「自分の人生は、自分で責任を持って楽しませるべき」––––ダンサー・筋野ひなの人生から、好きなことを仕事にする魅力を紐解く

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「自分には才能がないから」「失敗するのが怖いから」——挑戦することなく“好きなことを仕事にすること”を諦めている人は少なくないだろう。しかし、そんな弱い気持ちに負けずに挑戦し続け、好きなことを仕事にした人がいる。ダンサーの筋野ひなさんだ。

筋野さんは、ジュニア舞踊コンクール千葉県1位、徳永ゆうきMV「渋谷節だよ、青春は!」ダンサー、舞台「ARATAMARI vol.2」等々、ダンサーとして華々しい経歴を持つ。

経歴だけを聞くと、「才能があったからだ」と思うかもしれない。しかし、ここまでの道のりは非常に険しく、何度も悔しい思いをしてきたのだそう。

筋野さんは現在、これまでにない高い壁に、自ら挑戦している。これからたくさんの困難が待ち受けていることを理解しているのにもかかわらずそれでもなぜ、自分の「好き」を追求し続けられるのか。挑戦の裏にある背景を追った。


ダンスによる“楽しい”・“好き”の気持ちの芽生え


——まずは、ダンスをはじめた経緯についてお聞かせください。


筋野:小学校2年生になる前からバレエを習い始め、中学校3年生まで続けました。高校生からはヒップホップ、ガールズ、テーマパークダンス、ハッスル、ジャズと幅広いジャンルを習っていました。いろんなジャンルを踊ってきたなかで、一番楽しいと感じたジャンルはジャズです。


——ジャズダンスとの出会いについて、教えてください。


筋野:高校1年生のときに、ネットでたまたま見つけたある舞台に出演したことがきっかけです。この舞台は、ジャズでとても有名なダンサーが主催している舞台。ダンスのメインジャンルはもちろんジャズでした。

当時はジャズとは何かを知らずにオーディションを受けたため、「ジャズってどんなものだろう」と思いながら踊っていたんです。しかし後から振り返ったとき、ジャズを踊っているときが一番楽しかったと気付きました。ジャズは、今まで踊ってきたバレエの技術を活かせるジャンルなので、自分に向いていたのかもしれません。


「下手くそ」「存在感がない」からの這い上がり


——今までダンスをやめたいと思ったことはありますか?


筋野:たくさんあります。一番印象に残っている出来事は、小学校4年生のときにオーディションに受かって入団したバレエ団でのエピソードです。

舞台の配役決めオーディションで、全員出られると思っていたオープニングに、出られないことが決まりました。理由は、踊りが下手だったからです。悔しくて、悔しくて、大号泣しました。

オーディションの最中に、私の踊りを見て、「なんで入団できたんだろう?」という視線を向ける先生もいて。そのときは「ダンスをやめたい」と思ってしまいましたね。


——悔しい経験があっても、ダンスをやめなかった理由を教えてください。


筋野:「ダンスをやめたい」という思いが頭によぎった小学校4年生のときから、「すぐに上手くいくなんてありえない」と思っていたからでしょう。号泣したオーディションや、その次のオーディションでも結果は不合格でしたが、結果はすぐに出てくるものではないと思っていました。それからは、練習づけの日々を送っていました。

やがて、その練習の積み重ねは、形になりました。大号泣した日から4年かかりましたが、一番下手なクラスからトップクラスまで這い上がることができ、舞台ではソリスト(主役級の踊り手)など大きな配役までいただけるようになりました。


「自分の人生は、自分で責任を持って楽しませるべき」––––ダンサー・筋野ひなの人生から、好きなことを仕事にする魅力を紐解く

バレエ時代、初めて主役を踊った発表会


——大人顔負けの思考力、そして努力量ですね。


筋野:「先生に認められたい」という感情が、私の努力につながりました。トップクラスに入れることが決まったときは、その先生に認めていただけたと感じ、本当に嬉しかったです。しかし、認められることばかりを意識すると、何のために踊っているのかを見失ってしまい、踊ることが苦痛になってしまいました。

でも今になってみると、“バレエが好き”という純粋な気持ちがなければ、今の私はなかったと思います。好きを追求する気持ちが私とバレエをつないでいたのだと思います。


——今では多方面で活躍されていますが、それでも大変なことはあるのでしょうか。


筋野:以前私が出演したある舞台のオープニングです。このオープニングでは、センターでバレエを踊るのが私の役割でした。

私はバレエを踊れるかつ、存在感があることを理由に選ばれました。しかし本番の1ヶ月半前にリハーサルをしていたところ、講師から「存在感がない」「他の人に変えようかな」と言われてしまったのです。しかもその日は、二十歳になる誕生日だったため、人生のなかで忘れもしない誕生日となりました。

「もう何もしたくない」と思うくらいにショックで、小学校4年生の頃と同じように、大号泣しました。しかし、この歳になっての悔しい経験は、とても刺激的で、さらに自分を鼓舞するきっかけとなりました。


