渋谷のど真ん中で就活してみた #倉益りこのストリート就活

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新企画『ストリート就活』……略してスト就。


前記事『 私、本当に大企業に行きたいんだっけ?#倉益りこのストリート就活 』で 「大企業に入る以外の選択肢があることに気づいた」と述べましたが、「具体的にどんな選択肢があるのか?」と聞かれると、言葉に詰まってしまいます。


ひとくちに起業家、フリーランスといってもさまざまな職種がありますし、今まで「一般的な企業に就職すること」を見据えて生きてきた私には、企業勤め以外の選択肢を具体的にイメージできていません。


そこで、街に繰り出すストリート就活の第一回目は、『自分の知らない世界と働き方、生き方に出会う』をテーマにしました。


『co-media』の読者には学生の皆さんが多いと思うので、平日の昼間に外出することにあまり違和感を抱かないかもしれません。しかし、いわゆる一般企業に勤めていれば、たいていの人は平日の昼間はオフィスで仕事をしているのではないでしょうか。


つまり、言い換えれば、平日の昼に外でのんびりしている“学生ではない人”は、何か面白い事情を持っている人や、特別な働き方をしている人かもしれないですよね。と、いうわけで、今回は真昼間の渋谷で突撃インタビューをしてきました。



元・業界NO.1芸術会社のカメラマンに突撃!「フリーランスって儲かるの?」

#倉益りこのストリート就活


はじめに声をかけたのは、駅前の大看板の前で女の子に話しかける高身長イケメンナンパ師……ではなく、かなり手慣れた様子でスナップショットを撮るカメラマン。


倉益:こんにちは。私、「co-media」という日本中の大学生を読者に抱えるウェブメディアでインターンをしておりまして…。


なんだか醸し出すオーラから“すごい人感”がにじみ出ていたのですが、やはりその道で相当なキャリアを積んだプロでした。(以下、Aさん)


Aさんは以前、業界No.1と名高い某大手芸術会社に勤め、大手企業のCM作成や、有名外国人モデル撮影、カタログ作成4年など、クリエイターとして幅広い仕事をこなしていました。


キャリアを順調に積み、機も熟した4年前。会社を退職してご友人と一緒に事務所を立ち上げたそうですが、すぐに喧嘩別れしてしまいました。以降、スナップショットの作成を中心にフリーランスとして活動しているそうです。


自分の好きなことを仕事にしているフリーランスの皆さんは、とてもイキイキと楽しそうで羨ましいのですが、きちんと生計を立てられるのか気になるところ。


倉益:不躾な質問で恐縮ですが、どれくらいの収入を得ていらっしゃるんですか?


Aさん:時期によってバラバラです。今はもう少し落ちていますが、一時期は月収100万円くらいでした。


もちろん会社員には月収以外にもさまざまな手当やボーナスがありますが、単純に比較すれば、今年40歳になるAさんは、一般的なサラリーマン40代の平均年収45万円の、2倍以上もの月収を手にしていることになるのです。


倉益:勤めていた大企業をやめて、今はフリーランスで活躍しているご自身の経験を踏まえ、大企業で働くことについてどう思いますか?


Aさん:大企業に限った話ではありませんが、僕は一度企業に入ることには賛成です。将来フリーランスや、自営業という形で働きたい人こそ、会社という組織で、社会のルールやマナーを身につける必要があると思うからです。世の中には、礼儀がなっていない人がたくさんいますが、フリーになって仕事を持ってくるためには、礼儀やマナーは欠かせないと思います。


なるほど、確かにフリーランスとして働く上でルールを教えてくれる人や、マナーを正してくれる人はいないので、一度会社に入っておくことは社会人の基礎練習として大切かもしれません。会社を「自分の将来のビジョンを達成する手段」として考えるパターンですね。


カメラマンへAさんへお礼を言って、次のインタビューへ。


「仕事は単にお金を稼ぐ手段」ネットワークビジネスで月収70万円のお兄さん!

#倉益りこのストリート就活

次に目に付いたのは、なんとなく「普通の会社員」とは違う雰囲気を持ったBさん。


倉益:こんにちは。私、『co-media』というウェブメディアで(略)…。“就活”について、考えていることをお伺いさせてください!


