「僕でもエースになれますか?」牧野圭太に聞く、下っ端から這い上がる処世術

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こんにちは、ライターの岡島たくみと申します。

唐突ですが、あなたは「エース」と聞くと、誰のことを思い浮かべますか。誰よりも素早く仕事を片付け、組織内外からの人望も厚く、頼り甲斐のある人物があなたの周りにもいるのではないでしょうか。

僕はそんなエースを目指し、とある編集ファームへと加わったのですが、仕事では悲しいほどの空回りを続ける日々です。チームに拾ってもらってからはや1年が経とうとしていますが、大学内で「ゆとり」と呼ばれていたあの頃(※)から、華麗な変貌を遂げた–––とはまだ言えません。

(※詳しくは、第一回記事「僕でもエースになれますか?」嘉村賢州に聞く、“苦手を克服しない”キャリア形成術をご覧ください)

そこで、この連載では周囲の人たちに「エース」として第一想起されるようなビジネスパーソンを目指すため、「働き方」に一家言ある有識者の方たちに、インタビュー取材と称したキャリア相談を行なっていきます。

第二回にお伺いしたのは、博報堂でコピーライターを務められたのち、カラス / 文鳥社を設立され、エードット役員を務められている牧野圭太さんです。

理系出身である牧野さんがコピーライターの仕事にたどり着くまでのエピソードや、新人時代にどういった仕事術を実践されていたのかを深掘りし、エースになるための思考法や、そのための具体策を探ります。


実は、180日続けるだけで、下っ端から這い上がれる


—— 僕みたいなどうしようもない人間がエースとして組織を引っ張っていくためには、どうすれば良いのでしょうか?

牧野:自分流のやり方を追求して、自分のルールで働けるようになれば、いずれ突き抜けられると思います。組織に所属すると、既成のルールに準じて仕事を進めなければなりませんが、そのルールが自分に合っているかどうかは分からないし、もし合っていなければ成長も遅くなりますよね。“自分だけの得意”を突き詰めていく方が、結果的に組織内での活躍につながるんじゃないでしょうか。

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株式会社カラス/文鳥社 CEO, 株式会社エードット役員 牧野圭太さん


—— たしかに、得意を突き詰めたほうが、大きな結果を残せるかもしれません。しかし、自分の得意なことが今の仕事に活かせなさそうな場合、どうすれば良いのでしょうか?僕は絵を描いたり写真を撮ったりすることが得意なのですが、ライティングや編集の仕事に活かせなさそうで…。

牧野:ひとつの評価軸にとらわれなければ、活かせる道が見つかるかもしれませんよ。たとえば僕はコピーライター時代、下っ端としてなかなか活躍できなかった過去がありますが、実務とは関係ないところで仕事の転機を掴めました。

—— 詳しくお聞きできますか?

牧野:Facebookページ「コピーライターの目のつけどころ」を運営して、フォロワーを増やしていったんですよ。当時は約7万人のフォロワーがいて、このページを運営しながら活躍の場を広げたんです。

コピーライターとして働いていた当時、いわゆる“フォロワー”が多い人は珍しかった。そうしたこともあって、「牧野には他の人にはない才能があるんだな」と社内から一目置かれるようになり、それまでとは異なる軸で評価される機会が増えましたね。

さらに、社外にも僕のページを見てくれる人が増えていき、初めて会う人との仕事がスムーズに進むこともあったんですよ。

—— なるほど、一見コピーライターの仕事とは関係ないことでも、評価してもらえる機会をつくれたんですね。たしかに僕も、自分の得意分野を「ライター・編集者の仕事に直接役立つかどうか」だけで判断してしまっていたかも…。ちなみに、Facebookページのフォロワーはどのように増やしていかれたのでしょうか?

牧野:「半年間、必ず毎日1回は投稿する」と決め、愚直に続けました。すると、自然に増えていきましたね。

—— 細かい質問になってしまうのですが、なぜ半年…?

