皆さん、ニーハオ! 北京大学の樋口亜美です。
中国の大学ではキャンパス内でカップルが手をつないだり、イチャイチャしたり、そんな光景をよく目にします。私の学校で、図書館に次ぐデートスポットとなった湖の周りは、夜になると若いカップルがベンチの取り合いをするくらい、賑わっています(笑)。
中国の若者の恋愛はいかなるものなのでしょうか? 今回は、中国人の若者の恋愛観を読み解くことで、中国の社会について考えてみようと思います。
中国の若者の恋愛はほとんど大学でスタートします。高校までは「高考」と呼ばれる、日本のセンター試験のようなテストのための勉強で、恋愛どころではありません。中国の場合、この試験の成績が高い順に自分の志望した学校に入学できます。しかも、一発勝負なので、そのテストの重みは桁違いです。また、北京大学、清華大学は940万人の受験者(日本のセンター試験受験者の18倍!)の中で約1%の学生が受かるような学校です。そのため、高校では恋愛をする余裕もなく、大学で恋愛を始める学生が多くなります。
大学で恋愛をスタートしたのはいいものの、親の期待と子供の意向が違うこともしばしば。先日、北京大学の外国語学科でドイツ語を学んでいる子と恋愛について話していた時に、彼女はこう言っていました。「来学期から、ドイツに留学に行くけど、親は同じ省出身の人じゃないと付き合っちゃダメっていうし、向こうで良い人がいても付き合えないのよね」と。同じ出身地でないと認めないという親が、一人っ子政策の時代に生まれた若者には多いそう。親としては、子供が同じ出身地の人と結婚して、側にいて欲しいという願いがあるんでしょう。都市部の若者、特にトップ校に通うハイスペックな学生は、「キャリア優先主義」の人が多い為、親世代の価値観と子供の価値観にズレが生じることもあります。
若い中国人の中では、恋愛に対して開放的な価値観を持つ人も増えています。大学生同士の出会い系アプリ「探探」(Tan-Tan)は、2014年にサービスを開始して以来、今年の夏までで1300万人のユーザーを抱え、大学生の恋愛に大いに貢献しています。私の周りでも多くの友達が「探探」を利用しており、「お相手探し」というよりも「異性と楽しく会話するツール」として使っている若者が多い印象を受けます。また、キャンパス内でLGBTと言われる性的少数者も多く見られます。何人かの中国人学生にLGBTについて聞いてみたところ、「関心はないけど、良いじゃない」と「どうぞご自由に」という空気が流れています。LGBTの方も政治的な活動などは避けますが、生活するには生き生きと自然に周りと溶けこめていると感じます。
以上、今回は中国の若者の恋愛について取り上げました。次回は、中国の一年に一度のビックイベント「春節」とその過ごし方について記事を書こうと思っています!乞うご期待!
ザイジェン!
1995年1月東京生まれ。北京大学在学中。日中ハーフとして生まれ、日本、アメリカ、カナダ、中国で育ちました。人生の課題は、日本と中国、アジアの見えない国境をなくすこと。好きな中華料理は、トマトと卵の炒め物!中国のミレニアム世代、そして中国のこれからについて発信していきます!