フェリス女学院大学・土井山幸香は、ANDの才能で「広報の鬼大生」になる

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「ORの抑圧」/「ANDの才能」という言葉をご存知ですか?“企業人のバイブル”と称される不朽の名著『ビジョナリー・カンパニー』に登場する言葉で、前者は「変化か安定か」といった二者択一で物事を考えることを、後者は両方を同時に実現させようとする発想を意味しています。

大学生になると、学校の授業、サークル活動、アルバイト…と選択肢の数が増えたがゆえに、「何をすべきか」に迷うことがあると思います。そして多くの学生は「OR」の考え方で、世界を狭めてしまいます。

しかし、頭ひとつ抜けだす人材たちは、「AND」の考え方を持っています。「ORの抑圧」をはねのけ、「ANDの才能」を活かすことで、限られた時間の中で自分の価値を最大化しているのです。

今回編集部が注目したのは、C Channel株式会社ecbo株式会社、2社で長期インターンとして広報に励む「広報の鬼大生」、“ゆっか”さんこと土井山幸香さん。

土井山さんは、アナウンサーを目指して東京のいわゆる“いい大学”を目指したものの受験で大失敗。「このままでは自分の人生に納得できない」と長期インターンに励み、「自分の言葉で伝える」広報という仕事の魅力に気づいたそう。

「夢は全力で伸ばした手の指先の1ミリ先にある」を座右の銘とし、自分に負荷をかけて走り続ける彼女に、人生最大の挫折経験から「やりたいことを見つける」までの軌跡をお聞きした。


「大勢の中の一人」をやめる——私が、二つの会社で長期インターンをする理由


—— 大学に通いながら、2社の長期インターンに参加し、週末は被写体…とアクティブに活躍されているゆっかさん。そもそも、広島から上京したきっかけは…?

フェリス女学院大学・土井山幸香は、ANDの才能で「広報の鬼大生」になる

土井山幸香:フェリス女学院大学 3年

大学入学後、新入生ミスコン協賛賞を受賞。現在はC Channel株式会社とecbo株式会社で広報インターンとして勤務し、女子大生マーケティング集団「yellow project」では、SNS運用をはじめとしたPRリーダーを行う。直近の目標は「広報の鬼大生」として、自分が愛せる会社・サービスの広報を担うこと。


ゆっかさん:東京の大学に進学したのは、将来の夢だったアナウンサーになるためです。地元は広島なのですが、「アナウンサーといえば、東京の大学でミスコンに出る」というイメージがあってのことでした。

昔から、目の前のことに全力で取り組むことが私の信条です。夢を叶えたいと本気で思っていたので、大学に入学してすぐミスコンに出場しています。その際は、協賛賞をいただきました。

—— そこから、夢のアナウンサーの道へ…?

ゆっかさん:それが、ミスコンに出たことで「アナウンサーは私が目指していた仕事とは違う」と思ってしまったのです。ミスコンの参加者には、私と同様にアナウンサーを目指す学生が多くいました。彼女たちと話をよくしていたのですが、私はアナウンサーになりたいのではなく、「自分の言葉で伝える」ことに興味があると気づいたんです。

「自分の言葉で伝える」仕事は、アナウンサーに限りません。そのタイミングで、自分の見ていた世界の狭さを感じ、“燃え尽き症候群”になってしまいました。学校以外に何もやることがなくなり、やりたいことが見つかるまでの間はアルバイトをしながら、特に行動をしない日々が続きましたね。

—— どのようにして、長期インターンをする選択に至ったのでしょうか?

