【長谷川リョー】誰もが「1回目の人生を生きている」。注目の若手編集者が“人生の空白”で見つけた原理原則

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学生の皆さん、確固たる指針を持って進路を選択できていますか?

家族や友人の意見に流されるまま、なかば“思考停止状態”で就職先を決めている方もいるかもしれません。そんな悩み多き学生に、キャリア選択のヒントをお届けしていく連載【 #学校では教えてくれないキャリアの話 】。社会の第一線で活躍する経営者・ビジネスパーソン・クリエイターの方々に、進路選択の心構えを聞いていきます。

今回お話を伺ったのは、株式会社モメンタム・ホース代表・編集者の長谷川リョーさん。

長谷川さんは、東京大学大学院を卒業後、リクルートホールディングスに新卒入社。2016年12月にフリーランスのライターとして独立し、ビジネス・テクノロジー領域を中心に数多くのベンチャー経営者や最先端で活躍する研究者やクリエイターへ取材・執筆を重ねてきました。現在は株式会社モメンタム・ホース代表を務めながら、最先端のクリエイティブ、テクノロジーを紹介する『SENSORS』編集長をはじめ、様々な媒体や領域で活躍されています。

紙/Web問わず編集者として幅広く活躍されている長谷川さんは「強靭な覚悟を持ち、人生に楔を刺すことが肝要」と語ります。大学生活を戦略的に送る方法から、進路決定時に必要なマインドまで、キャリアを考える上でのポイントをお伺いしました。

学生最大の資産は「時間」。レピュテーションを蓄積する仕事にフルベットすべき


—— 長谷川さん、よろしくおねがいします!いま就活生だったら、どう進路選択をしていくか本日お伺いできればと思います。

【長谷川リョー】誰もが「1回目の人生を生きている」。注目の若手編集者を生んだ“人生の空白”、その全貌


長谷川リョーさん(以下、長谷川さん):まず前提として、人生の基本原理は「だれもが1回目の人生を生きている」こと。つまり、誰一人として比べるための、もう一個の人生を生きたことがない。なので、僕自身ほとんど誰かのアドバイスを信じたりしません。この手の取材も一個人の体験にしか基づいていないので盲信しない方がベターです…といった前提のもと、今日はお話させてください(笑)。

—— 長谷川さん自身は、進路選択で悩んだ経験などはありますか?

長谷川さん:僕の場合、ほとんどキャリア選択に迷ったことがないんです。なぜなら、小学生の頃から、「将来は馬主になりたい」と一貫して夢を抱き続けてきたから。就活のときも毎回この話をしてたら、どの面接官も面白がって聞いてくれて。リクルートに入社する前なんか、一緒に馬主になるためのロードマップを考えてくれたり(笑)。自分だけじゃなくて周りも、“明確な夢や目標”には魅せられると思うんです。そこにパワーが生まれるというか。

つい先日もFacebookに「『テラスハウス』に出たい」と投稿したら、すぐさま色んな人が反応してくれて、一緒に出演へのルートを探ってくれたりして。本当に出られるかは分からないですけどね(笑)。ようは、やりたいことはすぐさま口にして、周りに発信し続ける。その跳ね返りから得られる期待値が、かつてないほど高い時代だと思います。って、話が逸れちゃいましたね(笑)。


—— 「夢や目標を宣言する」以外に、具体的な行動としてはどうすればいいでしょうか?

長谷川さん:僕自身あくまで今振り返ると気づくことですが、大学生の頃から「レピュテーション(=自分への評判)を蓄積しながら動く」ことを意識すると良いかもしれません。今はSNSをはじめ、個人の能力や活躍がすべて可視化される時代です。アルバイトなのか、インターンなのか、フリーランスとして働くのか。形式は何でもいいと思いますが、個人としての名前が明示的に直結する仕事をするのがオススメです。時給で括られる労働的なアルバイトは代替性が限りなく高いので、レピュテーションにはつながりません。

僕の場合は、それが「ライター」だっただけで、あらゆる仕事に当てはめられることだと思います。他の職業については、僕が構成させていただいた『10年後の仕事図鑑』(堀江貴文、落合陽一共著)が参考になるかもしれません(笑)。

—— 今なにもできない学生はどうすると良いでしょうか?

