ーーまずは、簡単に自己紹介をお願いします。
一橋大学2年生の、江原初奈です。熊本県生まれ熊本県育ちですが、15歳の時に父の仕事の都合でアメリカのノースカロライナ州へ引っ越し、アメリカで4年間の高校生活(アメリカは高校が4年制)を送りました。高校4年生の時にノースカロライナ大学チャペルヒル校にも通い始めたのですが、父親の勤務先が再び日本になったので、帰国して一橋大学に入学しました。現在はhackjpnでCOOとして新規事業開発に従事しています。
ーー高校在学中から大学にも通っていたんですね。通っていた大学を途中でやめて日本に帰ることに抵抗はなかったんですか?
当時は午前中は高校生、午後は大学生という忙しくも充実した日々にとても満足していたので、正直、最初はアメリカに残りたい気持ちの方が強かったです。
一方で、これから色々なことに挑戦していくためには、将来自分がやりたいことのベースを固める必要性を感じました。そこで、一度日本に戻り、自分を見つめ直す時間を持つことにしました。
最終的に帰国の決め手となったのは、ジェンダーの授業が充実した一橋大学の存在です。もともとジェンダーに興味があった私にとって、ジェンダーで有名な教授がいることや、専門的な講義が受けられる一橋大学はとても魅力的でした。
ーーそこからどのような経緯で「スタートアップ」を志すようになったんですか?
スタートアップを志すようになったきっかけは、昨年冬に参加したG1カレッジがきっかけです。G1カレッジの期間が終わったあとにたまに開催される、小さな集まりで偶然出会ったhackjpnの代表から、「うちで働かないか」と誘われたんです。
正直なところ、以前は「スタートアップ」という言葉に対して、「伸び代もあるけどリスクが大きく不安定」というマイナスイメージを持っていたので、hackjpnに誘われた当初は、半信半疑で「少し会社を手伝ってみよう」くらいの気持ちでした。しかし、hackjpnはある程度会社の土台が出来上がっていたのもあって、働いているうちに、ベンチャー企業に対して「命を削って働く企業」ではなく「自分の好きな事ができる企業」というプラスイメージを持つようになりました。
気づけばどんどんのめり込んでいって、卒業してもこの会社で働きたいと思えるようになっていました。
ーーhackjpnはどのような事業を展開しているんですか?
hackjpnが提供しているサービス内容は主に2つあります。
1つは留学生などのグローバル人材向けに、チャットボットで就活支援をする『hunterbook』というサービス。もう1つは、主に企業向けに、非上場企業のデータを取り扱う『datavase.io』というサービスです。
私はこれらのサービスの一環である自社メディアで記事を書いたり、ミートアップを開催したりしています。富士通や光通信、DeNAやトヨタといった大手企業とのトップ層との商談に参加して、企業の意思決定に従事することもあります。
ーー「一橋大学」という肩書きを持っていれば、大企業に勤める選択肢もあったと思います。hackjpnでの商談を通し、実際に大手企業の社員の働き方を見て「大企業に就職したい」とは思わなかったんですか?
以前は私も、「大企業に就職して安定した生活を送りたい」、「親を安心させたい」と考えていました。しかし、実際に大企業に勤める方とお会いし、話を聞くと「想像していたよりも自由度が低そう」という印象を受けたんです。裏を返せばそれが安定の要素であるとも言えるのですが、自分が大企業で働いている未来は描けませんでした。
基本的に自分は目立ちたがりなので、大勢の中に埋もれたくなかったんだと思います(笑)。自分が作ったストーリーを、自分が主人公になって歩んでいきたい。その理想に近づける手段が、スタートアップでした。
“ハッピーハッピーな社会”を作りたいです。自分が何かをやり遂げた時の充足感のような、ハッピー要素で周りの人もハッピーにしたいと思っています。良い刺激を相互作用によって生み出せる社会を作りたいです。
そんな社会を作れる人間になるために、まずは私自身が、憧れの人を”目指す”に留まらず、”超える”人間になりたいと思っています。