【加藤喬大】大企業でスタートアップライクに働くには?博報堂で活躍する20代に「自分らしいキャリア」について聞いてみた

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学生の皆さん、確固たる指針を持って進路を選択できていますか?

家族や友人の意見に流されるまま、なかば“思考停止状態”で就職先を決めている方もいるかもしれません。そんな悩み多き学生に、キャリア選択のヒントをお届けしていく連載【 #学校では教えてくれないキャリアの話 】。

社会の第一線で活躍する経営者・ビジネスパーソン・クリエイターの方々に、進路選択の心構えを聞いていきます。

今回お話を伺ったのは、博報堂に務める加藤喬大さん。

加藤喬大さんは、広告会社・博報堂に新卒で入社し、現在は20代の若さでHakuhodo Blockchain Initiative(以下、HBI)の中心メンバーとして活動中。

地方自治体によるICOを支援するプロジェクトへの参画や、落合陽一さんが主宰する筑波大STEAMリーダーシッププログラムへの参加など、社内外で精力的に活動されています。

加藤さんは、大企業にいながらスタートアップライクに働くために「孤独になり、自分と対話することが大事」と語ります。就活時に持っておくべき心構えや、大企業という環境を活かしながら主体的に働くための方法など、キャリアを考えるうえでのポイントをお伺いしました。


「好きなこと」と「人から求められること」を見つけることからスタート


––– 加藤さん、よろしくお願いします!進路選択に迷っている学生に向けて、アドバイスをいただけますか。

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加藤さん
:「好きなことで、生きていく」というコンセプトが、いま多くの若者を捉えていると思います。自分もこの概念について深く考えてきました。


そのなかで辿り着いたのは、当たり前なことかもしれませんが、自分と向き合って「好きなこと」を見つけるための時間をしっかり持つこと。そしてそこから「社会から求められていること」との交差点を模索することが非常に重要だということです。

––– 「自分の好きなこと」と「社会に求められていること」の重なりを見つけるべきだと…。加藤さんはどうやって、その交差点を見つけたのでしょうか。

加藤さん:僕の場合は、意識的に孤独になる時間をつくっています。普通に会社員をしていると、やはり時間に追われることが少なくありません。ですが、深夜や土日の時間を利用して、できるだけ多くの人と会ったり情報をインプットしたりする時間と、ひとりで考え事をしている時間とで、思い切って2つの時間に振り分けて生活することを心がけています。

平日や休日を問わず、常に連絡が届いて来ますが、何か考えるときはスマホも置いてぼーっと考え事していますね。電車に乗っているときやお風呂に入るときでもいいので、自分と対話する時間を大事にしています。やはりオリジナリティを産むのは、借り物のコトバではなくて、自分の思考で見つけたコトバだと思いますから。

––– 加藤さんは、どのようなスタイルで仕事をされているのでしょうか。

加藤さん:もちろん博報堂で働く会社員としての時間が多くを占めます。しかし、地方創生をライフワークとしてやっていきたいので、週末やその他の時間を活用し、茨城県でのボランティアをしたり、最近は平日深夜の「筑波大学のSTEAMリーダーシッププログラムに通ったりしていますね。

––– 社外活動に取り組む理由を教えてください。

加藤さん:僕は茨城県の、代々酒造りを生業としている家系に生まれました。原料となる米や水は地元のものを使うことが多く、地元の人々との強い結びつきなしには成り立たない事業です。

実家にはひっきりなしに人が来ていましたね。そうした原体験から「日本文化について考えること」や「地方創生」に関して、自分が生涯をかけて取り組んでいくライフワークにしていきたいと捉えるようになりました。大学進学を機に上京した後、卒業論文は地方自治体の資金調達をテーマに書いたほどです。それが現在の、「自治体ICO」の取り組みに共感する一つの礎となっています。

筑波のSTEAMリーダーシッププログラムに通っていたのは2つの理由からです。20代後半に差し掛かって自分の人生のロールモデルを見つけたかったことと、世の中を見る「自分の視座」を高いところに持っていきたかったこと。どちらの理由においても、通って良かったと思っています。

––– 「地方創生」を本業にしようとは思わなかったのでしょうか?