とりわけ学生の最大の資産は「時間」。そこにとことんまで自覚的でありつつ、時間を無為にすることなく、レピュテーションの蓄積に投下し続ける。すると、いつしかレバレッジが効くようになりますから。

なのでまず、「どんな会社に行けばいいのか」や「会社員or起業家orフリーランスのどれになるべきか」といった問いの前に、「レピュテーションを貯める」ことに意識的であるべきです。大学生でレピュテーションを集められている人はその時点で圧倒的に有利なので、就職活動も問題なく突破できるし、起業もできるし、フリーランスでも食っていける。

とはいっても、僕もがむしゃらに仕事をしてきただけで、当時はなにも打算的に考えてはいなかったのが正直なところです。あくまでも、クオリティの高い仕事を生み出し続けること、生み出そうとする姿勢、周りとのコミュニケーション、一口に「レピュテーション」とは言ってもその裏にはさまざまな要素があります。それは一人一人が仕事に向き合いながら、自分自身で見つけるべきものだと思います。

“価値の缶詰”を志せ。本質を問う姿勢が、本物の仕事を惹起する


—— とはいえ、レピュテーションの有無や質量を確認するのはなかなか難しいですよね。

【長谷川リョー】誰もが「1回目の人生を生きている」。注目の若手編集者を生んだ“人生の空白”、その全貌


長谷川さん:留意したいのが、「レピュテーションを測る指標」としてSNSのフォロワー数に惑わされないこと。当然ながらSNSが存在しない時代から、良い仕事をしている人の噂は口コミで伝播してきました。たとえば、数万フォロワーがいても普段なにをしているのか分からない人がいる一方、フォロワーが数千人でも良い仕事をしているケースは珍しくありません。むしろ、SNSをまったくやっていないケースだってあるでしょう。

幻冬舎の箕輪厚介さん、ONE MEDIAの明石ガクトさん、GOの三浦崇宏さんなどがいい例ですが、もともと“価値の缶詰”がふんだんに貯まっていたからこそ、SNSを始めた途端に一気にフォロワー数が爆発するのだと思います。

また、これは僕の肌感覚と経験値に過ぎませんが、熱量が少ないフォロワーが何万人いるよりも、高い評価をしてくれる人が2,3人いた方が仕事につなげられるケースもあるかと思います。

まだ社会に出ていない学生にとっては何万人とフォロワーを抱えるインフルエンサーの方がカッコ良く思えるかもしれませんが、身近にいるフォロワー数千人のマイクロインフルエンサーがどう生きてるのかを分析するのも参考になる部分が多いかもしれません。


“適正”と“市場”から自分のやるべきことがわかった会社員時代


—— ありがとうございます。長谷川さん自身は、なぜ「ライター」として独立しようと思ったのでしょうか?

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長谷川さん
:理由は二つあって、「客観的にみて適性がある」と分かり、「市場をみて有利なポジションを見つけた」からです。まずは前者に関して、任天堂の元社長・岩田聡さんのこんな言葉があります。「"労力の割に周りが認めてくれること"が、きっとあなたに向いていること。それが"自分の強み"を見つける分かりやすい方法だ」ーー。

リクルートでデータ分析の仕事をしていた僕は、ふとした瞬間にこの言葉を思い出しました。慣れないプログラミングに四苦八苦しつつ、リクルートの優秀な同期たちのなかから頭一個抜け出すには時間がかかる。学生時代に何年もやっていたライターとしての仕事はまさに、自分にとってまさに岩田さんが言っていることだと気づいたんです。

もう一つは市場におけるポジショニングの話。メディア業界では、ファッションや音楽分野などのカルチャー系ライター・編集者は大勢おり、過当競争気味になっている。その一方、ビジネス系のライター・編集者は相対的に少なく、需要と供給にギャップがあると感じていました。

特に、ビジネス分野で、会社員としてではなくフリーランスとして機動力があり活動している人は本当に少ない。なぜなら、この分野に素養を持っている人はいわゆる良い大学を出て良い会社に入っているような人。身も蓋もないですが、わざわざ会社を辞めてまでビジネス系のライターや編集者になろうと思う人が少ないからなのが理由かなと。


—— なるほど。レピュテーションを貯めると同時に、「ポジショニング」も重要であると。


長谷川さん:ある意味、業界分析と同じですが、市場を高解像で見る。職種で粗くみるより、その職種のなかにおける種類やスタイルまで切り分けてみていくと、ある程度空いているポジションが見えてくるはずです。「これだ!」と判断したら、四の五の言わずに時間と労力をフルベットして、やりきる。これだけのシンプルなことだと思います。

加えて、もしこれから会社に入るなら「行きたい企業では、仕事のレピュテーションが個人にも還元される余地があるか」就職活動の時期にみておいた方がいい。たとえば多くのスタートアップでは個人もSNSで情報発信しやすくレピュテーションが溜まりやすい一方、メーカーやインフラ事業を行う大企業は業務内容を発信できないケースがほとんどなので、どれだけ一生懸命働いても会社にレピュテーションが吸収されてしまう恐れがあります。「自分の名前で仕事がしたい」気質がある人は、企業名に惑わされず冷静になって、就職活動をするべきです。


就活に失敗し、レールから外れたことで発見した“人生の原理原則”


—— 長谷川さんは、大学院を修了後にリクルートに入社されていますが、大学時代はどのように過ごして現在に至るのでしょうか?

