未来へ最短距離で生き急ぐ若者たちへ。生き急がない女性キャリアの考え方

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co-media学生ライターの私・佐々木希海が、女性のキャリアと生き方についてインタビュー形式で相談する新連載【 #今日は性の話をしよう 】。

第一回目にお話を伺ったのは、『AERA』の元編集長で、現在は『Busienss Insider Japan』統括編集長を務める浜田敬子さん。

浜田さんは昨年、働く女性の今までとこれからについて語った『働く女子と罪悪感』を上梓されており、女性のキャリアに非常に造詣が深い方です。

仕事と家庭、そして自分の人生を、私たちはどう生きていけばいいのか。浜田さんとともに探っていきます。


「女性が働く時代の到来」「女性の社会進出」——そんな言葉が飛び交うようになったここ十数年。

颯爽とスーツで街を闊歩するキャリアウーマンや、朝早くから子供たちを保育園に預けて逞しく仕事へ向かうお母さんたちに憧れ、未来の自分ももちろんそうなるものだと思っていました。

いつか私も彼女たちのように、就職し結婚し母になるのだろうと。

しかし大学へ進学し、就職や結婚が現実味を帯びた年齢になってくるにつれて、疑問や不安が芽生えるようになりました。

母の話を聞いても、先輩の話を聞いても、浮かぶのは将来への希望よりも、「私にできるのだろうか」という不安。

仕事と家庭の両立、さらには仕事における自己実現。現代の女性に求められるものの多さの前に、私たちはしばしば立ち尽くします。

「もういっそ、働きたくない」「専業主婦になりたい」——そう嘆く友人も少なくありません。

しかし、女性も働かなくてはいけない時代であることも事実です。

男性の生涯年収が下がって行く中で、一生私を専業主婦で食べさせてくれるパートナーを見つけられる確率は非常に低い。

もし見つけられたとしても、経済的自立なしに結婚という不安定な関係性だけを頼りに生きていくのは正直怖いです。

働くにしても、働かないにしても、不安だらけの毎日ですが、時間は着々と進んでゆきます。

社会に出て、仕事に就くまであと2年。

残された学生生活の時間で、働く女性の現状について正しい知識を得て、自分のキャリアを熟考したい。そして、将来のために今できることをしておきたい。

そこで今回は、「女性の働き方」をさまざまな角度から捉え、その改善に務める浜田さんにお話を伺いました。

制度より風土、風土より上司、上司より私自身


佐々木希海(以下、佐々木):本日は、女性のキャリアと生き方についてお話をお聞きしたいと思っています。近年「女性の社会進出」が叫ばれていますが、耳に入ってくるニュースを聞くと、現実は、男女が平等に働ける社会とは程遠いものだと感じざるを得ません。

女性の働き方を数多く取り上げてこられた浜田さんから見て、何が変わり、何が変わっていないのかをお伺いしたいです。

未来へ最短距離で生き急ぐ若者たちへ。生き急がない女性キャリアの考え方

BUSINESS INSIDER JAPAN 統括編集長 浜田敬子さん


浜田敬子さん(以下、浜田さん):最も変わったことは、法改正とそれに伴う企業の制度です。1985年制定の男女雇用機会均等法に始まり、この30年間で女性の働き方に関する法律がいくつか可決されてきました。最近では、政府が発表した「働き方改革関連法」が記憶に新しいですね。

また法律改正に伴い、会社内の制度も充実してきたと感じています。育休制度や短時間勤務など、働くお母さんの環境は少しずつ整ってきました。

さらに近年は、人手不足問題やダイバーシティの考え方が浸透し、少しずつですが社会が働く女性に肯定的になってきていると感じます。優秀な女性を登用しないことが企業としても社会的に大きな損失だと、社会が気がついたのです。

佐々木:会社内の制度等はきちんと利用されているのでしょうか?制度があっても利用しにくい空気があったり、育休後職場復帰しても、もう現場の第一線には戻れない「マミートラック」と呼ばれる現象があると聞いたことがあります。

浜田:二極化が非常に激しいと感じます。先進的な企業は働き方もどんどん変化し、女性登用も進んでいますが、なかなか進んでいない企業もまだ多いです。

佐々木:進んでいない企業とは、どのような会社を指すのでしょうか?

