青田さんはもともと「長期インターンをしよう!」と決めていたわけではなく、兄の勧めで「なんとなく」学外のコミュニティに飛び出したのだそう。世代が違い、価値観が違い、育った環境が違う人たちと交わることで、自分の可能性を広げています。
長期インターンは、やりたいことが分からず、将来に漠然とした不安を抱えている人の「やる気スイッチ」を押す。——「ドラマの世界だと思っていた」ベンチャーの世界で活躍する、一人の学生の姿を追いました。
—— 今回は青田さんのインターンでの体験について聞ければと思います。青田さんがインターンを始めたのは大学2年生から。周囲の学生があまり選択しない「長期インターン」、なぜ始めようと思ったのでしょう?
青田彩季さん(以下、青田):大学2年生のとき、実家を離れ一人暮らしを始めたんです。新天地で新たなバイト先を見つけようとしていたとき、選択肢の1つとして浮上したのが長期インターンでした。時給も悪くなく、社会人の兄からの勧めもあり、興味を持ちました。
—— あまり話題には上がりませんが、インターンを選ぶ上でお金は重要だと思います。お兄さんからは、どのように勧められたのでしょうか?
青田:私が迷っているとき、学生のうちから「会社」を眺めることの重要性を教えてくれたんです。「周囲の学生と違う視座で世の中を捉えることができるかもしれないから、会社見学だと思って始めてみなよ」と。
会社で働くことに興味はありましたし、また偏差値の高い大学に所属しているわけでもない。なので、漠然としたキャリアへの不安がありました。兄の言葉に背中を押され、やってみようと思ったんです。
—— そこからリサーチを始めたと。ひとくちに「インターン」といっても業種はたくさんありますが、どのように領域を決めていったのでしょう?
青田:インターンを始めると決めたはいいものの、明確に領域を決定したわけではありませんでした。調べてみても、どこもライター・エンジニアの募集ばかり…。はじめ、興味を惹かれる募集が多くなかったのが正直なところです。
—— そんななか、株式会社キネカを選択されました。
青田:インターン募集ができる「InfrA」でリサーチをしていると、キネカ社のCS(カスタマーサクセス)業務の募集を見つけたんです。主要業務はメール、チャットでの問い合わせ対応やSNS運用。社会人の一般的なコミュニケーションを身につけられると思い、応募しました。
—— そこからインターンが始まるわけですが、具体的にどんな業務を担当したのでしょうか?
青田:キネカでは主要サービス「pato」のCS業務を担当しました。「pato」は“エンタメ版Uber”のようなもので、飲み会などのイベントにキャストを送り込むことのできるサービスです。
具体的な業務として、メールの文言からお金のやり取りなど…。お客様とキャストをつなぐCSとして、双方が満足できる関係性を構築できるようコミュニケーションを進めるのが仕事でした。
—— なるほど。入社当時、青田さんのほかにもインターン生はいたのでしょうか?
青田:いえ、私が1人目でした。当時、社員さんは4名ほど。そこから、サービスが成長するのと同時にインターン生が30人近くになって。企業の急成長を現場で眺めることができるのは、インターンをする旨味の1つですね。ドラマに出てくる“ベンチャー”ってこんなところなんだと、ワクワクしたのを覚えています。
—— 急成長する過程を肌で感じれるのはベンチャー企業ならではの経験ですよね。会社の拡大とともに、青田さんの業務も忙しくなっていったりしたのでしょうか?
青田:そうですね。はじめこそCS業務だけでしたが、メディア運営や人事、経理、SNSマーケ…。会社が成長するとともに、業務が拡大していきました。
—— うわぁ、大変だ!ちゃんと業務はこなせましたか?
青田:はじめはできていませんでした(笑)。いまでこそ仕事法を確立できていますが、なにもかも中途半端になってしまい、悩むこともありましたね。
—— 中途半端になってしまい、ズルズル続けてしまうのは学生の失敗にありがちな現象ですよね。そこから、停滞感をどのように打破したのでしょう?
青田:いや、もう「やるしかない」で乗り切りましたね。
—— ガッツあるますね!大学にも通っていたんだよね?