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長谷川さん:それほど活発に就活をしていたわけではないのですが、Googleの最終面接で落ちた記憶があります。ガッツリと自分の人生ややりたいことについて語った上で選考に落ちたので、少々食らいつつ...(笑)。「やーめた」みたいな感じで一切就活を辞めたんです。

それまで浪人や留年をしたことがなくて経歴としては綺麗だったのですが、はじめて一年の空白期間ができてしまった。ただ、生活は一切変わらなかった。

そのときに発見したのは、「人からの見え方を気にしているのは自分だけで、他人は他人にそれほど興味がないこと」でした。

大学卒業後、すぐに長期間一人でインドへ修行の旅に出たことも大きいかもしれません。一度、社会のレールから外れ、物理的にも精神的にも自分を相対化する機会が得られましたから。今でも覚えているのが、インドでヴィパッサナー瞑想を10日間やった後、久しぶりにFacebookを開いたら同級生たちが嬉々として「やっと仕事が終わった!華金だ」と異口同音に投稿していたこと。

いつの時代も1回目の人生を生きる人類は、このように“無自覚に規格化されたレールに乗って回ってきたんだろうな”と身体的に直観したんです。自分も含めてみんな「1回目の人生を生きているんだ」という当たり前な原理原則に思い当たりました。


—— それから大学院に進学されるわけですか?


長谷川さん:そこでの経験から人生を振り返ったときに、これまで勉強もろくにしてこなかったし、本格的に教養を身につけるのも悪くないなと思い、大学院を受験することにしたんです。学部時代には政治思想など思弁的に閉じて考える学問を専攻していたこともあって、大学院ではメディア論などより社会に開かれた学問を勉強しようと思いました。ただ…2ヶ月後に院試があることを知って(笑)。もともとインドには1年いる計画でしたが、すぐに帰国してひたすら院試に向けて勉強をしました。

—— 大学院に入学されてからはどのように過ごされていたのですか?


長谷川さん:結果的にあんまり大学院には行かなかったですね(笑)。在学中に、いま僕が編集長をやらせてもらっているビジネス×テクノロジー系メディア『SENSORS』が立ち上がったんです。テレビ局発のWebメディアだったため、編集経験のある人がほとんどいませんでした。それもあり、大学院の研究もそこそこに、毎日のように取材と原稿執筆に明け暮れていました。完全にランナーズハイ状態でしたね(笑)。

そのときに出会い、今でも仕事をご一緒させていただいている人たちがたくさんいます。メディア・アーティストの落合陽一さん、グロービス・キャピタル・パートナーズの高宮慎一さん、評論家の宇野常寛さん。会社に入る前に、メンターだったりロールモデルだったり、そう思える人に出会えたことが大きかったかもしれませんね。


チャレンジと成功の“モメンタム・エンジン”を回し続けろ


—— ありがとうございました。最後に、現在大学生の読者に向けて、一言お願いします。

【長谷川リョー】誰もが「1回目の人生を生きている」。注目の若手編集者を生んだ“人生の空白”、その全貌


長谷川さん:恋愛と一緒でなにか一つでも信じれるものができたら、あとは信じて「自分の人生をフルベット」してください。もし間違ったとしても、あとで軌道修正をすればいいだけ。自分も含め、周りの家族や友人もみんな「1回目の人生しか生きていない」のでなにが正しくて正しくないかの判断は誰にもできません。

もし現在信じられるものが見つからない人は「毎日一個ブログを書く」のでも良いと思います。“人生に楔を刺す”ことが大学生活では一番重要で、毎日ブログを書くことは強靭な覚悟がないとできないことだから、日常がなんとなくで流れなくなります。

あとは、目の前のチャンスを確実に本気で掴みにいくこと。会社名に入っている「モメンタム」には「勢い・弾み」といった意味があります。チャレンジと成功を繰り返すことが「モメンタム」を生み、また次のモメンタムが舞い込んでくる。学生時代はモメンタム・エンジンに薪をくべ続けることをイメージしながら仕事をしていました(笑)。

「レピュテーション」「ポジショニング」「モメンタム」など、訳の分からぬ横文字をキーワードにつらつらと喋りましたが、あくまでもアドバイスは眉唾程度に捉えていただき、今回の人生をエンジョイできるキャリアづくりをしていただければと思います。


長谷川リョーさん:プロフィール

東京大学大学院学際情報学府修了後、リクルートホールディングスに新卒入社。2016年12月にフリーランスのライターとして独立。ビジネス・テクノロジー領域を中心に数多くのベンチャー経営者や最先端で活躍する研究者やクリエイターへ取材・執筆を重ねる。2018年6月に株式会社モメンタム・ホースを設立、代表取締役に就任。『SENSORS』編集長、『FastGrow』CCOを務めるなどWebメディアを中心に幅広く活動している。

構成担当『10年後の仕事図鑑』(堀江貴文、落合陽一共著 SBクリエイティブ)編集担当『選ばれる条件』(木村直人、エザキヨシタカ共著 DMMパブリッシング)など。2019年1月8日に『日本進化論』(落合陽一著 SBクリエイティブ)が刊行予定。

Twitter:@_ryh


 構成:川尻疾風 撮影:岡島匠

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