浜田さん:たとえば銀行や商社、製造業の一部など、まだ男子学生に人気の企業では、働き方を抜本的に変えなくても人が採用できるので、大きく働き方や女性に対しての考え方が変わっていないと感じます。

法や制度の改正は、働き方が変化する起爆剤にはなりますが、実際に変化できるかどうかはまた別の問題なのです。

佐々木: 起爆剤があっても、なかなか変化できないのはなぜでしょうか?

未来へ最短距離で生き急ぐ若者たちへ。生き急がない女性キャリアの考え方


浜田さん:「意識が変わっていないから」ではないでしょうか。私は「制度より風土、風土より上司」の変化が大事だと考えています。

管理職層である40〜50代の男性たちの考えが変わらないと、なかなか改革は見込めないでしょう。若い層には、「自分も育休を取得したい」などという考えを持つ男性も増えてきていますが、おじさんたちの意見はそうそう変わりません。

また、男性に比べるとあまり注目されていませんが、女性自身の意識も変化できない原因のひとつだと思っています。

佐々木:女性自身の意識…ですか?

浜田さん:たとえば、佐々木さんはどう?「女性は結婚して出産しなくてはいけない」とか、「子どもが3歳になるまでは自分の手で育てなくてはいけない」とか、考えたことはない?

未来へ最短距離で生き急ぐ若者たちへ。生き急がない女性キャリアの考え方


佐々木:たしかに…少し考えているかもしれないです。

浜田さん:佐々木さんのような若い層でも、こうした考え方に囚われ、プレッシャーを感じてしまう女性が多いのです。もっと多様な生き方があっていいし、ひと昔前に「女性の役割」として考えられていたものにとらわれなくてもいいと思う。

出産し子育てをすることも素晴らしい経験だし、親が子供を愛することも大事ですが、父と母どちらが面倒を見たっていいし、「一緒に過ごす時間=愛情」ではないはず。人それぞれ、家庭それぞれのやり方があっていいはずなのに、そうした考え方に割り切れていない人が多いと思います。

時代が変化しているのにも関わらず、女性たちの考え方は自由になっていないのです。

佐々木:なるほど。男性ばかりがフォーカスされがちですが、意識改革は男女どちらにも言える課題だったのですね。

浜田さん:制度は整ってきたのに、自身や周囲のジェンダー意識が変わっていないので、女性たちはその乖離に引き裂かれてしまっているのかもしれません。

「将来が怖いです」——今日できることは何ですか?


佐々木:では、乖離を克服するためには、どうしたらいいのでしょうか?

未来へ最短距離で生き急ぐ若者たちへ。生き急がない女性キャリアの考え方


浜田さん:最も根本的な解決策は、意識の改革です。意識をひとりで変えるのは意外と難しいので、誰かに話してみるいいと思います。

また、意識変革とは別の部分にフォーカスするのも手かもしれません。たしかに、意識改革は非常に大切ですが、漠然としすぎていて難しい。意識を変えるより、不安解消に努めるのも一つの解決方法です。

佐々木:不安解消とは、具体的にどのようなことをしたらいいのでしょうか?

浜田さん:“不安”の元を分解してみてください。敵の姿が見えないのに、戦うことはできませんよね。不安の実態をきちんと掴むことで、解消方法が見つかります。

体力があまりないから長時間労働が不安なのか、今付き合ってる彼氏と結婚できるか不安なのか、子育てがワンオペ育児になるのが不安なのか…何が不安かを考えると、自然と自分がどういう働き方をしたいのかが見えてくるはずです。

佐々木:なるほど。学生のうちに自分の中のキャリア観と向き合えると、就職先とのミスマッチなども少なくなりそうですね。

浜田さん:そうですね。将来のために今できることのひとつだと思います。こうして不安の実態を把握すれば、今自分が何をすべきかも見えてきます。一つひとつ不安を潰していくためにも、行動を積み重ねるべきです。

