【5時こーじ】早起きは、人生をポジティブに変える起爆剤。普通のサラリーマンは、いかにして“日本の朝を変える男”になったのか

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学生の皆さん、確固たる指針を持って進路を選択できていますか?

家族や友人の意見に流されるまま、なかば“思考停止状態”で就職先を決めている方もいるかもしれません。そんな悩み多き学生に、キャリア選択のヒントをお届けしていく連載【 #学校では教えてくれないキャリアの話 】。社会の第一線で活躍する経営者・ビジネスパーソン・クリエイターの方々に、進路選択の心構えを聞いていきます。

今回お話を伺ったのは、朝活コミュニティ「朝渋」プロデューサーの5時こーじさん。

5時こーじさんは、求人メディアを手がける株式会社インディバルに新卒入社。その後、ITスクールTECH::CAMPを運営する株式会社div、料理動画メディアGOHANを運営する株式会社トピカを経て、株式会社Morning Laboの取締役に就任しました。

新卒2年目に「朝渋」を立ち上げ、現在、総来場者数4000名を越える著者イベントを定期的に開催。いまでは約200名以上が参加する早起きコミュニティの主催もされています。

5時こーじさんは「苦手なことは他の人に助けてもらえばいい。好きなことだけに注力しよう」と語ります。自分だけの「タグ」の見つけ方から、自分の長所の見つけ方まで、キャリアを考えるうえでのポイントをお伺いしました。

みんな揃って9時出社する必要ある?


—— 本日はよろしくお願いします!5時こーじさんのように、自分ならではのキャリアを切り拓くためのコツを教えてください。

【5時こーじ】早起きは、人生をポジティブに変える起爆剤。普通のサラリーマンは、いかにして“日本の朝を変える男”になったのか


5時こーじさん:自分だけの“タグ”を持つことが大事です。僕が“早起きの”5時こーじと呼ばれているように、名前とセットでつけられ、自己紹介したときに「なにそれ!?」と興味をもってもらえるものが良いでしょう。

たとえば、今からはあちゅうさんに憧れて「ブロガー」を目指しても、同じようにはあちゅうさんに憧れている人はたくさんいるじゃないですか。もしブロガーになりたいのであれば、誰かの二番煎じになるのではなく、「他の人とどう差別化するのか」をはっきりさせるべきです。

—— 「自分のタグ」はどうすれば見つかるのでしょうか?


5時こーじさん:自分が「苦労せずにできること」はなにか、考えてみてください。たとえば、他の人が1時間かかるエクセルの作業を10分で終わらせられるなら、それは大きな武器となります。「卵を割るのが早い」、「渋谷にある綺麗なトイレを知り尽くしている」...どんな些細なことでも構いません。

もしくは、自分が「怒りを感じること」から逆算して考えてみても良いと思います。たとえば、僕は昔から満員電車が大嫌いでした。「なぜみんな揃って9時出社しないといけないの?」、「もっと朝の時間を有効に活用できるのでは?」といった「怒り」が、朝渋をはじめるきっかけにもなったんです。日常生活で覚えた違和感は、自分の「タグ」を探すうえで大きなヒントになります。

人生の転機は「気が狂ったように働いたインターン」


—— 「5時こーじ」というタグは、昔から意識していたのでしょうか?


5時こーじさん:そんなことはありません。もともとは「自分だけのタグ」が分からず、やりたいこともはっきりしていない学生でした。付属高校からエスカレーター式で大学に進学し、幅広く学べそうな総合政策学部を選んでいましたね。

当初は、先輩の勧誘をきっかけではじめた学生団体の副代表を務めていました。しかし、大学2年の秋、創業直後の株式会社divでインターンをはじめてみたとき、転機が訪れたんです。

学生団体にいた頃は「自分はなんでもできるのではないか」と少し天狗になっていましたが、社員の方が自分とあまり年齢が離れていないにも関わらず優秀で、自分の力不足を思い知らされたんです。

それ以降、「なんとかして追いつきたい」と思い、インターンを「自分を高める場所」と捉えて毎日のように会社に通うように。大学とバイト以外、空いている時間は全てインターンをする生活を半年くらい続けていると、次第にできることも増えていきましたね。

—— インターンでの成長を経て臨まれた就職活動では、どのように進路を決めたんですか?

