Times Higher Education (THE) の世界大学ランキング2016-17が発表されました。
1位はオックスフォード大学、2位はカリフォルニア工科大学、3位にスタンフォード大学と例年のように英米の大学がトップ争いをしている中、東京大学も43位から39位へ順位を少し上げています。
今回は、最も参考にされている大学ランキングと言われるQS世界大学ランキングをもとに、文系10科目のトップ大学を見てみたいと思います。自分の専攻のランキングチェックや留学先選びの参考にしてみてください。興味のある科目を見つけたら、その他の国の上位大学のリンク先へ飛べばその科目のランキングトップ50が見られます。
英米の大学が上位を占めていますが、英語圏や非英語圏、日本の大学を含めたアジアのトップ大学も見ていきます。
政治学・国際関係学
-Politics, International Studies
1位 ハーバード大学(アメリカ東海岸)
2位 オックスフォード大学(イギリス)
4位 パリ政治学院(フランス)
13位 シンガポール国立大学(シンガポール)
19位 東京大学(日本)
パリ政治学院は通称シアンスポ(Science Po)と呼ばれ、公共政策、国際関係学に強みを持つ世界トップクラスの難関大学です。フランス語で行われる授業と英語で行われるものがあり、日本の大学でも国立私立ともに国際交流協定を結んでいる大学はたくさんあります。
1位 ハーバード大学(アメリカ東海岸)
2位 オックスフォード大学(イギリス)
8位 メルボルン大学(オーストラリア)
22位 東京大学(日本)
42位 京都大学(日本)
このランキングでは、8位のメルボルン大学を筆頭に、50位以内にオーストラリアの大学が8校入っているのが特徴的でした。しかし法学部の人がもし留学するとしたらどこに行くのだろうと少し興味をひかれる、世界を二分するような事実がここに。日本では制定法(法典)を中心とする「シビル・ロー(大陸法)」を採用している一方、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、インド等々のかつての大英帝国領であった国々は、制定法のない「コモン・ロー(英米法)」と呼ばれる法体系を採用しているのです。「??」という方は留学先で法律はやらないほうが良いかも。日本の法律についてもよく知らないままファウンデーションコースで英米法を学ばされた私が、ほとんど唯一覚えていることなので門外漢ながら忠告してみました。笑
1位 マサチューセッツ工科大学 (アメリカ東海岸)
7位 ロンドン経済政治学院(イギリス)
17位 ボッコーニ大学(イタリア)
31位 東京大学
1位から16位までを英米の大学が占めるという結果になりました。17位のボッコーニ大学は、イタリアのビジネスや金融の中心地であるミラノの中心部に位置する研究大学です。取得できる学位は経営学、経済学、財政学、法学で、英語でも開講されています。外国人向けにイタリア語入門コースも併設されているので、選択肢に入れてみても良いかもしれません。
1位 ハーバード大学 (アメリカ東海岸)
4位 ロンドン経済政治学院(イギリス)
12位 メルボルン大学(オーストラリア)
14位 ナンヤン工科大学(シンガポール)
42位 東京大学(日本)
ナンヤン工科大学は、2016年度のTHE世界大学ランキングのアジアランキングで東大(1位→7位)や京大(9位→11位)を抜き、北京大学と並ぶ2位に躍り出た注目の大学です(1位はシンガポール国立大学)。THEの集計方法が変わったことも影響しているようですが、創立25年というまだ新しい大学ながらも優秀な学生の集まる大学であることは間違いなさそうです。また、授業はすべて英語との事なので、留学先としても適しているかもしれません。
1位 ハーバード大学(アメリカ東海岸)
2位 カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ西海岸)
3位 オックスフォード大学(イギリス)
14位 アムステルダム大学(オランダ)
23位 東京大学
このランキングで東京大学は、経済学で1位であったマサチューセッツ工科大学(24位)を上回っています。ランキングで一概に言えることではないですが、やはり単純な大学ランクに左右されず自分の学びたい学問を追求する方がいいことの一例ですね。
1位タイ ケンブリッジ大学(イギリス)
2位タイ オックスフォード大学(イギリス)
3位 ハーバード大学(アメリカ東海岸)
12位 オーストラリア国立大学(オーストラリア)
25位 東京大学(日本)