フェリス女学院大学・土井山幸香は、ANDの才能で「広報の鬼大生」になる


ゆっかさん:そうした生活にも一区切りついたタイミングで、もっと全力で打ち込めることを探したいと考えたんです。またその際は、社会と関わる経験をしたいと考えていたところ、長期インターンの存在を知りました。広報の仕事を選んだ理由は、「会社やサービスの魅力を最大化して、自分の言葉で伝える」ことができる仕事だと感じたからです。

現在は、女性向け動画メディア「C CHANNEL」を運営するC Channel株式会社と、荷物一時預かりシェアリングサービス「ecbo cloak」を運営するecbo株式会社で広報PRの長期インターンをしています。

—— 長期インターンでは、どのような活動をされているか教えてください。


ゆっかさん:C Channelでは、女子大生マーケティング集団「yellow project」(以下、イエプロ)のPRリーダーをしています。

ecboでは、広報アシスタントとして取材対応やプレスリリースの作成から発信までの全工程に携わる基本の広報業務を少しずつ積み重ねています。はじめてから半年が経ちましたが、まだまだ不安や失敗が多く、勉強の日々です。

—— 忙しい大学生活のなかで、あえて二つの会社で長期インターンをしている理由も教えてください。

二つの会社で長期インターンをしているのは、一つの会社で広報を担当するだけでは、「大勢の中の一人」にしかなれないと感じたからです。自分の強みを明確化し、「必要とされる存在」となるため、「スキルの掛け合わせ」を目指しています。大学にも週4日通っているので、なかなかハードな毎日です(笑)。

「今日という一日を、本当に頑張れたかな?」


—— 大学に通いながら、長期インターンでも活躍されているなんて、本当に尊敬します。とても充実した学生生活を送っているように感じますが、これまでに挫折経験などはあるのでしょうか。

フェリス女学院大学・土井山幸香は、ANDの才能で「広報の鬼大生」になる


ゆっかさん:大学受験の失敗が、私のターニング・ポイントです。アナウンサーを目指して「とりあえずいい大学に行こう」とはじめた大学受験で、人生最大の挫折を経験しました。

私は小学校の頃から比較的成績の良いタイプで、要領もよく、大学受験も「少し頑張れば、きっと上手くいく」と高をくくっていたんです。ただ、いま振り返れば、当時は手を抜いた勉強しかできていませんでした。

受験勉強は最後まで頑張り切ることができず、結果は大失敗。現在通っている大学も、滑り止めで出願した大学です。入学した当初は、「このままこの大学にいても、自分の人生に納得がいかない」とまで思いつめていました。

—— その悔しさが、現在の活動につながっている…?


ゆっかさん:おっしゃる通りです。大学受験には失敗したけど、せっかく上京したからには、何かを死に物狂いでやらなければと思い直しました。

もし受験が中途半端に上手くいっていたら、また要領よくこなしていただけだと思います。きっと、いまのように学生生活を頑張れていなかったはずです。それなりにアルバイトやサークルを頑張る“普通の女子大生”になっていたかもしれません。

—— 人生初の大失敗を経て、得られた教訓はありましたか?


ゆっかさん:「調子に乗らない」ことです。私が大学受験で失敗した原因は、自分の実力を過信していたことにあります。地に足をつけず、高望みすることがいかに危険か、身をもって知りました。

この教訓を活かし、現在は意識的に「自分を振り返る時間」をつくるようにしています。「今日という一日を、本当に頑張れたかな?」と、自分に問いかけるのです。

きちんと自分と向き合う機会が増えたことで、少しくらいの成功体験では調子に乗らないようになりました。大学受験の失敗はいまでも悔しいことですが、その失敗に感謝することができています。

夢は「全力で伸ばした手の指先の1ミリ先」にある


—— 大学受験での大きな挫折をバネに、大学生活を長期インターンに捧げてきたゆっかさん。しかし、ときには歩みを止めたくなったりすることもあると思います。そんなとき、自分を奮い立たせるコツやこだわりなどがあれば、教えてください。

フェリス女学院大学・土井山幸香は、ANDの才能で「広報の鬼大生」になる


ゆっかさん:私が実践しているのは、徹底的な「可視化」です。自分の目標を声に出したり、書き出したりすることこそが、私の原動力となります。いま私が広報インターンとして働けているのも、「可視化」がきっかけです。

C Channelでインターンをはじめた当初、私はライターチームに所属していました。しかし、イエプロのPRリーダーをしているうちに、より広報業務に携わりたいという気持ちが大きくなりました。その時期から「広報をやりたい」と常々声に出していたため、私の声を耳にした広報部の方が、タイミングを見計らって広報部に誘ってくれました。