Bさん:楽しいと思えないなら、「就活なんてやめちゃえ」って思います。


倉益:(なかなかぶっ飛んだ意見がきたぞ…!)ですが、やはり企業に入らないとなると、きちんと生計を立てられるのか、とか不安になってしまいます。Bさんは会社に勤めずに、どれくらい収入を得ていますか?


現在24歳のBさんは「もともとサラリーマンをやる気にはならなかった」そうで、2年ほど前からネットワークビジネスを中心に生計を立てています。


しかし、ネットワークビジネスだけでは満足のいく収入が得られないので、1年ほど前から個人事業主的な営業の仕事を始めたそうです。となると、結構厳しい生活を強いられているのかと思いきや…。


Bさん:二つ合わせて70万円くらいですね。


20代サラリーマンの平均月収が約21万円なので、またもや企業に入らずともその倍以上もの収入を得ている人に遭遇してしまったのです。


ただ、先ほど「仕事が楽しい」と仰っていたカメラマンのAさんと異なり、Bさんは「仕事を楽しいと感じたことは一切ないし、楽しさを求めようとも思わない」と、回答しました。たしかに、世の中には“仕事”を単に生きる術として捉えている人もいるので、皆が「楽しい」or「楽しくない」という価値基準で働いているわけではありません。


Bさん:特に女性は、そんなにきちんと就職活動しなくてもいいんじゃないでしょうか。僕は、女性の幸せは家庭を持つことにあると思っています。理想として28歳までに結婚するとなると、働く期間は5年ほどしかないわけですし、正直何でも良いと思ってしまいます。


なるほど。今は、結婚をしても女性も仕事を続ける時代ではありますが、こういった考え方の方も当然いますよね。


別に「楽しくない」と思っていても、人は働けてしまうし、お金も稼げてしまうんです。この現象は、企業に入っていようがなかろうが起こりうる、ということです。


#倉益りこのストリート就活


ただ、私は“生きる術としての仕事”ではなく、総合的に“人生を楽しくする術”としての仕事がしたいなあ、と思いながら撮りました、2ショット。

……ごめんなさい。


「やりたいことは生涯変わっていく」ーー全く異なる職種と業界をハシゴするおネエさん


次に目に入ったのは、フリフリのワンピースを着たおネエさん(?)。


またもや、初対面のお相手に不躾な質問をぶつけると、快く職歴を教えてくださいました。


今は飲食店に勤務しており、今までに塾講師、金属加工工場の作業員を経験してきたそうです。


倉益:結構職種や業界、バラバラのお仕事を経験されているんですね。差し支えない範囲で、理由を教えていただけないでしょうか。


おネエさん:簡単なことです。やりたいこと、楽しいと感じることが変わっていったんです。自分がやりがいを感じることは、生涯を通して変わっていくと思います。


私は今の人生はすごく楽しいので、自分が本当にやりたいことをやるのは本当に大切だと感じています。自由な時間がたくさんある学生のうちにさまざまな経験をして、今後やりたいことのベースを積んでおくと良いのではないでしょうか。


こうして見ていても、渋谷には色々な人がいますしね!色々な人と交流するといいですよ。


#倉益りこのストリート就活


倉益:(説得力がすごい)


さて、このおネエさんのお話で私の頭にある疑問が浮かんだのですが、それはまた別回のインタビューでゲストを招いて解消するとします。


「僕たち昨日初めて会いました」 富士山を目指す不思議なバックパッカー2人組


ハチ公前に飽きた私は、続いてヒカリエ方面へ。


ハチ公前と比べて人通りも少なく、車の走る音ばかり聞こえてくるので、「失敗したかなあ」と思い始めた矢先、ヒッチハイク中と思しき、明らかに面白そうなバックパッカー二人組を発見しました。


#倉益りこのストリート就活

(私が半目になっているのと、鞄から色々な物が飛び出しているのは置いといて)


写真の左が20歳のTさん、右が25歳のKさんです。


実は、この二人、昨日初めて顔合わせをしたのだとか。以前からFacebookに「いいね」をし合っていて、「お互いが近くに来るタイミングがあれば一緒に何かしよう」と言い合っていたそうです。