加藤さん:大学時代の自分はとにかく「多面的に社会を見てみたい」気持ちが強かったんです。ひとつの業種に縛られず、様々な業界に触れる環境を探していたところ、候補となったのが博報堂でした。

マーケティングを通してさまざまな業界と接点を持つことが出来るのは、社会人をスタートさせる上で非常に大きな経験になると考えました。実際に入社前のイメージと変わらず現在働けているので、選択に間違いはなかったと思います。

孤独になり、自分の言葉にこだわること


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–––加藤さんが日々仕事で気を付けていることを教えてください。


加藤さん
:言葉にプライドを持つようにしています。誰かに動いてもらったり、世の中にムーブメントを起こしたりするためには、借りものではなく、自分が探してきて見つけた言葉で話すことが重要だと思っているからです。「インフルエンサーが言っていたこと」をそのまま話すのでは、勘のいい相手にはバレてしまうし、何より自分の熱量が継続しません。


相手を動かしたり、自分が継続して活動に没入したりするには、自分で見つけた言葉や、自分が本当に信じられるコンセプトが必要だと思います。そのため、僕は「孤独になる時間」をつくるようになりました。実行していくなかで「自分自身と対話する時間って意外となかったな」と気づきましたね。僕はけっこう飲み会も好きですし、隙あらば人と会いに行ってしまうのですが、意識して“ひとりの時間”を取るようにしています。


––– だから、いま会社においてもオリジナリティある動きができているのでしょうか。


加藤さん
:「地方創生」に熱量を持ちながら、「最先端テクノロジー」をやりたいと思っている人は、想像以上に少ないのではないかと思います。ある種、自分の個性が極端な軸でかけ算になっていることで、珍しがられてチャンスを与えていただいた側面もあるのかもしれません。


––– 大企業に所属しながら、新しいチャレンジをしていくために気をつけていることを教えてください。

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加藤さん
:大企業も思考錯誤を続けています。私が携わっているブロックチェーンを活用したビジネスプロジェクト「HBI」は全てのメンバーが通常の業務にプラスオンする形でやっています。だからこそ、この仕事を「自分がやりたいんだ」という気持ちを大事にしているのです。最近のプロジェクトの進捗を見ていると、やはり能動的に自分が皆を巻き込んで進んでいく仕事の醍醐味というか、「あぁ、ここまでできるんだな」といった本当にワクワクする気持ちがとても高まっています。


––– 今後の展望についてもお伺いさせてください。


加藤さん
:「大企業に“出島”みたいな場所ができるといいな」と思っています。人・モノ・金の3点で潤沢なリソースを持った大企業のなかに「出島」(=新しい感性に開かれた空間)ができるとする。大企業のなかで働く人たちのなかからスタートアップが持っている最先端のテクノロジーを理解し、社会課題に取り組む人が増えてきたら、社会に大きなインパクトが残せるのではないかと思っています。「大企業 or スタートアップ」の二項対立に縛られるのではなく、両者の架け橋となって社会を変えていく選択肢がもっと広まればいいなと思っていますね。

「けしからん」と「素晴らしい」は紙一重


––– 最後に、読者の学生に向けて一言メッセージをお願いします。

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加藤さん
:「けしからん」と「素晴らしい」はほぼ紙一重ではないかと感じることがあります。その場では「けしからん」と思われる行動でも、社会の変化に伴って、いつのまにか「素晴らしい」と言われることもあるのではないでしょうか。だからこそ、自分が正しいと思ったことは、振り切ってやり抜いていく姿勢が大切だと思っています。そのためにも、冒頭でお話したように、孤独になって自分の心の声に耳を傾けることも必要です。いまの時代、一人になる時間を持つことは大変かもしれませんが、まずは意識して「孤独」になってみるといいかもしれません。そこで見つけた「やりたいこと」にまずは挑戦することで、自分の可能性が次々と広がっていくと思います。

加藤 喬大:プロフィール

1991年6月4日生まれ。実家が江戸時代から酒造りを営む明利酒類株式会社に生まれる。2014年博報堂入社後、化粧品メーカー、飲料メーカー等大手クライアントの担当を経て、現在Hakuhodo Blockchain Initiativeのトークンコミュニティプロデューサーとして活動中。


製作協力:株式会社モメンタム・ホース
構成:川尻疾風、編集:小池真幸、撮影:岡島匠

この記事を書いた学生ライター

co-media 編集部
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