なれない環境でインターンを行うということは予想以上に困難も伴います。ここでは私が直面した海外ならではの経験とそこからの学びについて書いていこうと思います。
初めに、海外インターンの特徴として私が感じていることを以下にあげます。
・現地の文化を理解した上での提案が必要
・交渉に時間がかかる
・想定外に対応していく根気が必要!
・非日常の中から学べることが多くある
3ヵ月滞在して感じることをざっくり書くとこんな感じです。
多くの人は海外と聞くと言語や文化、時差といった物理的な問題を思い浮かべるのではないでしょうか?たしかにこういった問題を乗り越えることは容易ではありません。選手や観客とのコミュニケーション、時差がある中でのやりとりや、仕事を行っていく中でドイツ向けと日本向けで資料を分けて作成する必要があったり、日本語、英語、ドイツを使い分けて作業を行わなければならなかったりと、目的に応じて適切な言語選択をすることも時には必要でした。
しかし、そうした問題以外にも様々な困難がありました。ここからは私の実体験をもとに更に詳しく書いていきたいと思います!
私は女性初のスタッフだったこともあり、男性のみに用意されている寮に入ることが出来なかった為、部屋は自分でなんとか探してほしいと言われていました。私はアメリカ留学時に4回もの引っ越しを経験していた為なんとかなるだろうとあまり気にしていませんでした。
事前に調べてみると、ドイツではWG(ウェーゲー)というルームシェアサイトで探す方法が一般的だとわかったので、一先ずそのサイトを利用して英語で簡単な自己紹介と共にメッセージを10通程送りました。
しかし2,3日たっても返信が来ません。
そこでドイツ人の友達に聞いたところ、「もっと自分をアピールしないと!」といわれ、さらにドイツ語で送らなければ返答率は低いとアドバイスを受けました。
そこでより詳しく書いた私のプロフィールを友人に翻訳して貰い、毎日必死な想いで連絡を送りました。
そして、送ったメール数が50を超えたところでようやく1通返信が来ました。
翌日すぐに家を見に行きオフィスに近いことや、他の可能性を待つ時間もなくその家に即決しました。たまたま良いところに見つかりましたが実際はかなり運が良かったと思います。
希望者が多い家には面接のようなものが行われるらしく、ドイツ語が話せない私のような人はほとんど選んでもらえないのが現実です。別のインターン生から面接にビールを持参してアピールしたという話も聞き、ドイツの家探しはビジターにとってかなり難易度の高い壁であったと思います。
まさかこんなにも早く困難に直面するとは思っていませんでした!
これが1つ目の予想外でした。
チームを地元の人に知ってもらうために、ポスター制作をスタッフで行っていました。ポスターの為に良い写真を撮影したり、デザインを考えたりと試行錯誤の上完成したポスターをいざ印刷して張りに行こうとしたときに思わぬ壁に直面しました。
まずは数ある印刷屋さんの中でどのお店で印刷をするのが良いのかということです。
ネットで近くのお店を調べてみると、街中にある大きな印刷屋さんから、町はずれにある小さな印刷屋までいくつかのお店がヒットしました。
日本と違って情報が少ない為、実際にいくつかのお店に足を運び価格やデザイン、今後も継続して使用することを考慮してどこに頼むかを決めました。場所によって価格が倍近く違うなど、想定外の展開でしたが足を動かして全てのお店を見に行った甲斐があり、低コストで良い仕上りにすることができたので安心しました。
細かい紙質についてのコミュニケーションや、何枚から単価の値段が下がるかといった印刷をお願いする過程での会話にも苦戦しましたが、なんとか理解して印刷まで持ち込むことが出来ました。
ドイツではちょっとした印刷でも印刷屋で行う人が多く、少し会話に苦戦しているとすぐ後ろの人に抜かされてしまい、印刷屋に1時間程滞在する羽目になったこともありました。コンビニで何でも印刷できてしまう日本の便利さを痛感する経験となりました。
その後もスポンサーのロゴを記載したインタビューボードやチームに関するチラシなども作成した為、何度もその印刷屋に通うこととなり、今ではとても良好な関係が築けています。
他にも電車の予定が急に変わったり、お店の営業時間が短くて困ったり、自分達では良いと思ったものもドイツ人にはうけが悪いことや、メールの対応が遅くて作業が進まないこともありました。またサッカー文化が日本とまったく違うため、そうした部分をまず理解する必要がありました。この様に予想外は日々多発します。しかしその度に自力で別の方法を探し出して乗り越えることで、なんとかその場を乗り切る力がついてきたなと感じます。そして徐々に想定外が起きることが自分の中で想定内となり、何が起きても慌てずに落ち着いて対応できるようになっていました。
こうした経験は海外で何かをやってみようとしない限り得られなかったものであると思います。日本では当たり前なことが海外では通用しない毎日、でもそんな中で自分で考え行動していく経験はとても貴重なものであったと思います!
次回は私が行っているインターンについてより具体的に書いていこうと思います!
1993年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部スポーツビジネスゼミ。体育会サッカー部を引退後、大学を1年休学してアメリカへ留学。就活を終えたあと、海外サッカーやクラブ経営を学ぶべくクラウドファンディングを実施。現在ドイツのサッカーチームでインターン中。