「起業」を日常の選択肢のひとつに。スタートアップの祭典「SLUSH ASIA」に込められたメッセージとは?

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昨年日本に上陸し、大きな話題を集めたフィンランド初のスタートアップの祭典「SLUSH」。今週末に開催される「SLUSH ASIA 2016」を控え、去年開催された「SLUSH ASIA」のボランティア統括をしていた田口佳之氏に話を伺った。 

「起業」を日常の選択肢のひとつに。スタートアップの祭典「SLUSH ASIA」に込められたメッセージとは?

日本における「SLUSH ASIA」立ち上げ秘話

 

———SLUSHを日本で開催することになったきっかけについてまず教えてください。

 田口:日本でSLUSHを開催しようと言い出したのは、SLUSH立ち上げ人のアンティ・ソンニネンさんと孫泰蔵さんです。僕はSLUSH2014でアンティと出会い、彼からしゃぶしゃぶに誘われて行ってみると、SLUSHの代表や孫泰蔵さんの会社の人たちがいて、「今日から学生の代表ね」と言われて今に至ります(笑)。それが去年の1月中旬くらいですね。

 ———2014年にフィンランドで開催された「SLUSH 2014」に参加したんですね。

 田口:そうですね。2014年の8月から2015年の1月までフィンランドに留学していて、その時に遊びに行きました。フィンランドではほぼ必ず、アクセラレーターが大学の近くのビルに入っているんです。そしてアクセラレーターから提供されているワーキングスペースにはたくさんの学生起業家がいて、自分も興味があったのでよく出入りしていました。そこにはSLUSHに参加したことがある、もしくはこれから参加するという人がたくさんいて、面白そうだなと思ったのがSLUSHに興味を持ったきっかけです。 

———留学先にフィンランドを選んだ理由を教えてください。

 田口:教育について学びたかったからです。PISAという論理的な思考力や算数の力を測る世界共通のテストがあるんですが、フィンランドはそのPISAで常に上位を取っているんです。それにも関わらずフィンランドの授業時間数は世界的に見ても一番下に近い数字で、どんな授業をしているのか興味がありました。日本は授業時間数はかなり多い方なんですが、PISAでは10位に入るか入らないかぐらいなんです。

 ———実際にフィンランドの教育を体験してみていかがでしたか? 

田口:一番興味深かったのは、学校の職員室に個人用のテーブルがなくて、長テーブルしか置いてなかったことです。そして先生達は学校にいるほとんどの時間を職員室以外で過ごすんです。学校にいる間はとにかく生徒とコミュニケーションを取ることに集中していて、先生も生徒に話しかけるけど、生徒も先生によく話しかけている光景が印象的でした。作業は学校の中ではやらずに、みんな絶対持ち帰ってやっているようです。

マイクロソフトによるノキア買収が、フィンランドにスタートアップ文化をつくった

 

「起業」を日常の選択肢のひとつに。スタートアップの祭典「SLUSH ASIA」に込められたメッセージとは?

———そんなフィンランドではSLUSHはどういう立ち位置ですか? 

田口:紅白歌合戦のスタートアップ版のような立ち位置です。有名なニュース番組でも生中継されるし、フィンランドの一番大きなヘルシンキ中央駅にSLUSHの文字がプロジェクションマッピングされています。オープニングでは首相がスピーチすることもあり、国を挙げて応援しているイベントですね。2015年にはイベントの参加人数が15000人をこえ、国から表彰されています。

 ———国をあげてスタートアップを応援するというのは、日本ではあまり想像ができないことですが、フィンランドがスタートアップを国をあげて支援しているのにはどういった背景があるのでしょうか?

 田口:一つは、ノキアがマイクロソフトに買収されたことです。ノキアがマイクロソフトに買収されるって、日本でいうと、トヨタやソフトバンクのような会社が海外の起業に買収されるようなことなので、衝撃的な出来事でした。その後、リタイアした元ノキアで働いていた人たちが各地のスタートアップに散らばりました。そして彼らがそのスタートアップでエンジニア達を育てていったんです。加えて、ノキアが買収されたから自分たちで生きていくしかないという意識が生まれて、起業することを国全体で推進していくことになりました。 

———SLUSHの創成期はどれくらい人が集まったのでしょう? 

田口さん:初めて開催したときは300人程で、全員フィンランド人でした。フィンランドはもともとビジネス系のイベントが少なく、スタートアップと投資家が出会う場所がなかったんです。なので、「アングリーバード」をつくったピーター・ヴェステルバッカといった起業家が土日の仕事のような感覚で作ったのがSLUSHです。彼らは忙しいので運営を学生に託し、ボランティア文化が生まれたんです。
SLUSHを15000人規模まで成長させたミキ・クウシという代表がいて、彼はSLUSHの代表を辞めると同時に起業をしました。そのときに投資してくれたのが、スーパーセルの社長やノキアの会長、Skypeの創業者といったSLUSHに登壇していた人たちです。25歳位で有名な人から投資してもらっていて、彼は理想的なロールモデルになっていますね。 

SLUSH ASIAにボランティアとして参加する魅力って?

 

「起業」を日常の選択肢のひとつに。スタートアップの祭典「SLUSH ASIA」に込められたメッセージとは?

———SLUSH ASIAに参加するボランティアはどのような学生が多いですか? また、どうやって認知度を拡大していきましたか?

 田口:やはり、起業思考であったり視座が高い人が多いですね。英語で働いてみたいというのも大きな特徴です。学生ボランティアを集めることに関しては、10大学くらいでSLUSH ASIAのボランティア説明会を開いて集めました。直接対話して、SLUSHとはどういうイベントなのか、これから呼ぶ予定の有名人や自分が経験したことの話も交えて興味を持ってもらえるようにしています。そこから彼らがSLUSHのファンになってくれて、どんどん他の人に広めていってくれています。

 ———学生がSLUSHでボランティアすることで得られるものは何でしょう? 

田口:VIPサポートチームがあって、スピーカーの人たちの通訳やアテンドを任される仕事があります。例えば、DeNA創業者の南場智子さんの付き人になれた人は1日中ずっと南場さんと話すことができる。これは学生ボランティアにとっては他では得難い経験だと思います。 また、今年新しく起きている動きとして、京都工芸繊維大学という起業家育成に力を入れている大学がSLUSH ASIAのボランティアに単位を認めてくれることになったんです。起業家育成プログラムの中で、ボランティアの期間を東京での研修ということにして、レポートの提出で単位が貰える仕組みです。フィンランドだとほとんどの大学が単位を認めているので、日本でも同じようになればいいなと思っています。 

———では最後に、SLUSH ASIAを開催する目的は何ですか? 

田口:起業を身近に感じてもらうことです。「起業する」ことは、ちょっと変わった一部の人がすることではなく、したい人がするだけのもの。なので、起業することが日常の中の選択肢の1つになってほしいと思います。そのために演出を派手にしたり、DJイベントをやったりして、楽しいイベントにしようと心がけています。

 ———SLUSH ASIAの今後の展望についても教えてください

 田口:2つあります。1つ目は「起業することはかっこいい」と、みんなが思ってくれる世界。2つ目は「若者は何でもできる」と、みんなが思ってくれる世界。若い学生でも何千人も集めてかっこいステージ作ることができるという意識をみんなが持てるような未来を作っていきたいと思っています。

「起業」を日常の選択肢のひとつに。スタートアップの祭典「SLUSH ASIA」に込められたメッセージとは?


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