28位 シンガポール国立大学(シンガポール)
29位 京都大学(日本)
アジアからランクインした4大学のうち2つが日本からという結果になりました!フランスのパリ第一大学(18位)やオランダのライデン大学(19位)、ドイツのベルリンフンボルト大学(20位)など、他のランキングではあまり見られないヨーロッパの大学も目立ちました。ケンブリッジ大学は創立が1209年、オックスフォード大学は1167年、パリ第一大学の起源も1257年など、大学自体長い歴史を持っているのですね。ちなみに世界最古の大学とされているのは1088年創立のイタリア・ボローニャ大学。東大は日本の国立で一番歴史が長く創立が1877年です。
1位 南カリフォルニア大学(アメリカ西海岸)
3位 ロンドン経済政治学院(イギリス)
6位 アムステルダム大学(オランダ)
12位 シンガポール国立大学
47位 東京大学(日本)
日本では「メディア学部」、「情報学部」、「情報メディア学部」、「グローバル・メディア・スタディーズ学部」などいろいろな呼び名があり、学問の対象も理科系、芸術学系、文系に分かれます。
1位の南カリフォルニア大学は西部で最も古い私立大学で、「スター・ウォーズ」で知られるジョージ・ルーカス監督も卒業生です。スピルバーグ監督など、世界第一級クラスの監督が公演や講義に訪れることも。実は安部総理大臣もこの大学(学部は政治学部でしたが…)に留学していたようです。
1位 オックスフォード大学(イギリス)
2位 ケンブリッジ大学(イギリス)
3位 ハーバード大学(アメリカ東海岸)
11位 シンガポール国立大学(シンガポール)
29位 東京大学(日本)
1位2位をイギリスの大学が占めるのは実は珍しいのですが、そこはやはり英語発祥国。しかし英語圏の大学ばかりになるかと思いきや、11位のシンガポール国立大学を始め香港大学が24位、東京大学も29位につくなどアジアの大学も上位にランクインしています。カナダでは13位のトロント大学、オーストラリアでは18位のメルボルン大学がトップという結果になりました。
1位 ハーバード大学
2位 オックスフォード大学
10位 アムステルダム大学(オランダ)
14位 メルボルン大学(オーストラリア)
27位 シンガポール国立大学(シンガポール)
日本の大学で心理学があまり一般的でないのか、日本の大学は50位までのランキングからは外れてしまいました。
10位のアムステルダム大学はオランダにあり公用語はオランダ語ですが、9割の国民は英語が話せるため、オランダ語が話せなくて困ることはあまりないそう。オランダでは修士コースはほとんどが英語で受けられますが、アムステルダム大学では最近までほとんどの学部コースでオランダ語のみの開講でした。最近は留学生の受け入れにも力を入れ、交換留学制度も整い英語で受けられる授業が増えているようです。
1位 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(イギリス)
2位 マサチューセッツ工科大学(アメリカ東海岸)
10位 ミラノ工科大学(イタリア)
16位 ロイヤルメルボルン工科大学(オーストラリア)
1位のロイヤル・カレッジ・オブ・アートはロンドンにある美術大学院です。日本の大学は残念ながらまたしてもランク外。このランキングでは、アールト大学(フィンランド・17位)、コンストファク美術大学(スウェーデン・41位)など北欧の大学や、メキシコ国立自治大学(26位)やチリのカトリカ大学(36位)、アルゼンチンのブエノスアイレス大学(39位)など南米の大学も名を連ねているのが目立ちます。
いかがでしたか?留学先を選ぶときに、国や地域、費用など考慮すべきことがたくさんありますが、せっかく学びに行くなら科目別のランキング、参考にしてみてはいかがでしょうか。
このランキングは、QS(Quacquarelli Symonds)という教育系企業によって作られており、THE世界大学ランキング、世界大学学術ランキングとともに最もよく知られた大学ランキングであり、アレクサ・インターネットによると最も参考にされている大学ランキングといわれています。
42の科目別にランキングが載っているので分かりやすく、大学選びに便利。私の専攻である開発学について記事を書いた際にも述べましたが、学部を有さず院のみの大学も載っているので交換留学などの方は注意してください。
(トップが像引用元:http://uk.businessinsider.com/the-most-beautiful-university-campuses-in-the-uk-2016-8)