牧野:半年と決めたのは、1年続けるのはしんどそうだったから(笑)。それと実は、最初に半年と決めたわけではなく、運営を始めてしばらく経ってから決めたんですよ。


正直に言うと、「これをずっと続けても意味がないな」と感じるようになって。だって、僕は「SNSで有名な人」になりたかったわけではないですからね。とはいえ、仕事を有利に進めるためのツールとしてとても役立ちましたけど。

—— 想像していたより単純な答えが返ってきて、なんだか安心しました(笑)。たしかに、ページを大きくすること自体は目的ではないですもんね。

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牧野:やり方は人それぞれですが、とにかく自分に合った仕事の進め方を見つけ出すことが大切です。たとえば弊社で学生社員をしている辻愛沙子は、たった一年でテレビに取り上げられるぐらいの活躍をしてくれています。


彼女は自分の興味に向かってとにかく突き進んでいくタイプで、僕たちが仕事をお願いするのではなく、彼女がやりたい仕事に対して僕たちがアドバイスする体制を築いています。

—— まさに、自分に合った仕事のルールをつくっているわけですね。同世代でそのような活躍をしている方の話を聞くと、ふつふつとやる気が湧いてきますね…。

牧野:もうすでに「辻さんに仕事をお願いしたい」という問い合わせがたくさん来る環境になりました。彼女に会うために会社を訪れてくれる方もたくさんいますし、とてもありがたいです。彼女のような仕事のスタイルを築くことができれば、成長スピードは加速していくのではないでしょうか。

できないなら、とにかくやる。文句はやってから言いなさい


—— 少し話を戻し、牧野さんの新人時代についてお話を伺いたいです。理系出身の牧野さんが、新卒で入社された博報堂でコピーライターのお仕事を務められるまでには、どういった経緯があったのでしょうか?

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牧野:実は、元々は営業志望だったんですよ(笑)。最初の人事配属でコピーライターの仕事をするようになったのですが、どんな仕事をするのかもまったく知らなくて。

—— あれ、そうだったんですか!ツイッターでクリエイティブに関連する呟きが多いので、てっきり第一希望だったのかと。

牧野:学生時代、過去に博報堂で営業を務めていたととても格好いい方と知り合いました。「こんな魅力的な人がいる会社にいきたい!」と思ったことが博報堂を目指したきっかけなので、入社すると決めたときから営業志望です。だから、希望の部署を聞かれたらいつも「営業」と書いていたのですが、なぜか蓋を開けたらクリエイティブ部門に配属されていました(笑)。

—— まったく予想されていなかった仕事を務めることになり、慣れるまではとても苦労されたのでは?

牧野:コピーライティングについて書かれている本をひたすら読んだりして、もがいていましたね。僕が配属されたチームは、クリエイティブディレクターとコピーライターの先輩が一人ずつと、僕を合わせた3人しかいなくて。圧倒的に仕事ができる2人と比べ、自分の無力さを痛感する日々でした。

僕が丸一日かけてつくる企画書も、先輩たちの手にかかれば2時間でできてしまうんです。最初の3年間くらいは、良いコピーなんてまったく書けないし、企画も通らないので、ひたすら下っ端の企画書づくりを続けていました。そんな風に2人のあとをひたすら追っているうちに、だんだんと基礎的な仕事力が身についていったんです。

—— 牧野さんにも、そんな時代があったのですね。僕も、師匠だったらあっという間に書き上げられるような原稿に丸一日費やしてしまうことがよくあり、勝手にシンパシーを感じました…。そのような状態を、牧野さんはどのように克服されたのでしょうか?

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牧野:少しでも作業スピードを上げようと必死に工夫していましたが、正直、それでも時間はかかりました。今でも企画書をつくるスピードでは先輩には絶対勝てません。なので、別の戦い方をする必要があります。


僕の場合は、会社をつくってチームをつくるで総合力として戦ったりということですね。「苦手なことを克服する」よりも「得意な領域を見つけてそこで戦う」ということも若い人には大事かと思います。

—— なるほど、逆転の発想ですね…!以前の取材で、場とつながりラボ home's vi(ホームズビー)代表の嘉村賢州さんからも同じように、「苦手を克服せず」に活躍してくためのアドバイスを受けました。とはいえ、ライターの仕事は続けたいので原稿から逃げるわけにはいかないですし、うーん…。

牧野:ひとつアドバイスすると、まずは「誰よりも多く原稿を書く」ことを目指してみると良いかもしれません。僕は「量をこなす」ことが、仕事ができない人が最低限果たすべき義務のひとつだと思っています。圧倒的な量をこなすことで新たな気付きが生まれ、その積み重ねこそが仕事の質を押し上げると考えているんです。

—— うっ、胸を張って「誰よりも書いている」と言えない自分がいますね…。時間はかかるかもしれませんがとにかく量をこなそうと、改めて身が引き締まりました。

「素直さこそが、成長の起爆剤だ」


—— 続いて、少し違う角度から質問させていただきます。ひとりの新人として気になるのですが、牧野さんが「成長しそうだな」と思われるのは、どのような素質・姿勢を持った人でしょうか?