【5時こーじ】早起きは、人生をポジティブに変える起爆剤。普通のサラリーマンは、いかにして“日本の朝を変える男”になったのか


5時こーじさん:もともと競争文化が苦手だったので、大量採用されて競争を強要されるような人生を歩まないことを意識していました。自分も含め、ワクワクしながら働けるビジネスパーソンを増やしたいと思ったので、「人生を後押し」できそうな人材業界の企業ばかり受けていましたね。結果、尊敬する先輩方が多かったインディバルに進路を決めたんです。

しかし入社後すぐ、過去にインターンをしていたdivの社長から「事業が軌道に乗り、営業マンが必要になった。会社に戻ってきてくれないか」というお誘いが。入社から日が浅かったので戸惑いましたが、断ったら一生後悔すると思い転職することにしました。

—— 新卒1年目で声をかけてもらえるなんて、学生インターンの頃の働きを高く評価されていたんですね。

5時こーじさん:ビジネススキルではなく、人間性や働く姿勢を評価してくれたのだと思います。「素直でいいやつ」だと思われていたようなので(笑)。

転職後は、二つの新規事業立ち上げに携わりました。しかし、最初は会社が急成長して楽しかったものの、会社の規模が広がっていくにつれて心情が変化していったんです。

現場の最前線で経験を積んでいくうちに、人事やPRといった組織運営の領域に興味を持つようになりましたが、会社のフェーズ的にも営業職が求められており、異動願いも取り下げられたんです。歯がゆい思いをしていましたね。そんな折、さらなる人生の転機が訪れました–––「朝渋」の誕生です。

早起きが自分だけの“タグ”に。朝渋の誕生秘話


—— 「朝渋」が生まれた経緯を、くわしく聞かせていただけますか?

【5時こーじ】早起きは、人生をポジティブに変える起爆剤。普通のサラリーマンは、いかにして“日本の朝を変える男”になったのか


5時こーじさん:起業家の西村創一朗さんと仕事を通じて仲良くなったのですが、西村さんが深夜に送ったメッセージを毎朝5時に返信していたら「そんなに会社が忙しいの?」「いや、22時に寝て、朝5時に起きているだけです」というやり取りをするようになって。

すると西村さんから、「いま独立したばかりで生活リズムが崩れている。どうやったらそんなに早起きできるか教えてほしい」と相談を受けるようになりました。寝る時間が遅くなりそうな日は報告してもらったり、お風呂や運動の時間も相談されたり…。毎日のようにコミットした結果、約1ヶ月後には彼に早起きになってもらうことができたんです。

まさか自分が当たり前のようにやっていた「早起き」が、人の役に立つとは思っていませんでした。その流れで、「同じように早起きしたいビジネスマンは多いはず」という西村さんの直感に誘われるまま、朝渋の前身となるイベントを開催することになりました。

第一回目のイベントは、「早起きする方法を紹介する」ものでした。参加費1,000円で20名が集まり、1万円の利益が出たのですが、そのときの嬉しかった気持ちは今でも忘れられません。額面は微々たるものかもしれませんが、生まれてはじめて、自分だけの手で稼いだお金だったからです。予想外に反響が大きく、その後も同様のイベントを何度か開催していきました。

—— 着実に成功体験を積み重ねていったんですね。

5時こーじさん:でも、集客に苦労することも多くて。悩んだ結果、一度イベントを仕切り直すことにしました。一旦イベントの開催はストップし、中心メンバー4,5人で毎週金曜日の朝7時に集まり、朝渋の方向性を整理するための作戦会議を行いはじめたんです。

議論を重ねるうちに、「本好き」という共通点が見つかりました。同時に、「社会人は本を読む習慣をつけにくい」という課題感も共通していたので、毎週金曜日の朝7時に集まり、携帯を置いて各々が読書する取り組みを行うようになったんです。

取り組みを続けるうちに、みんな読書習慣がついてきた実感があって。「こうして集まって本を読むのもいいね」と話していた折に、また転機が訪れました。初期から一緒にイベント運用をしていた西村さんが、「Forbes JAPAN副編集長の谷本有香さんが今度新刊を出すらしいが、彼女を読書会に呼んでみないか?」と提案してくれたんです。メンバーは「本を読んできたうえで、著者に来てもらえたら、すごいワクワクするよね」と乗り気になり、本人に打診したところOKをもらえました。

