アッサラーム・アレイクム!(アラビア語でこんにちは)
モロッコ・Al Akhawayn University in Ifraneに交換留学中の田邊高徳です。
モロッコに来て1.5か月ほどしか経っていませんが、この短期間でも最もカルチャーショックを受けたことについて書いていきます。
今回はタンジェというスペインへのフェリーが出ている街で遭遇したカルチャーショックについてのお話です。あくまでも、モロッコにまだまだひよっこな筆者個人の意見であることを踏まえて、読んでいただけると幸いです。
モロッコは中東・北アフリカ地域のイスラム教国です。ということで例に漏れず、イスラム教暦で決まる休日があります。以下が具体的な留学期間中かつ、大学のスケジュールに記載されている休日です。
と、ご覧にいただくと分かるように年間を通じてイスラム教関連のお休みがあり、国単位の休日(メーデーヤ独立記念日など)以上にイスラム教暦の休日が存在しています。
加えて、Eid Almawlidにあるように休日の直前にならないと具体的な日付がわからない休日があります笑。というのも、イスラム教暦は月の満ち欠けでカレンダーを決めているので、イスラム教の指導者が月を見て休日を決めるからです。
実際に、タンジェに旅行したFirst of Muharramでは10月2日土曜日の夜に10月4日の月曜日も休みになることが確定し、目一杯3連休で旅行を楽しめました。
では、イスラム教のお休みをモロッコ人はどのように過ごしているのでしょうか。
カレンダーの中で私が現在までに体験したのはAid Al AdhaとFirst of Muharramです。
残念ながら、イスラム教国での一大イベントである犠牲祭はほとんどのお店がお休みと聞いており、スペインに逃避旅行をしていたため、僕からはあまりお伝えできません。同じ大学に通っている友人はモロッコ人の家にホームステイし、羊を一頭屠して家族や近隣の方々とシェアするお祭りを体験したようです。
そして、イスラム教暦の新年のMuharramが10月第1週にありました。私は東南アジアや中国で見られる旧正月のような派手な正月をイメージしていましたが、全く休日という雰囲気もなく、旅行先のタンジェの街のお店もほとんどが開いていました。
そこで、普段イスラム教国であるため、あまり飲むことができないアルコール飲料を求めてイスラム教暦の大晦日の日にバーに入りました。確かに、私の留学先大学の学生(ムスリム含む)も時折アルコール飲料を飲むためにバーに行くことは知っていましたが、イスラム暦の大晦日である以上、バーはガラガラで、気軽に入ることができるだろうと予想していました。
すると、、、テーブル席は満席、カウンターも私と友人が座る2席しか空いていませんでした。しかも彼らはビールやワインをがぶ飲みしています。
ということで私が最もカルチャーショックを感じたことは、
「イスラム教の年越しの時でもアルコール飲料を飲んでいるモロッコ人がいたこと」です。
ムスリムであるにも関わらず、アルコールを飲んでいる理由はイスラム教暦での新年のpriorityが他の休日、例えばラマダンの終了などに比べると低いことも考えられますが、ひとえに個々人の宗教的信条によるものだと思われます。
モロッコ人は他のイスラム教国よりもリベラルだと聞いていましたが、ここまで開放的とは思いませんでした。
最後に、今回のカルチャーショックを通じて、いかに自分が「モロッコ人」や「ムスリム」という枠を通してモロッコの人々を見ているかを改めて自覚しました。
ただ、ケニトラというモロッコの別の都市出身の友人にこのことを話すと「ありえない」と一蹴されたので、この出来事はあくまでもタンジェという昔から国際的な港として発展してきた都市で見た光景です。
他のモロッコの都市の人々についても一般化できる話ではないかもしれませんが、だからこそ、できるだけ多くの人と一対一の関係を築き、より深くモロッコの人、風土を知る努力をしていきます。
読んでいただき、ありがとうございました。
トビタテ留学JAPAN5期生としてモロッコのアル・アハワイン大学で交換留学をしている筑波大学の3年生です。日本の大学では都市計画を学んでいますが、モロッコでは中東・北アフリカの地域研究の授業を履修しています。日々巻き起こる出来事から自分が感じたことを書いていきます。