また今年の年初めに書いた、2019年の目標をリストアップしたnote「2019年の決意表明というものです。」がきっかけで、プレスリリースも書かせていただけるようになりました。


フェリス女学院大学・土井山幸香は、ANDの才能で「広報の鬼大生」になる


ゆっかさん:ツイッターのプロフィールに書いている「広報の鬼大生」という名前も同様です。2019年はじめは、「広報女子大生」でしたが、女子大生で広報インターンをしている人は山ほどいると考え直し、より広報を極めていることが伝わる「広報の鬼大生」に変えました。その結果、キャッチーな名前に目を留めて、私に興味を持ってくださる方が増えたと思います。

目標を可視化することによって、その目標を目指す覚悟が芽生える。「届くか届かないかぎりぎりレベルのゴール」を定め、「絶対にここを目指したい」と自分を追い込むんです。

私の座右の銘は「夢は全力で伸ばした手の指先の1ミリ先にある」。——秋元康さんの言葉です。


手を伸ばしてもぎりぎり届かない目標を、まずは掲げてみる。そこを目指しているうちに、自分の予想だにしない結果が現れてくる。こうして思いがけず達成できた目標は、自分の自信にもつながります。

小さなアクションでも、世界を広げることができる


—— 長期インターンにのめり込んでいく中で、「週5日の仕事も苦ではない」と思うほど夢中になれる「広報」という仕事に出会ったゆっかさん。やりたいことを見つけるために心がけるべきことを教えてください。

フェリス女学院大学・土井山幸香は、ANDの才能で「広報の鬼大生」になる


ゆっかさん:私はこれまでの人生において、興味を持ったことはやらずに選別するのではなく、まず手を付けてみることを心がけてきました。その結果、本当に自分に合った大好きな広報という仕事に出会えたのだと思います。

たとえば、小学生のとき。どうしてもダンスを習いたくて母にお願いしたところ、母が紹介してくれたのは本格的な養成所でした。歌も演技のレッスンもあるので戸惑いましたが、気づいたら小学校を卒業するまでの2年間で、歌も演技も好きになれたんです。

また長期インターンもその一つ。メディアに対する漠然とした興味から応募したC Channelのインターンも、興味本位で始めたライターが、いつしかやりがいを感じられる仕事になっていました。

何事においても、無駄な挑戦など一つもありません。現在インターンとして働いているecboでも、いまでこそPR部門で取材対応などをしていますが、最初は営業のテレアポもしていました。自分から電話でアプローチすることが初めてで、最初は断られるたびに落ち込んでいましたね。

しかし、その経験がいまの自分の業務に活きていると感じることもあり、食わず嫌いせずに挑戦してみることの重要性を、日々実感しています。

—— 興味の赴くままに突き進み、決めたことは必ずやり切る。高い目標に向かって日々前進を続けるゆっかさんの行動力は、そう簡単に真似できるものではありません。何かに挑戦する最初の一歩が踏み出せずに悩んでいる多くの学生に向けて、同年代だからこそ伝えられるアドバイスをいただきたいです。

フェリス女学院大学・土井山幸香は、ANDの才能で「広報の鬼大生」になる


ゆっかさん:少しでも気になることは、まずは情報をつかむことからはじめてみるといいと思います。


不確かな未知の世界に飛び込むことは常に不安を伴い、多大なエネルギーを要します。そのため、居心地のいい慣れ親しんだ環境に甘んじてしまう人は少なくありません。だからこそ、まずは徹底的に調べることからはじめてみてください。それだけで、世界が広がっていきます。

私の場合、自分の視野を広げるため、自分の関わったことのない会社の代表の方や、そこに携わっている方のTwitterアカウントをフォローすることからはじめました。その小さなアクションが、いまにつながる原点だったと思います。

どんなに小さな一歩でも、踏み出すことに必ず意味はあります。未知の世界にこそ成長のエッセンスが潜んでいることを、忘れないでください。

挑戦すると決めたら、視界が変化した——慶應大学・岡根歩美の #長期インターン体験記


この記事を書いた学生ライター

Mayu Inoue
Mayu Inoue
27 ライターに共感したらGoodしよう!

Keio / 3年 / co-media Senior Writer

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