのみが判明しているらしいです。メンバーをボーンズマンと言い、歴代CIA長官やブッシュ大統領などは、ボーンズマンだそうです。詳しいことは公開されていません。ちなみに、私の滞在した寮はその本部の隣でした。
治安や安全はどうでした?
So:あまり治安は良くないとのネット情報もあったので心配していましたが、行ってみたら静かで安全で雰囲気の良いところでした。ただ、浮浪者も少しいるし、町のいたるところにSOSボタンがありました。日本ほど絶対的に安全ではなかったと思います。学期期間中の夜間は、大学が専用バスをだして学生を守っているとのことです。
どこかほかの街へ行ったりはしました?
So:土曜日にはボストンとニューヨークへ行きました。ニューヨークのニューヨーク近代美術館(MOMA)が印象的でした。モンドリアンも本物はかなり迫力があります。コースの仲間ではない人たちとも一緒にいろいろな物が見れて楽しかったです。
また、夜にはタレントショーがあり、希望者はダンスを披露したり、トークショーをしたりいろいろな面が見れました。自分はピアノを弾いて、ルービックキューブをやりました。
非常に充実した夏を過ごされましたね!
詳しく教えていただいてありがとうございました。
次回は留学で通用する英語力を得るための勉強法について聞いてみたいと思います。
公開日:2023-08-23