こんにちは、世界3地域教育留学中の鈴木健太郎です。
前回の記事では、「教師になる」ことから「教育者」を目指すことへと自身の夢を更新した経緯について書かせていただきました。続いては、自身の留学について前編と後編に分けて紹介します。前編となる今回は、「教師になる」ことに対してあまり結び付かない「海外留学をする」という選択肢をとった経緯について、書かせていただいています。
教育に興味がある学生さんはもちろん、これから留学を考えている全ての学生さんに、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
留学を思い立つ前の自分は、「教育者」を目指すことを目標に掲げ、将来に期待を抱きながらも、一方で漠然とした危機感を持っていました。
これまでは、地元で20年近く過ごしていたため、外の世界を見る経験がありませんでした。しかし、大学に入学してから初めて海外という異なる世界を経験したことで、”自分の世界”が広がるという体験をしました。(ここで度々用いている”世界”という言葉は、直接目に見える具体物が創り出す事物の総体ではなく、個々人が学びや経験から獲得した知見や価値観から生み出される半具体物の総体という意味で使っています。)
これから教育者として子どもたちの思い描く世界を広げてあげたいのに、自分自身の世界が狭くてはどうしようもありません。「こんな狭い世界しか持たない自分が、子どもたちに何が伝えられるのか?」と、感じるようになりました。
教育には関心があったものの、留学以前は「教師としてどう貢献できるのか」といった、教師という一つ職業の枠の中でしか考えてきませんでした。しかし、いざ「教育者」という広い視野で自分を俯瞰した時に「自分に何ができるのか」と悩んだのです。研究者として、役人として、起業家として……。「教師になる」こと以外にも、たくさんの教育との関わり方が見えてきたからこそ、自分は何を目標にしていけばよいのかと。
目の前に広がったその選択肢の中で、自分が我を忘れて追求できるだけものはどれなのか。今まで「教師になる」ことがすべてだった自分には、それを選択できるだけの学びも経験もありませんでした。そんな時に、時間をたっぷり取れる学生時代の今だからこそ、もっと多くのことを学んで自分の可能性を広げることが必要だと痛感しました。
それらの危機感から感じたのが、今まで当たり前にのっかってきたレールから外れ、より“自分の世界”を広げ、さらにその世界を形づくっていくべきであるということでした。
幸運にも日本という国に生まれ、特に不自由のない家庭で育った自分には、いつも進むためのレールが用意されていました。それは、「とりあえず大学、教師になるなら教育学部へ進学→4年間で大学卒業・教育免許取得→採用試験に合格して新卒で学校現場へ」というもの。そのために、「教師になる」という夢を目標にしてきたはずの自分は、いつの間にか用意されたレールを進むことが目的にすり替わってしまっていました。
そのことに気づいたのが、海外渡航という今まで進んできたレールを外れてみた時のことでした。「教師になる」ことしか考えてこなかった自分が、改めて「教育者」を目指すためには、与えられてきた「教師になる」というレールを外れる必要があります。しかし、実家から往復2時間以上かけて大学に通う自分には、ほぼ毎日大学との行き来であまりまとまった時間が取れないこともあり、危機感を打破するだけのアイディアも時間もありません。
……そこでたどり着いたのが、今の自分の原点となっている、海外で学ぶ、すなわち「留学する」という選択肢でした。
そう思えた時に、留学のためには時間が必要で、「休学する」ことを決断したのです。周りの多くの学生は休学することをリスクと捉えていましたが、自分にとっては投資。リスク以上に大きなリターンが返ってくることを確信しました。
こうして「海外留学」へと歩みを進めることとなったわけですが、「休学→留学」すると決めただけで、あまりにも無計画だった自分が、その新たなレールをどのようにしてそれを形にしていったか。次回の後編記事では、そんなゼロからの留学計画作り、その留学での目標について書いていきます。(記事の方は同時リリースされていますので、よろしければそのまま【後編】を読んでみてください。)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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地元一筋の静岡の大学3年生(休学中)。トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムの4期生として世界3地域教育留学に奮闘中。教育者の卵の僕が、留学を通して同世代の皆さんに伝えたい思いを、自分なりの言葉で綴っていきます。