牧野:学ぶ意欲が感じられる人ですね。言い換えるならば、自分が何者でもないことを自覚できる謙虚さを持った人。自分がどのくらいのポジションにいて、どれくらい能力が不足しているのかを認識できている人は強いと感じます。

「僕でもエースになれますか?」牧野圭太に聞く、下っ端から這い上がる処世術


—— たしかに自分の実力を買いかぶっている人は、そもそも向上心を持てませんね。ちなみに、新人のどのような振る舞いから学ぶ意欲を読み取られているのでしょうか?

牧野:たとえば、アウトプットに対するフィードバックをもらったとき、それを素直に受け入れられるかどうかに現れます。


指摘されたことをすぐに飲み込める人は成長が早いし、反対に納得するまでに時間がかかる人——つまり、自分の能力を客観視できていない人は成長が遅くなります。アウトプットに自信を持つのは悪いことではないですし、上長が言うことが絶対に正しいとも限りません。


でも若いうちで「自分がまだできていない」と思うのであれば、うふだうだ言わずにとにかくやってみるということも大事です。

—— 『スラムダンク』の安西先生の名句「下手糞の上級者への道のりは己が下手さを知りて一歩目」が想起されました…(未読の方はぜひ読んでください、絶対に後悔させません)。「うまく原稿が書けた」と思ったときほど、編集者やクライアントからのフィードバックに素直に向き合うことを心がけたいです。

最後に、今はまだ何者でもないけれど、これからエースとして活躍していきたい人のために、何か一つアドバイスをいただきたいです。もし今、牧野さんが20代の若手だったとしたら、どのようなアプローチの仕方をされますか?

牧野:SNSでフォロワーを獲得し、個人のレピュテーションを高めていくことに注力しますね。最近は各所で言われ尽くされていると思いますが、SNSは純粋に評価が伝わりやすいし、自分がやったことを一々発信し、影響力を持てることはそれだけで価値があると思います。

加えて、誰でもハックしやすいこともポイントです。正直にいえば、「コピーライターの目のつけどころ」も、大したことは何もしていなくて。面白いと感じたキャッチコピーを取り上げて、どこに魅力があるのかを書くだけなので、学生でもやろうと思えばすぐできるはずなんです。

—— しかし、キャッチコピーを毎日見つけてくるって、一見簡単そうでかなり手間がかかりそうな気もします。それに、牧野さんの「コピーライティング」のように、自分の得意分野がない場合はどうすれば…?

「僕でもエースになれますか?」牧野圭太に聞く、下っ端から這い上がる処世術


牧野:題材は本当に何でも良いんですよ。実際に、Instagramで僕が運営しているアカウント「今日は本を読もう!」は、本の写真と500字ほどのシンプルな紹介文を毎日投稿するだけなのですが、1年で1万人近くからフォローされました。

—— Instagramでもアカウントを運営されていたんですね。1年で1万人はすごい…!

牧野:今は更新を止めちゃっていて、せっかく多くの方からフォローしていただいているのに、もったいない状態なんですけどね(笑)。だから、得意分野がなかったとしても、本なり映画なり、何でもいいからテーマを一つ決めて毎日投稿してみると、道が開けるかもしれませんよ。



「僕が誰よりも結果を出す。それ以外に、リーダーの仕事はないと思うんです」–––落ち着いた面持ちでお話しされる牧野さんの内面からは、燃えるようなマッチョイズムが感じられ、その格好よさに惹かれると同時に、とても背筋が伸びる思いでした。

作業スピードの遅さからまったく量をこなせておらず、現状では最低限の義務すら果たせていない僕ですが、謙虚な姿勢だけは決して忘れず、着実に量を積み上げていく所存です。

この記事を書いた学生ライター

岡島たくみ
岡島たくみ
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㍿モメンタム・ホース所属のライター・フォトグラファー。人に内在するストーリーを紐解くことが仕事です。「僕でもエースになれますか」連載中。

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