法政大学4年生の高田勝太です。アイダホ州の州都に位置するボイシー州立大学への留学を経て、先日帰国しました。留学生活では語学習得の他にもさまざまな経験をし、一言では語りつくせない素晴らしい1年間を過ごせたと思っています。
さて、先日読んだ記事のなかに「英語を勉強する必要があるのか、ないのか」を考えるものがありました。留学経験者の僕にとって非常に興味深いテーマです。
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1991年から2000年まで、日本マイクロソフトの代表を務めた成毛眞さんは、日本の9割の人に英語は必要なく、国語や数学は自分の頭で考えて結論を出す学問ですが、英語はただ暗記するだけの科目なため、得意科目を聞かれて、「英語」と答える人は、自分は物覚えがいいだけのバカだと自覚すべきで、現代では創造力がない人ほど、英語を勉強すると述べています。ーー創造力が低い人ほど、英語を勉強する。楽天の「重要なことなので日本語で失礼します」は最高のギャグ。
結論としては、英語はあくまで手段であり、英語を学ぶことを目的にしてはいけないのだと訴えています。「必要になれば学べばいいだけのこと」というメッセージが込められています。
英語を勉強する必要があるのか、ないのか、その議論に正解はないと思います。しかし、僕は英語を学んでみて正直良かったことしかありません。英語を学ぶ必要があるのか、それともないのかは自分が決めること。今回は、僕が1年間の留学で英語を学ぶことで得た良かったことのうち、特に強く感じたメリットを3つご紹介します。
就職活動をしていて特に感じますが、多くの企業が志願者に対してTOEICやTOEFLのスコアの提示を求めています。海外支社を持つ企業では、海外駐在員を選定する際や昇進の有無などを決める際にそのスコアが参考になるそうです。サラリーマンが書店の英語コーナーで渋い顔をしているのはそのためですね。
日本の市場は今後さらに縮小していき、海外市場に参入しなくてはならないという時代です。そして、この傾向は今後さらに高まることが想定されます。そして、海外市場における公用語は案の定英語です。英語力を有するものは登用され、有していないものは淘汰される。その可能性は容易には否定できません。英語が全てだとは言いませんが、ビジネスマン必須のスキルである英語を身につけることは自分の市場価値を高めることに他なりません。事実、英語の話せる日本人と話せない日本人の所得に差があることを示す研究結果も出ているほどです。
そして、その英語力を飛躍的に伸ばすのに有効なのが海外留学です。きっと、この記事を読んでいる学生さんは「英語力を伸ばしたい」と考えているはず。でも、何らかの理由で迷ってしまっているんですよね。
お金がないなら稼げばいい。時間がないなら作ればいいんです。迷っている人は、言い訳の天才よりも、行動を起こす天才になってください。
私からのメッセージとしては「とりあえず海外行っちゃえよ!!」って感じです(笑)。これに関連した記事も書いているので良ければ、併せて読んでみてくださいね!
高校時代に英語講師から聞いた言葉が頭から離れません。
「君たちが自分の可能性を広げたいのなら、やはり英語って必要なんですよ。だって、英語ができたら世界中のどこでも生きていけるじゃないですか」
それを聞いた時に素直に「その通りだな」と思いました。あれから4年以上が経過し、留学を終えた今になってその正しさをより深く感じています。大学1年生の時に、私の母はこんなことを言ってくれました。
「英語が話せたら、日本から脱出することもできるでしょ。窮屈で忙しい日本で生きるのが辛くなったら、他のところに行ってさ、新たに頑張り直してもいいじゃない?勝太には自由に生きて欲しいわ」
脱出という言葉のチョイスに少しクスッと笑いましたが、10年以上も海外居住経験がある母だからこそ言えることだなと思いました。
「日本で生きてもいい。どこか遠くの異国でも構わない」。そんな自由な視点や、ある種の余裕は、英語を習得した者のみが得ることのできる特典かなと考えています。
「日本で働くのが本当に嫌にならば、海外で働こう」そんなふうに楽に考えるのも時には大切なんじゃないでしょうか。
英語があるからこそ、会話が成立する。結局、これが一番大きいところです。
英語が話せれば、道端で偶然出会う人と何気ない会話を交わすことや、名前すら知らない国から来た人とお互いの文化や考えをシェアすることができます。共通言語を持っていなければ、そんなことは起こりえません。翻訳アプリを使ったって、通訳を使ったって、何か他の媒体を用いた段階でそれは「あなた自身の言葉」ではなくなってしまうのです。それって悲しいことですよね。仮に文法ハチャメチャでも、使う語彙が物凄くシンプルかつ限られたものだとしても、「あなた自身の言葉」で話すことが何より大切だと思います。コミュニケーションは心と心とのキャッチボールですからね。
留学中は、3人のアメリカ人と寮に住んでいました。最初の数ヶ月は本当に何を言っているのか分からず、とても孤独だったことを覚えています。しかし、英語が徐々に上達するにつれて彼らの考えがわかり、それに比例して自分の考えも伝えることができるようになりました。
ありがたいことに、私は、留学中にかけがえのない親友に出会いました。同じ部屋に住んでいるルームメイトで、四六時中時間を共にしたと言っても過言ではありません。
人口のほとんどを白人が占めるアイダホ州にいることと、親友である彼が黒人と白人のハーフであること、私がアジア人という人種的マイノリティーであるということもあり、よく人種差別問題に関して話したりしています。
その他にも、他愛もないことを夜遅くまで話したり、一緒にスポーツをしたり、いろんな場所にも行きました。
誰にも言いたくないようなお互いの過去や、現在の悩みとか、将来の希望などを語り合うことさえしました。「こんなの人に話したの初めてだよ」と言われたときは、2人の間にある人種の壁を超えた絆を感じて非常に嬉しかったのを覚えています。
このような人間関係は、通訳を通していたらできていたでしょうか?誰にも言えないこと、他の人には話したくないようなことを通訳士の方を通して話したいと思う人はいないはずですよね?やはり、「自分の言葉で話す」ことが大切なのです。
英語を話せることにより、多様なバックグラウンドを持った人々と会話をすることができるようになります。そして、そのことがあなた自身の考え方を豊かにしてくれます。もう気づいている人もいるかと思いますが、英語ができることにより「たくさんのできる」が生まれるのです。たった一つのスキルがたくさんのメリットを生み出してくれる、なんて素晴らしいことなのでしょうか。
英語をできるようになって、損したこと…? そんなの、もちろんありません。
最初にも言いましたが、私は英語を習得して得することしかなかったです。ただ、この「英語を勉強してよかったこと」は人によって違ってくるかもしれません。そこに個人差があるのは当然のことなのです。
私はこの記事を読んでくださった皆さんに「あなただけのよかったこと」を見つける機会を与えられたらと思っています。
迷ったら、Go!! 今すぐ行動に移してみてくださいね!
アメリカの大学に交換留学生として約1年留学。 主にスポーツビジネスを専攻。 大学卒業後、大手スポーツ用品メーカーにて営業を経験。 OYO大学の一期生として2020年3月卒業。 VC陣に向けて行ったビジネスピッチでは審査員賞を受賞した。 現在は独立し、習慣化オンラインスクール「90 English」を起業。 経営者、上場企業の管理職、社会人、大学生まで幅広い層の生徒が所属し、英語の習慣化を達成している。 【サービスHP】 https://90english.studio.design