Tさん:さっき渋谷駅前で10人に「今すぐ行きたい場所」というアンケートをとったら、沖縄県が一番多かったので、沖縄を最終目標にして、二人で旅することにしました。


この旅をする前に、仕事はやめてきました。以前は会社に勤めていたんですが、自分の希望と違う仕事を与えられ、事務所に泊まりこんで全く休む時間をもらえないブラック企業で、人に会う時すらなかったんです。このままでは幸せな人生を送れないと思ったので、もっと自分が楽しいと思えることをしようと思いました。


ただ、25歳で仕事をやめてずっと家にいて、親のすねを齧る訳にもいかないので、とりあえずしばらくの間バックパッカーになって一人旅をすることにしました。


一度企業に入ったけれど、自分のやりたい仕事ができず、労働環境も悪く、会社をやめて我が道へ。しかも、今一緒に旅をしている二人は年齢も違うほぼ初対面の人同士で旅をしているだなんて、これは絶対に面白い話が聞ける!


後日詳しいお話が聞きたいとお願いすると、快諾してくださいました。スト就の第三回は、このバックパッカー二人組にお話を聞きにいきます。


「楽しい職場」がモットー!23歳のイタリアンレストランオーナー


再び渋谷駅前に戻り、最後にお話を聞いたのは、フリーハグの看板を持って立っていた、少し強面のこのお二人。


#倉益りこのストリート就活

二人組のうち、一人は建設業に携わるCさん(右)。もう一人は汐留にあるイタリアンレストランでオーナーをやっているDさん(左)。


友人が新宿で店を持っていて、その系列店として新しい店舗を開いたとき、その店舗のオーナーになったそうです。


Dさん:とにかく「楽しい職場にする」ことがモットーです。楽しくない仕事は、仕事じゃないと思うんですよ。自分が楽しいと思うことをやったらいいと思います。


なるほど。きっと、フリーハグも、「楽しい」という感情が原点にあるんでしょう。


倉益:ちなみに、ご年齢はおいくつですか?


Dさん:23です!


……若っ!!私と2歳しか違わないのに、レストランを経営しているとは、恐れ入りました。きっと同年代の多くは社会人1年目で、研修に追われていますし、まだ学生の人もいるでしょう。


と、ここで、疑問が湧きました。


(……飲食店のオーナーはどれほど稼げるんだろう)

(……世の中には飲食店はゴマンとあるのに、どのような戦略で他のお店と戦っているんだろう?)


世の中にはこれだけ多数の飲食店があり、自分も足を運んでいながら、経営者側の事情は何一つ知らないことに気づいたんです。


その疑問を解消するべくDさんにインタビューのお願いをしたところ快く承諾してくださいました。第4回目となる記事では、汐留のイタリアンレストランのオーナーDさんにインタビューします。


昼間の渋谷にいる人にインタビューをしたら、人生を満喫している人だらけだった


さて、第1回目のストリートインタビューは以上です。


第1回目の分析結果として、真昼間の渋谷にいる人にインタビューをしたところ、なんと9割の人が「人生が楽しい」・「仕事が楽しい」と答えています。


しかも、案の定「特殊な働き方」をしている方が多かったわけですが、自分で稼いだお金が直接手元に入ってくる働き方をしているAさんとBさんは平均よりも高い月収を手にしているのです。(Dさんは第4記事目でのインタビュー時に情報を集めてきます)


あえて企業に入らず、自分の好きな形で働きながら、なおかつきちんと生計を立てている。そんな人たちに、私が思っている以上に簡単に出会えました。


では、反対に、企業に勤めている人は、自分の仕事や人生についてどう考えているのだろう?


と、いうわけで、今回の渋谷インタビューで出会った数名の人たちのインタビューを挟んだのち、次はたくさんの社会人が集まる「恵比寿横丁」に突撃インタビューしにいきます!



この記事を書いた学生ライター

倉益りこ
倉益りこ
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早稲田大学文学部3年 co-media編集部です。 バンドと服と食べ物が好きです

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