自分の決断なら、後悔しない


佐々木:最後に、読者である若い女性たちに向けて、あるいは私に向けてになるかもしれませんが、メッセージをいただきたいです。

未来へ最短距離で生き急ぐ若者たちへ。生き急がない女性キャリアの考え方


浜田さん:佐々木さんと話していると、さまざまな「べき」に囚われたり、「意識を変えなくてはならない!」と無理しすぎたり、将来について過剰な不安を抱えたり、ちょっとしんどくないのかな、と心配になってしまいます。とても生き急いでいるように感じてしまうのです。

もちろんそれは佐々木さんに限らず、私たちが取材している最近の20代は、さまざまな「べき」に苦しんだり、完璧なキャリアを計画しすぎたりしている気がします。

佐々木:しかし、仕事と家庭を両立する大変さを耳にするたびに、将来についての焦りは増していきます。先ほど不安の解消法についてお伺いしましたが、不安に向き合いキャリアを考えるうちに、生き急いでしまうのも無理はない気がします。

浜田さん:不安に向き合い、将来のことを考えることはとても大切です。ただ、過剰な不安に中毒になっているような状況は健全ではないかなと思います。結局自分が何をしたいのか、見えなくなるリスクの方が大きい。自分が描くキャリアやライフスタイルをあまりに最短距離で目指すあまり、失敗や回り道を恐れすぎているなあと感じるのです。

もっと色々試してみてほしいんです。就職先とマッチしなかったら、転職したらいい。恋人が「この人じゃなかった」と思えば、別れて他の人と付き合い直せばいい。回り道をしても、失敗しても、自分で選んだ道だったら後悔はしないはずです。回り道をしたからこそ、見える景色もたくさんあります。キャリアプランを持つことは大事だけど、それから少し外れたとしても悲観する必要はないし、その違う道にもっと大きな可能性があるかもよ、と言いたいのです。

そもそも自分の中の正解とは、幾度もトライアンドエラーを繰り返した先にやっと見つかるものです。学生時代は可処分時間が長いのだから、アルバイトやインターンなどをして、自分の足で動いて正解を見つけにいってほしい。

特に若い女性は、ライフイベントを気にするあまり、トライアンドエラーを過剰に恐れてしまっています。結婚や出産といった人生のピースを早く埋めようと、自分のやりたいことができなくなるのは本末転倒です。

あるべき姿を押し付けられたり、意識しすぎて悩むより、自分のありたい姿を考えて、人生を創っていってほしいと思いますね。


「これからの時代は女性も働かなくてはならない」「経済的に自立して生きていかないと」「でも子供は自分の手で育てたい」「そもそも結婚はどうしよう」…。

私たちは、いつの間に、こんなにも多くのことに縛られて苦しくなっていたのだろう。浜田さんとの対話は、そんな私の心をゆっくり解きほぐし、こわばった肩に手を置いて前を向かせてくれるものでした。

情報過多の現代、キャリアについて早くから悩んでしまう学生は多い。特に女子大生からは、キャリアプランに加え、キャリアとライフイベントとの両立に悩む声をよく聞く。

母として、妻として、一人の人間として。女性に期待される多すぎる役割を思い、生き急いでしまっている人も少なくないのではないだろうか。

しかし、さまざまな「こうあるべき」に囚われていても、仕方がない。周囲から押し付けられ、無意識に育てられてきた、多くの「べき」。それらををパーフェクトにこなす人生を送っても、その先に、なりたかった自分はいない。自分の人生の手綱は自分で握るしかないのだ。

未来へ最短距離で生き急ぐ若者たちへ。生き急がない女性キャリアの考え方


この記事を書いた学生ライター

Nozomi Sasaki
Nozomi Sasaki
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1998年生まれ 山口県出身 横浜国立大学経営学部在学中。家族や性愛、ジェンダーに興味があります。

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