大学生がウガンダ北部の「南スーダン難民居住区」を訪れ、悲惨な状況を目の当たりにして

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大学生がウガンダ北部の「南スーダン難民居住区」を訪れ、悲惨な状況を目の当たりにして

みなさん、初めまして。横浜国立大学2年の林佑紀(はやしゆうき)と申します。記事を執筆させていただくにあたって「途上国」「国際協力」をメインテーマにしたいと思います。

途上国ってどんなところだろ?国際協力って何?国際協力の仕事って何するの?と思う方はぜひ読んでいただければ幸いです。

初投稿の今回は、ウガンダ北部に位置する「南スーダン難民居住区」を訪れ、悲惨な状況を目の当たりにした私の体験を紹介します。

南スーダン難民とは?

大学生がウガンダ北部の「南スーダン難民居住区」を訪れ、悲惨な状況を目の当たりにして

南スーダン 。最近、ニュースでよく聞くワードですね。でも、南スーダンが今どのような状態なのか、どこにあるのかなど国そのものの情報を理解している方は、実は少ないのではないでしょうか。

南スーダンは東アフリカに属し、2011年にスーダンから独立した世界で一番新しい国です。独立当初から紛争が起こっていて、今も政府軍VS反政府軍の争いが続いています。2016年7月以降、紛争が激化。さらにたくさんの国民が難民となっています。

難民とは「人種、宗教、国籍、政治的意見または特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた人々」のこと。(1951年「難民の地位に関する条約」より http://www.unhcr.or.jp/html/protect/pdf/1951_Convention.pdf)。しかし、最近では武力紛争や人権侵害などから逃れるために、国境を越えて他国に保護を求めた人々を指すようになっているそうです。これらに該当する方々が生活している場所を訪れました。

ウガンダ北部『パギリニア難民居住区』とは?    

大学生がウガンダ北部の「南スーダン難民居住区」を訪れ、悲惨な状況を目の当たりにして


高校生の時から漠然と「アフリカ」に興味があったのと、度々ニュースで見かける南スーダンの難民の現状を実際に見てみたいと思い、3月、日本のNPO法人の協力で、南スーダンの南隣にあるウガンダへ私は数名の仲間と一緒に訪れました。目的地は北部、アジュマニ県にある「パギリニア難民居住区」。ここは、みなさんがイメージしやすい、フェンスに囲まれ銃弾が飛んでくるような難民キャンプではなく、比較的安全な集落のようなところ。実際、危険にさらされることはありませんでした。

ウガンダは南スーダンからの難民を約70万人受け入れていて、そのうちの約25,000人~30,000人がこの地区で生活しています。驚くべきことに居住区の人口全体の約65%(概ね17,000人)が18歳未満の子どもで、そのうち約9,000人は両親をともに失い、残りの2,500人も片親を亡くしています。目の前で両親が殺されたことなどによるPTSD(Post-Traumatic tress Disorder:心的外傷後ストレス障害)に苦しむ子どもも少なくないと現地スタッフは話していました。

国連機関やNGOは食料配給等の支援を行っていますが、詳細な統計やデータはまだ取れていないということで、衣食住すらも十分に確保されている状態ではありませんでした。実際にインタビューした方も「配給される食糧では全然足りない」と話していました。

教育面にも様々な問題がありました。金銭的に学校に通えない子がたくさんいますし、施設が足りていないため青空教室も開かれていました。それでもみな必死に勉強しており、少し照れながら「英語をやっているんだ!」とノートを見せてくれる子もいました。

元気に生活する子どもたち?

大学生がウガンダ北部の「南スーダン難民居住区」を訪れ、悲惨な状況を目の当たりにして

逃れてきた方々は満足な食事をすることさえもできず、厳しい生活を送っていました。

しかし、客観的な状況とは対照的に、目にしたのは両親を失っていても元気に過ごしているたくさんの子どもたち。一歩歩けばみんなニコニコしながら後をついてくるし、サッカーなどのスポーツをしている子もいました。

なぜ、こんなにも笑顔でいられるのだろうという疑問が今も消えません。それらを乗り越えたのか?周りもそうだからと特に何も感じていないのか?

いずれにしても栄養面などの身体的なものだけでなく、心理的なストレスも相当抱えていることは間違いないと思います。表面の笑顔だけでなく、その背景の出来事をしっかりと学び、彼らの心に寄り添い、何が必要なのか、自分たちには何ができるのかを考え続けることが大切だと感じました。

大学生だからこそできる国際協力

大学生がウガンダ北部の「南スーダン難民居住区」を訪れ、悲惨な状況を目の当たりにして

今回の現場経験から、キャンパス内にいる留学生といつでも交流することができる大学生の立場は大きな武器になると感じました。国際協力や海外ボランティアを行う上でその国の文化、歴史、価値観について知っておくことはとても大切だと思います。国ごとに大きく異なるだけでなく、それらによって協力の仕方も変わってくるからです。

留学生と他愛もない会話をするだけでも、色々と学べるものがあります。実際にアフリカに行ったこともあり、コンゴ民主共和国とウガンダから来た留学生と仲良くしているのですが会話から彼らの考え方や価値観などが段々わかってきて、とても勉強になっています。

同じ学生目線で交流ができ、ものごとを考えられるのは大学生のうちにしかできないことです。多くの価値観や考え方に触れることで他国を深く理解することができますしっかりと勉強してから実際に現地を訪れることで、何も知らないまま行くよりも双方にとって意味のある活動ができると思いますし、得られることはさらに価値あるものになるでしょう。


この記事を書いた学生ライター

Yuki Hayashi
Yuki Hayashi
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1997年、愛知県生まれ。横浜国立大学2年。開発、国際協力を学んでいます。スポーツが大好きです。特にサッカー。宜しくお願い致します。

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