台湾に来てからはやくも1ヶ月が経ちました。湿気が多く過ごしやすい気候ではないですが、とても生活しやすい環境です。
だからなのか、正直なところ、これまでにカルチャーショックを強く受けた出来事は思い当たりません。それほどに日本で生きてきた人にとって台湾はとても馴染みやすい環境だと思います。
しかし、日本との「違い」を感じる場面はあります。例えば、原発事故を理由に福島から台湾に移住してきた日本人の方のお話を聞く授業の中で台湾人の学生は「生活するお金はどうしているのですか?」「子どもと逃げたと言っていたけれど旦那さんはどうしたのですか?」など、とてもストレートなことを質問していました。中国語の授業でも先生は学生に家族や恋人についてなどプライベートなことも根掘り葉掘り質問します。
これをカルチャーショックと感じる人もいるかもしれませんが、私は日本人と台湾人は「同じ」ではないという気づきを得るきっかけになったと思っています。
アジア人というくくりの中で、我々は「同じ」だとなんとなく思いがちですが、上記のように突き詰めると異なる部分はあると気付かされます。
この「違い」を感じた経験がなぜカルチャーショックにならなかったかと考えると、先述した台湾と日本の類似性と、これまでの経験が挙げられると思います。
例えば、トルコへ高校留学をした時には言葉が通じないという問題の以前に、外見だけで自分は彼らとは違うと分かり、自分の居場所がないように感じることがよくありました。そのせいで、言葉が分かるようになっても彼らとの間には壁を感じ、緊張してなかなか話すことができませんでした。そんななかで文化の相違に直面すると、自分とは異なる行為・考え方を理解することが本当に難しいです。
しかし、台湾では自分が浮いていると感じることはなく、むしろ街中で道を尋ねられるなど台湾人と間違われることも頻繁にあるので、ただ生きているだけで疲れることがありません。
また、中国語に関しても、とりあえず習った単語は使ってみるなど、気を張ることなく台湾人と話すことができます。
視覚的なものは否が応でも新たな環境に馴染むまでは大きな障害となると思います。
その意味で、精神的に安定して生活を送れる環境のある台湾では、「違い」に直面してもそれがいきなりショックとなるのではなく、「新たな文化を見ることができている/知れている」という感覚を持てます。
カルチャーショックは、「◯◯に対して日本人は必ずショックを受ける」と一般化できるものではなく一人一人の考え方や経験に左右されるので、台湾を含め、アジア諸国の独特な雰囲気を目の当たりにすることが初めてではないことも影響していると思います。
近いからこそ見ていなかったこと、考えようともしなかったことに気付けるのはやはり現地で生活をすることの醍醐味です。
カルチャーショックもその一部だと思うので、今後ショックを受けるようなことがあったとしても、それをきっかけに新たな気づきを得られたら良いと思います。
台湾・台中にある東海大學に交換留学中の国際基督教大学3年生です。旅行では気づかないような台湾の魅力をお伝えできればと思います!