青田:はい。週に4回1限、授業は入っていました。
—— すごい…!(笑)
青田:午前に学校、午後には出社。学校のほうがオマケのような感覚でしたね。毎日食らいついていくので必死で、8時間以上パソコンを眺める毎日が続きました。
—— そこまで激務だとやめてしまう学生も多そう。青田さんは、どうしてそこまでまで続けることができたのでしょう?
青田:キネカには、自分の好きなことができる環境がありました。年齢問わず、良いアイデアは実現に向けてコミットしてくれる上司がいます。なので、業務が体力的に辛くても、頑張れば楽しいことが実現できる可能性を感じることができていたんです。
また、社内の環境が私に“ハマった”のも続けることができた大きな要因の1つ。キネカにはめちゃめちゃギャグを言う社員がいたんですけど、私はそれが大好きで。リラックスできる環境で淡々と仕事をすることができたんです。中には、うるさいと思った社員もいたみたいですけど(笑)。
—— 大学2年生で長期インターンの選択。振り返ってみてどのように思っていますか?
青田:めちゃめちゃよかったです。インターンを選択したことを後悔したことはありません。これまでの漠然としたキャリア観がすべて覆され、視野が広がりましたね。
—— 具体的に、どのように視野が広がったのでしょう。
青田:上司がアイデアを受け入れてくれることや、出社時間にあまり厳しくないこと…。いままで創作物や人の話でしか知らなかった「会社」を、現場で体験することができたのは貴重な体験でした。
また、どんなに偉い人でも距離が近く、すぐにコミュニケーションをとれるのがベンチャーのいいところ。代表となにげない会話をするなかで、経営者としての思考にアクセスできる。入社当時は意識していませんでしたが、とても貴重な現場にいたんだなと実感しています。
—— キャリア観についてはどんな変化があったのでしょうか?
青田:それまで、就職といえば漠然と「旅行会社」と答えていました。何となく人気企業だし、行けば問題ないと思っていたんです。
しかし、ITベンチャーでのインターンを通じて、事業・組織がどのように作られていくのかを観察することができました。すべての仕事において通底する「仕事の作り方」を学ぶことができたので、あまり業界に縛られずにキャリアを考えることができるようになりました。
—— 会社の選び方にも変化があったんだね。現在、青田さんは大学3年生。これから就職活動を始めると思うのですが、どのような基準で会社を選ぶのでしょうか?
青田:「人」ですね。会社に尊敬できる先輩がいれば、その先輩からがむしゃらに盗むことができる。逆にいえば、いい先輩のいない会社にいても何の意味もないと思っています。多くの経験を重ねた“賢い”先輩のもとで仕事を学びたいですね。
—— 近年では、複数の企業でインターンに参加する学生も多くなりました。1年以上キネカで活動をつづけた青田さんにとって、インターンの「受け方」について、考えていることを聞きたいです。
青田:50人以上いる中規模のベンチャーであれば、組織での仕事を学ぶことが要諦。なので、多くの企業を受けてもいいと思います。しかし、キネカのような少数でのベンチャー企業であれば、1年くらい粘り強く続けるべきですね。ベンチャーの楽しさは、売り上げが伸びて新規事業が増える成長過程を一緒に楽しめることにあると思います。
—— なるほど。インターンを始める際に、「やりたいことがない」とやめてしまう子もいると思いますが、そういう子はどうしたらいいと思いますか?
青田:私もやりたいことがわからない状態で、なんとなくインターンを始めました。しかし、会社に貢献しようと一生懸命になった結果、自然とキャリアが見えてきました。がむしゃらに頑張れば自然と道は開けると思うから、重要なのは機会をつかみに行くことだと思っています。もし迷っているひとがいたら「動け!!」と言いたいですね。
—— シンプルだけど、「動く」のは大事?
青田:はい。分からないなら、行動するに限ると思います。もしインターンを始めないとしても、面接に行くだけで会社の雰囲気はわかる。自分に合う環境があるかどうか、知ろうとするだけで選択肢は広がっていくと思います。ネット検索だって行動の1つ。どんなに小さいことでも、行動していけば必ず道は見えてくると思っています。
—— 「迷ってるなら検索から始めろ」。多くの学生にとって大事な教訓ですね。今回はありがとうございました!
青田:ありがとうございました!
<株式会社キネカが運営しているメディア>
男性向けおすすめのマッチングアプリ紹介メディアMatch‘B
女性をサポートするパパ活アプリ紹介メディアCinderella