「働くことの意味」について仕事のプロであるキャリアカウンセラーに聞いてみた

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キャリアカウンセラーの岡田さんにキャリアカウンセラーのお仕事についてや、変わりゆく現代の仕事の形について教えていただきました。

「働くことの意味」について仕事のプロであるキャリアカウンセラーに聞いてみた岡田 博幸さん:国家資格 キャリアコンサルタント、国家資格 3級ファイナンシャルプランナー技能士、世界遺産検定3級、いけばな池坊職位 皆伝取得、英会話スクール 14年勤務(営業部門 TOP)、現 NPO国際イノベーションセンター職員(チーフカウンセラー)


西岡:岡田さんは現在、キャリアカウンセラーのお仕事をなさっていますよね。きっかけについて教えて下さい。  

岡田博幸さん(以下、岡田さん):現職の上司と出会ったことです。

自分は2歳で親が離婚していて、母親には会ったことがありません。唯一の親である父親も大人として頼りにならなく、高校も奨学金で通っていました。これまで、大人に対して心を開くということがなかった人間なんです。彼は、そんな僕を献身的に支えてくれた人でした。

自営業をしていた親父が会社を潰し、さらにはプライベートでも問題を抱え、僕がそれを背負う必要が出て、一人で抱え込んでいた時のこと。彼は僕の異変に気付き、「辛いことがあったらなんでも聞く」と言ってくれました。色々話を聞いてくれたり、アドバイスをしてくれたり、本当にお世話になりました。「今のうちから勉強しておきなさい」とか「今のうちから稼ぐ力をつけておきなさい」など生きる上で大切な事を沢山教わり、そのとき初めて大人に心を開けたんです。人生を救われました。

彼と出会っていなければ、今の自分はいないと思います。次第に「僕も誰かにとって、彼の様な人になれたらいいな」と思うようになり、誰かの人生にアドバイスを届ける為に、キャリアカウンセラーの国家資格をとりました。  


西岡:キャリアカウンセラーの方は、どのような場で働いているのでしょうか。  

岡田さん:大学のカウンセラーやハローワーク、もしくは企業の社員として働いている人が多いです。キャリアカウンセリングの資格は、2016年の4月から国家資格になりました。

その背景には、やりたい事が見つからないまま社会に出た学生や、就職したもののモチベーションが保てなかった方のうつ病が社会的問題になっていたことがあります。キャリアに関して正しくアドバイスに乗れる方が日本に少なかったことが、心理カウンセリングとは別に、キャリアカウンセラーの資格が国に管轄になった形です。 


西岡:相手の方とお話しする時とか、仕事をする際に意識することはありますか。  

岡田さん:アメリカの心理学者、カール・ロジャーズが創設した「来談者中心療法」という手法を意識しています。患者さんの話をお医者さんが共感的に理解し、表現された感情的内容をそのまま繰り返す、または要約して伝えることで患者さんの心を映し出す「鏡」になってあげる療法です。 

西岡:患者さんのお話に対してアドバイスや指導をするのではなく、患者さんの言葉を繰り返す療法なんですね。

岡田さん:そうなんです。お医者さんが患者さんの言葉を繰り返すことにより、自分が何を言っているのか・どのようなことを考えているのかを、患者さん自身が気付くことができます。

 

西岡:ではキャリアカウンセラーの仕事につきたい人が、学生生活のうちにやるべきことを教えて下さい。

岡田さん:人と話すのが好きな子が向いている職業なので、学級内や部活で色々な人と喋る時間を増やしておくことです。

西岡:普段から人と話す機会を増やすことが、キャリアカウンセラーのお仕事につながっていくんですね。転職や仕事のトラブルなどによる辞職に関してはどうお考えですか。  

岡田さん:転職は時代の変化によって、必要不可欠になっているというのが僕の考えですね。

日本と海外の就活の制度は異なっていて、日本は4月から一括採用をしますが、他の先進国ではこのやり方はされません。海外では新卒採用・中途採用を問わないのが実情なので、キャリアプランの変更や仕事を辞めるのにあまり罪悪感を感じないんですよ。

でも日本の場合は終身雇用制度があるので、定年退職までいるのが普通だという時代があったが故に、「転職=根性がない」と思われがちなんです。

ですが日本人の海外進出や、同一企業で働き続ける人が年々減少している傾向から、これまでの仕事に対する価値観は変わっていくと思います。 


西岡:岡田さんのお話を聞いて転職や辞職に対する印象が少し変わりました。では最後の質問になりますが、働く上で一番大事なことは何か教えて下さい。  

岡田さん:形式にとらわれないことだと思います。

キャリアカウンセリングの中で「働く」というのは虹に例えられます。虹は赤や青や黄色などの7色の色で構成されていますが、人生というのも7色に例えることができます。

例えば社会人なら働く色や、お子さんがいれば親という色もあり、他にも友人関係や地域社会の人と関わる等沢山の色があります。そのようなさまざまな色が組み合わさって虹になり、このバランスをうまく取るのが人生を謳歌するということを意味します。 

西岡:働くことは虹を構成する色の一つなんですね。

岡田さん:そうなんです。そういうわけで仕事は、人生を楽しむ為の一部の要素ですね。今の時代は仕事に対する価値観が変わってきています。

例えば副業は、昔は本職の合間の時間を縫ってやるものだと思われていました。現代は、複数仕事を持つ「複業」として捉えられている。今まで大手企業は複数仕事を持つことを基本的に禁止していましたが、現在は副業できる大手企業が人気で、大手企業で働きながら他の仕事もできるケースが増えています。

そういう意味で仕事は人生の楽しみの一部であることが言えます。 


西岡:自分自身も仕事を人生の楽しみの一つの要素にできたら良いなと思いました。いろいろ教えていただき大変勉強になりました。ありがとうございました。  

岡田さん:良かったです。キャリアに関してわからない事があればぜひなんでも聞いてほしいです。

この記事を書いた学生ライター

西岡春菜
西岡春菜
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2001年生まれ 東京都出身 慶應義塾大学環境情報学部在籍

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