こんにちは。大学卒業が迫っている井上です。私の大学時代やりたいことリストの中に「ASEAN加盟国10ヵ国制覇」という目標が書いてあります。その目標を今年の1月末に達成することができたのですが、その時にふと思いました。「私はまだ、ASEANを1ミリも知らない」と。
大学の先輩である太田英基さんが書いた『僕らはまだ、世界を1ミリも知らない』という本を読んで、「もっと知らない世界を見たい」と思って東南アジアに飛び出したのですが、実際は目標を形として達成しただけで、ちっとも知らないまま。
世界どころか、「私はまだ、日本を1ミリも知らない」まだまだ知らないことだらけです。だからこそ、「知り続ける」ことが大切なんだと思います。しかし、一方で思います。「知る」ということは「大切である」と同時に「危険である」ということを。今回はそう考えた理由について記事にしました。
※1.ASEANと東南アジアについては、こちらの記事を参照してください。
※2.2017年に東ティモールがASEAN加盟国になるかどうかが曖昧なところです。
ラオスで教育改革を起こす挑戦をしている友人がいます。彼の家に泊まらせてもらうために使ったトゥクトゥク。10分乗っただけで、2000円を要求されました。タイからラオスまで10時間かけて使った高速バスは3000円だったことを考慮すれば、間違いなくぼったくりです。
フィリピンのマニラで知り合った現地の方と一日中観光し、杯を交わし仲良くなったと思ったら、睡眠薬を盛られ、携帯と財布を盗まれたこともあります。
この事実だけを見れば「〇〇って国は--だ。〇〇人は--だ。」という偏見が生まれます。その国や人を何も知らないのに。
人が知っているということは、その人が知っている範囲のことだけであって、それが全てではありません。そもそも、なぜトゥクトゥクのお兄さんにぼったくられたのでしょうか。なぜ、睡眠薬を盛られたのでしょうか。良いか悪いか別にして、騙した人は家族を養うために必死だったのかもしれない。この世の中の社会構造がいけないのかもしれない。
また、国や人に関してはメディアでも報道されることがあります。しかし、皆さんご存知のようにメディアで報道されることだけが真実ではありません。もっと言えば、この世の中に真実なんて存在しないのかもしれません。
「テロリストは最低だ」確かに、最低なのかもしれません。でも、大切なのは、その理由を知ること。そもそもなんでテロリストが存在するのか、どうすれば問題は解決するのかを考えること。空爆をすれば解決するのでしょうか。空爆して関係のない人が命を落としてもいいのでしょうか。
私自身、解決策を持っているわけではありません。だからといって、私は「知る」ことをやめません。「知る」に終わりはないし、本当に「知る」ってことはありえないのかもしれません。
だからこそ、人と話すことが大切だと思うのです。人と話し続け、自分なりの意見を持つけど、断定はしない。「色んな意見や考え方があるけど、私はこう思う」といったように。その意見すら周囲に影響されているのはもちろんですが、その姿勢を怠ってはいけないと思うのです。
「仕事辞めて世界一周してる人がいるんだ」「日本の車って海外でこんなに走ってるんだ」「タクシーの運転手、俺乗せてるのに、途中で飯買いに行くんだ」「バスに乗るのって順番待ちも関係ないし、こんなに大変なんだ」「水が綺麗って当たり前じゃないんだ」「学校に行かずに働いている子どもっているんだ」
当たりまえだと思っていたことが世界では当たりまえではない、もしくは間違っていると感じる機会が増えました。しかし、そのおかげで視野や考え方が広がった気がします。知る姿勢を貫いていれば、多くの価値観に触れることができ、自分の価値観も変化していきます。自分と価値観の違った人と話すことが面白いし、違いを認め合えれば、よりよい社会になっていくのかなと私は信じています。
最後に私が行ったASEAN加盟国で印象に残った写真を掲載させていただきます。
ベトナム ホーチミン市人民委員会庁舎
シンガポール マリーナベイ
ブルネイ ジャメ・アスル・ハサナル・ボルキア・モスク
ライターをしている高校の友人の影響で始めたライター。co-mediaやアセナビのライターをしていたおかげで、インプットしたことをアウトプットする機会にもなりましたし、沢山の方と出会うことができました。この経験を活かし、4月から社会人として精一杯頑張ろうと思います。
読者の方々、co-media関係者の皆さん、ありがとうございました!
2017年に中央大学卒業。学生時代、言語や異文化交流、経営やソーシャルビジネスについて学ぶ。現在、株式会社パソナで働き、視野を広げている。好奇心旺盛で興味分野が広いため、将来、様々な分野を掛け合わせた面白いことがをしたいと考えている。