「自分の人生は、自分で責任を持って楽しませるべき」––––ダンサー・筋野ひなの人生から、好きなことを仕事にする魅力を紐解く

本番センターで踊った舞台のオープニング


——私は本番を観劇させていただきましたが、センターで堂々と踊っていらっしゃいました。大号泣した日から本番までの、筋野さんの心境について教えてください。


筋野:誕生日は一日中落ち込み、気持ちを立て直す時間と余裕もなく、何も考えることができませんでした。でも、翌日からは、落ち込むことよりも先に体が動いていました。頭で考える暇がないくらい悔しかったのだと思います。

本番までの残りの1ヶ月半、毎日練習しました。結果、役を下ろされることもなく無事に本番を迎えることができ、観劇しにきていただいたお客さんに披露することができました。今考えると、「役を下ろされてしまう」という焦りに追われていた、怒涛の1ヶ月半を過ごしていましたね。


ぼやけていた将来が鮮明になった祖母の言葉


——筋野さんの、今後の目標を教えてください。


筋野:全国的に有名な某劇団に入ることです。以前までは、某テーマパークのダンサーかその某劇団かのどちらかに入れたら良いなと思っていましたが、プロのオペラ歌手として活躍していた祖母の言葉によって私の意思は固まりました。

祖母は1年半前に他界してしまいましたが、生前「おばあちゃんは、ひなの表現力や演技力をみて、劇団で活躍する姿を見たいから歌を教えたい、と言っていたのよ」と母から聞いたのです。この言葉をきっかけに、私の目標が“その某劇団に入ること”に決まりました。


——おばあちゃんの願いを叶えるために有名な某劇団に入ろうと志したのですね。


筋野:正直、祖母の言葉は大きかったです。でも、それだけではありません。実際にその劇団を観劇しに行ったのですが、「このステージで踊りたい」と直感しました。個性が尊重されるその劇団の舞台だからこそ、惹かれたのだと思います。

そのうえ、このステージに立っている人たちは倍率何十倍ものオーディションを勝ち抜いてきた人たちです。厳しい競争を勝ち抜いたダンサーの姿を見て「これこそ、プロだ」と思いましたね。


——その劇団に入るために今どのようなことをしていますか?


筋野:今は、歌と演技とダンスの練習をしています。今年は新型コロナウイルスの影響でオーディションがなくなってしまったので、来年合格できるように、練習に励んでいます。

でも、いつまでもチャンスがあるとは思っていません。というのも、某劇団の創設者である方が、「3回受けてダメだったら俳優人生諦めろ」と言ってたからです。この言葉を受けて、自分の中でチャンスは3回までと決めました。


仕事と労働は別物––––“好きなことを仕事にする”魅力


——筋野さんは、ご自身が大好きなダンスを仕事にされています。好きなことを仕事にする魅力とは、どのようなものでしょうか?


筋野:働いている時間さえ、仕事だとは思わないことです。仕事と労働は違うと考えています。労働は「将来やりたいことではないけれど、お金のために時間を割いて働いている」感覚なのに対し、仕事は「やりたいことをやっているから、気付いたら勝手に向き合っている」感覚です。だから、働いている時間がとても楽しいし、充実しています。


「自分の人生は、自分で責任を持って楽しませるべき」––––ダンサー・筋野ひなの人生から、好きなことを仕事にする魅力を紐解く


——好きなことを仕事にすることは簡単ではないと思います。筋野さんが好きなことを仕事にできたのはなぜでしょうか。


筋野:「自分の人生は、自分で責任を持って楽しませてあげるべき」。これが、私の生きていくうえでの軸となっているからだと思います。だから、自分のやりたいことをやって幸せになれたら良いなと思います。自分の幸せは、自分がやりたい、好きだなと思ったことを全力でやることだと、私は思うので。


——最後に、今好きなことを仕事にすることを諦めかけている、挑戦することに対して怖がっている10代・20代に向けてアドバイスをお願いします。


筋野:がむしゃらに走っていけばいいと思います。「好きを仕事にしている人」としてインタビューしていただいていますが、私自身、後悔しないようにがむしゃらに走っているだけです。

私のような人がいることを知ってもらい、一人の意見として参考にしていただけたら嬉しいです。


今輝いている人たちは、高い壁に対する弱い気持ちに打ち勝ち、乗り越えるために血の滲む努力をしてきている。「自分には才能がないから」「失敗するのが怖いから」などの理由で“好きなことを仕事にすること”を諦めてしまうのはもったいない。

私たちは、自分の人生を楽しくさせるかさせないかの責任は自分にあることを今一度再認識し、後悔しない人生の歩み方について考え、好きなことを仕事にするためにがむしゃらに走る道を選択してもいいのではないだろうか。


この記事を書いた学生ライター

横山紗衣莉
横山紗衣莉
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1999年生まれ、千葉大学教育学部在学中。夢中になれることを仕事にしたい。だから挑戦し続ける。

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