【5時こーじ】早起きは、人生をポジティブに変える起爆剤。普通のサラリーマンは、いかにして“日本の朝を変える男”になったのか


5時こーじさん:「せっかくだからイベントにしよう」と、「著者と語る朝渋」と題してネットで募集をかけてみたら…なんと一気に60人集まったんです。これまで20人〜30人レベルの集客に苦労していたので、メンバー全員が驚きました。実際にイベントの場でお会いした来場者の方も熱量が高い人ばかりで、「とんでもないイベントを開催してしまった」と思いましたね。

そこで、朝渋をただ早起きのノウハウを共有する場ではなく、「著者と語る朝渋」として定例化することにしたのです。回を重ねるごとに、SHOWROOMの前田裕二さんやサイバーエージェントの曽山哲人さんといった著名人の出演も決まっていき、右肩上がりで集客を伸ばしていくことができました。

—— これを副業でやっていたんですね…。

5時こーじさん:時間的にも体力的にもハードな日々でした。プレゼン資料の作成やファシリテーターの担当といった慣れない作業が重なるなか、毎回のゲストの方に関する下調べも徹底的に行なって…。本業以外の時間はすべて朝渋に費やしていましたね。

改めて振り返ると、一気に成長した半年間でした。というのも、2週間ごとにあらゆる大物ゲストの登壇に向けて準備をしなければいけないため、普通のビジネスマン以上に期限と緊張感に迫られ、必死に食らいついていたんです(笑)。

ちょうどこの時期に、朝渋との両立を前提にベンチャー企業に転職することに。なんとか、両立を心がけて死ぬ気で休日返上で日々を過ごしていましたね。そんななか、朝渋の運営を一緒にしていた妻のとある一言をきっかけに、朝渋を本業にすることを考えるようになったのです。–––「朝渋をやっているときの5時こーじが一番楽しそう。そのまま本業にしないの?」と。

先ほどお話ししたように、僕は、人の「人生を後押し」できる職に就きたかった。朝渋なら、その夢を叶えられると思ったんです。イベントに来た方からの感謝の声を聞くたびに、「誰かの生活習慣を、ポジティブに変える起爆剤になれている」という実感を噛み締めていたし、運営メンバーも活き活きと取り組んでくれていたから。悩んだ末に、妻が経営している株式会社Morning Laboで朝渋を事業化し、僕も入社することを決めました。公私混同経営ですね。

得意分野で一点突破だ。全精神を注げば、得意は武器になる


—— 朝渋プロデューサーとして活躍されるようになるまでに、そんな過去があったんですね…!最後に、学生に向けてのメッセージをお願いします。

【5時こーじ】早起きは、人生をポジティブに変える起爆剤。普通のサラリーマンは、いかにして“日本の朝を変える男”になったのか


5時こーじさん:自分だけの“タグ”を見つけるため、好きなことにできる限り時間を割くべきです。得意分野で突き抜け、苦手なことは他の人に助けてもらいましょう。

僕は、企画を立てた後に細かな調整をしていくのがどうも苦手で、他のメンバーにも手伝ってもらっています(笑)。ですが、「早起き」に関連する情報のインプットは誰にも負けませんし、これだけ多くのビジネスパーソンを早起きにしている人は他にはいないはず。

自分だけのキャリアを切り拓きたい人は、なにか没頭できることに全精神を注いでみてください。僕が「5時こーじ」という“タグ”のおかげで自分だけのキャリアが拓けていったように、みなさんも、自分にしかできない仕事がどんどん増えていくと思います。


5時こーじさん:プロフィール

1992年生まれ。求人メディアを運営する株式会社インディバルに新卒入社後、法人営業を担当。その後、大学時代インターンをしていた、ITスクールTECH::CAMPを運営する株式会社divに出戻り入社。法人研修、人材紹介事業を立ち上げた後、料理動画メディアGOHANを運営する株式会社トピカに転職し、法人営業、人事、広報を担当。現在は、株式会社Morning Laboの取締役を務める。

ライフワークとして、新卒2年目から、朝活コミュニティ「朝渋」を立ち上げ、 現在、参加者4000名を越える著者イベントを開催、200名のコミュニティを運営。2018年8月から、日本の「朝」を変えるべく、ライフワークだった朝渋を事業化した。


製作協力:株式会社モメンタム・ホース
構成:川尻疾風、編集:小池真幸、撮影:岡島匠

この記事を書いた学生ライター

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